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3,080mAhバッテリーとIGZOディスプレイの採用で長時間使用OK!! シャープの商品企画部に聞く、au2013夏スマホ「AQUOS PHONE SERIE SHL22」の魅力とは!?

文●mobileASCII編集部

2013年08月09日 20時45分

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AQUOS PHONE SERIE SHL22

 au2013年夏スマホである「AQUOS PHONE SERIE SHL22」をレビュー! 3,080mAhの大容量バッテリーと、IGZOディスプレイ(HD解像度を搭載しこの端末はどのようなものなのか、開発を手がけたおふたりに話を伺いながら、じっくり見ていってみよう。

シャープ株式会社
通信システム事業本部
パーソナル通信第二事業部

商品企画部 第二グループ
チーフ
後藤 正典氏

通信システム事業本部
パーソナル通信第二事業部
商品企画部 第二グループ

主事
福山 享弘氏

 


電池持ちNo.1を目指した
「AQUOS PHONE SERIE SHL22」


AQUOS PHONE SERIE SHL22

「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、兄弟モデルのドコモ「AQUOS PHONE ZETA SH-06E 」に比べ、ロゴの入れ方が控えめで上品な印象だ。カラーバリエーションはブラック、ブルー、ホワイトの3色。

 au夏スマホである「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、au向けとして初めての「IGZO」ディスプレイ搭載スマホだ。
 タブレットでは、2012冬モデルの「AQUOS PAD SHT21」での採用実績はあるが、主戦場であるスマホに「IGZO」ディスプレイが搭載されたことは、auユーザーにとってはうれしいニュースだろう。

 シャープが昨年末に市場投入してきた「IGZO」とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)から構成される酸化物(O)の頭文字を取った造語で、透明度の高い化合物半導体。この「IGZO」素材を使って液晶を駆動させるための薄膜トランジスタを作ると、従来のCGシリコン素材を使ったものに比べ、一個ずつのトランジスタをかなり小さくできるのが特長だ。光の透過の邪魔となる薄膜トランジスタが小さいと、その分液晶面の透過率がアップするので、バックライトの明るさを抑えることができるようになるのだ。これによって、CGシリコン液晶を使ったディスプレイに比べて、「IGZO」を使ったディスプレイでは、バックライトの消費電力が約1/2となっている。

 また、自動車のアイドリングストップのように、「IGZO」ディスプレイでは、静止画を表示しているときに液晶自体への給電を停止しても、1秒間は画面が消えずに保持される。これまでの液晶が、表示を維持するためにCPUから1秒間に60回の画像データを送り続ける必要があったのと比べると、消費電力は格段に少なくて済むのだ。

AQUOS

静止画を表示しているときのアイドリングストップ効果を示す図。ディスプレイの書き換え回数が少なくて済むため、消費電力が少なくなる。

 最新の「IGZO」ディスプレイは、すでにフルHD解像度のものが登場しているが、「AQUOS PHONE SERIE SHL22」には、HD解像度のディスプレイが採用されている。なぜ最新のフルHD解像度ディスプレイを採用しなかったのか? シャープ商品企画部の後藤氏と福山氏に伺ってみた。

バッテリーを長持ちさせることを
最優先課題として開発を進めた

「(AQUOS PHONE SERIE SHL22の)仕様を固めていく際には、当然ながらフルHD解像度の「IGZO」ディスプレイを採用するかどうかという議論はありました。ただ、今回の「AQUOS PHONE SERIE」は、“徹底的にバッテリーが長持ちするハイスペック機を作る”ということをテーマにしていましたので、消費電力的に有利なHD解像度のディスプレイを選択しました。やはりフルHD化すると、その分消費電力が増えてしまうんです。また、ディスプレイを駆動するためのエンジンも完全に新しいものになっていますので、より低消費電力化が進んでいます」後藤氏)

AQUOS PHONE SERIE SHL22

▲シャープの2013年夏モデルのスペック一覧表。各キャリア向けモデル間で、少しずつスペックが異なるのが分かる。

 シャープが独自に市場の声を集めるまでもなく、スマートフォンの電池の持ちの悪さに不満に感じているユーザーはきわめて多い。フルHD解像度で商品性を向上させても、バッテリー持ちが悪くなるようでは、トータルでのユーザー満足度はアップしないという判断によるものだとのこと。

「新開発のディスプレイを駆動するためのエンジンには、FEEL Artist(フィールアーティスト)という名称を付けました。専門的になるのですが『HSV色空間』に対応した映像リアリティエンジンになっていて、人間の近くに似た色相(H)、彩度(S)、明度(V)という3つの要素からなる色空間での細かい調整が可能となっています。また、周囲の明るさや照明の種類など、さまざまな生活環境に合わせて、自動で画質を調整する「ユースフィットモード」という技術も加え、シャープならではの映像美にこだわり抜いています。これは、フルHD解像度「IGZO」でなくても、十二分に感じ取っていただけると思います」(後藤氏)

AQUOS PHONE SERIE SHL22

▲白熱電球環境下でも、自動で色彩や画質を調整する機能「ユースフィットモード」により、上の写真のように常に美しい表示が得られる。

3,080mAhのバッテリーを搭載し
ライバル達の中でNo.1の電池持ちを狙う

AQUOS PHONE SERIE SHL22」には、2013年夏スマホとして最大容量となる3,080mAhのバッテリーが搭載されている(ソフトバンク向けの「AQUOS PHONE Xx 206SH」も同じく3,080mAh。物理的にバッテリー容量を増やすことは、スマートフォンの稼働時間を延ばすもっとも確実な方法だ。AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、ドコモの「AQUOS PHONE ZETA SH-06」で採用されたスロットインタイプのバッテリーは採用されず、バッテリーの取り外しはできない構造となっている。

「できる限り大きなバッテリーを搭載するためには、バッテリーをユーザーが取り外しできない構造にするほうが、有利な面もあります。着脱できるバッテリーのニーズが高いことは承知していますが、今回はバッテリーを最大限に大きくすることを優先しています」と後藤氏。

AQUOS PHONE SERIE SHL22 AQUOS PHONE ZETA SH-06

▲左がバッテリーの着脱ができない「AQUOS PHONE SERIE SHL22」。右がスロットインタイプのバッテリーを採用した「AQUOS PHONE ZETA SH-06」。

質実剛健なスマホを目指し
シンプル構成に徹した

 本機は、CPUにQualcommのSnapdragon 600(1.7GHz・クアッドコア)、OSがAndroid 4.2、1,310万画素のCMOSセンサーにF値1.9の明るいレンズを組み合わせたカメラを持ち、おサイフケータイや防水/防塵、ワンセグ、赤外線通信機能を搭載した、いわゆる“全部入り”スマホだ。ただ、シャープの2013年モデルとして、トップエンドなスマホかといえば、ちょっと微妙だ。

 フルHD解像度の「IGZO」ディスプレイを採用しなかった理由については上で触れたが、ソフトバンク向け「AQUOS PHONE Xx 206SH」に搭載したフルセグチューナーがなかったり、ドコモ向け「AQUOS PHONE ZETA SH-06」のカメラに採用されている光学式手ブレ補正機能がない。また、「ZETA」に採用された高音質LSIである「Wolfson」も「SERIE」には搭載されていないなど、少しずつ“惜しい”スペックに甘んじているような印象を受ける。各キャリア毎のスペックの違いはなぜなのか、後藤氏にぶつけてみた。

AQUOS PHONE SERIE SHL22

「今回の機種に関しては、開発テーマが『電池持ちNo.1』でしたので、ディスプレイの解像度をHDにし、それに伴ってフルHDディスプレイでこそ意味のあるフルセグチューナーの搭載も見送りました。光学式手ブレ補正機能に関しても、搭載すればカメラ周りのサイズが大きくなり、巡り巡ってバッテリー搭載スペースに影響を与えてしまいます。このように「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、質実剛健なスタミナスマホを目指して仕様を固めていったという経緯があります」(後藤氏)

「AQUOS PHONE Xx 206SH」と「AQUOS PHONE ZETA SH-06」がギミック満載のボンドカーだとしたら、「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は贅肉をそぎ落とした燃費レース用マシンということになるのだろうか。

 同じメーカーが作る「AQUOS PHONE」同士でも、かなり性格が異なっているのは非常に興味深い。

>>>次ページ 「AQUOS PHONE SERIE」に込められた工夫と独自機能

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