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【石野純也のソーシャルゲーム最前線-第8回-】

NHN Japanに直撃インタビュー! 「LINE」ゲームは、新たなソーシャルゲームか!?

文●石野純也

2013年02月22日 21時30分

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LINEのお客様が盛り上がることを
何よりも重視


ケータイジャーナリスト・石野純也氏が、プラットフォーマーやゲーム運営会社にインタビューをしてソーシャルゲームの今後を占う本連載。今回は、無料通話や無料メッセージのみならず、ゲームでも大ヒットとなっている『LINE』を運営するNHN Japanに直撃した(取材日時:2013年1月21日)

『LINE』ゲーム独自路線のワケを訊く!

▲【左】スマートフォン事業部 事業部長 鎌田誠:1974年生まれ。1997年に大阪大学文学部卒業、1999年に大阪大学大学院文学研究科修了後、株式会社コーエー(現株式会社コーエーテクモゲームス)に入社。その後株式会社カプコンを経て、2004年にNHN Japan株式会社に入社。PCオンラインゲーム事業の事業部長を務める。2009年に退社後、2012年9月に再入社し、スマートフォン事業部事業部長としてLINE GAME 事業を担当。【右】スマートフォン事業部 副事業部長 山崎慎二:1982年生まれ。出版業界を経て2008年NHN Japan株式会社に入社。PCオンラインゲームのアライアンス事業に携わり、2010年よりスマートフォン事業の立ち上げに参画。現在はLINE GAME事業を担当。

 サービス開始からわずか19カ月で1億ユーザーを突破し、グローバル展開も成功しつつあるLINE。昨年7月には、「LINE Channel」の計画も発表され、メッセージや無料通話だけのサービスから徐々にプラットフォームへと変貌を遂げつつある。占いやゲーム、ホームやタイムラインといった要素がLINEに加わり、コンテンツの受け皿としても機能し始めたのだ。

 このLINE Channelの中で、もっとも成功している分野のひとつがゲームと言えるだろう。パズルゲームの「LINE POP」は、リリースから2カ月で2000万ダウンロードを突破。「LINE GAME」全体でも、すでに7000万ダウンロードを超えている。スマートフォンでのゲームと言えば、今まではソーシャルゲームが主流だったが、LINEのゲームはパズルのようなミニゲームが中心だ。ユーザーのすそ野が広く、課金なしでも長く遊べるというのも従来のソーシャルゲームにない特徴として挙げることができる。

 実際、LINE Channelの計画が発表されたとき、LINEを運営するNHN Japanの代表取締役社長、森川亮氏は「ゲームに関してはいたずらにARPUを上げるのではなく、まずは楽しみを伝えたい。ガチャを入れるより、アイテム課金型ではあるがさまざまな仕組みを準備したい」と述べていた。従来のソーシャルゲームとは、真っ向から異なる考え方だ。LINEというリアルグラフに基づいていたゲームという点も、大きな違いと言えるだろう。このLINE GAMEを運営するNHN Japanのゲーム本部 スマートフォン事業部 事業部長の鎌田誠氏および副事業部長の山崎慎二氏に、成功の秘けつを聞いた。

——そもそも、LINE GMAEがここまで急成長した理由はどこにあると分析していますか。1億ユーザーの中の7000万ダウンロードは、相当な比率だと思います。

鎌田:去年はDL特典としてスタンプを配布してたので、それが利いていると思っていた方が多いのではないでしょうか。当初は、私たちもそれが重要だと考えていました。ただ、実はスタンプのダウンロード数と、ゲームのダウンロード数を比べると、ゲームの方が圧倒的に多いというデータが出ています。

 ですから、スタンプがあるからではなく、完全にバイラルで広まっているのだと思います。自分がゲームを立ち上げた時、ランキングに人がいた方が面白いですからね。ゲームのインバイト機能を使うこともあれば、LINEは実際の友達同士でつながるサービスなので、直接友達に「やろう」と言うこともあると思います。

 もちろん、スタンプで初動がポンと跳ねることはありますが、そこから下がるわけでもなく、ゲーム自体のアクティブ率は高くなっています。

——いたずらにARPUを追わないという方針は、既存のソーシャルゲームと真逆だと思います。まずは、ここから考えをお聞かせください。

鎌田氏:今はあくまで、LINEのお客様にどういう価値を提供できるのかに主眼を置いています。通常のゲームプラットフォームとしていかにマネタイズするかではなく、お客様にいかに楽しんでいただくかを考えるフェーズだからです。ですから、課金率やARPUなどの目標を設定するより、無料でも本当に遊べる。たとえ課金していただくのであっても、それほどお金をかけず、広く浅くという感じでやっています。

——コミュニケーションが、他のソーシャルゲームはバーチャル中心な中で、LINEは現実の友達や知り合いがほとんどです。これもゲームには影響していますか。

鎌田:今までのゲームは、ゲームにはまっていただき、有利に進めるためにはバーチャルを含めた友達が多い方がいいという仕組みがありました。一方で、LINEの場合は、よく分からないけど友達から招待がきて、入ってみたらランキングが並んでいる。とりあえずやってみたら、友達の結果やアウトプットがあるという形にしています。実際、LINEに今あるゲームは、ゲーム内の友達数が多かったからといって、特に有利にはならないようにしています。ハートはもらえますが、スコアには影響しません。

——ミニゲームが多いのも、今までのスマートフォン向けソーシャルゲームとは異なる点だと思います。ここにこだわっている理由は何かあるのでしょうか。

鎌田氏 自分たちとしては、大作であっても、カードバトル型のソーシャルゲームであってもいいとは思っています。LINEのお客様が盛り上がれれば、それでいいという考え方です。インゲームで積極的に交流できるものがあっても構わないと思います。ただ、結果として、今はシングルでも遊べる、パズルゲームが盛り上がっているだけです。今のLINEユーザーのメインボリュームを考えると、あまりゲームゲームしているのは難しいとも思います。とは言え、それはあくまでボリュームの問題です。

山崎氏:今後は、もう少し長く遊べるゲームを出していく予定もあります。今は、1回1〜3分が主流ですが、友達と協力しながら進める農園ゲームや、シミュレーションゲームもLINEとは親和性が高いと思います。ステップアップでつなげていき、お客様にも慣れていただくのがいいなと考えています。

——ひとつのゲームに対する定着率はいかがでしょうか。ミニゲームだと、離脱する人も多いような印象を受けます。

鎌田氏:カジュアルゲームの寿命は短いと言われていましたが、思った以上に継続していただけています。30日後のKPIも、予想以上に高く出ています。すぐ離脱する人はそんなにいない状態で、起動率や次の日に遊んでいただける率も高くなっています。

山崎氏:プレイ時間や同時接続者数のデータは取っていますが、特徴としては短期間で複数回遊ぶということが多くなっています。

鎌田氏:ですから、可処分時間だけを見ると、まだまだタイトルを増やしても遊んでいただけると思います。

——そのようなゲームを出す中で、今おっしゃられていたインゲームでの交流ということも始められるのでしょうか。

鎌田氏:バーチャルグラフの活用を一切禁止しているわけではありません。ゲームとしてあった方がいいものは、使った方がいいと思います。LINEの友達より、ゲーム内の友達の方がいいということもありますからね。たとえば、レベルが近くないと一緒に遊ぶ楽しさが減ってしまうようなものは、LINEの友達だけだとおもしろくなくなってしまいます。

 春先からは、そうしたゲームも出てくると思います。ただし、その場合もバーチャルからLINEの友達になるのではなく、あくまでゲーム内のみのつながりになります。

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■LINEのゲーム PickUp-①-!

LINE POP

 

ブレイク中の無料通話アプリ『LINE』の公式ゲーム。簡単なパズルを通じて、『LINE』上の友だちと協力したり、ランキングを競ったりできる。


対応機種:Android、iPhone
メーカー:NHN Japan
ジャンル:パズル
料金:アイテム課金制
 (c) NHN Japan Corp. All rights reserved.

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■LINEのゲーム PickUp-②-!

LINE バブル

 

『LINE』の人気キャラクターが登場するパズルゲーム。 画面下からバブルを打ち出し、上からせり降りてくるバブルの絵柄を3つ以上揃えて消していく。


対応機種:Android、iPhone
メーカー:NHN Japan
ジャンル:パズル
料金:アイテム課金制
 (c) NHN Japan Corp. All rights reserved.

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