Android iPhone 特集・連載

【2014年LTEインタビュー-第1回-】

ソフトバンクの「Hybrid 4G LTE」とは、どんなサービスか? 

文●mobileASCII編集部

2014年01月08日 19時45分

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ソフトバンク「Hybrid 4G LTE」インタビュー

  ソフトバンクの2013年のAndroid冬モデルから対応する「Hybrid 4G LTE」は、「SoftBank 4G」と「SoftBank 4G LTE」という、2つの高速通信ネットワークが使える快適なサービスだ(「SoftBank 4G」と「SoftBank 4G LTE」については、こちらを参照)。この「Hybrid 4G LTE」の詳細について、ソフトバンクモバイル モバイルネットワーク企画本部の水口徹也氏と、Wireless City Planning(以下、WCP)技術本部の北原秀文氏に話を伺った。


 
ソフトバンクモバイル
株式会社
モバイルネットワーク
企画本部
無線企画統括部
エリア品質管理部
部長

水口 徹也 

 


 
Wireless City Planning
株式会社
技術本部
技術統括部
技術企画部
部長

北原 秀文 

 

――Androidの冬モデルが登場し、それと合わせて「Hybrid 4G LTE」がスタートとなりました。まずは、改めて、その仕組について教えてください。

ソフトバンクモバイル 水口氏(以下、水口氏)もともと、Android端末にはTDD-LTE(Time Division Duplex-LTEの略)方式の「SoftBank 4G」(以下、「4G」)というネットワークサービスを提供し、iPhoneのほうはFDD-LTE(Frequency Division Duplex-LTEの略)方式を使った「SoftBank 4G LTE」(以下、「4G LTE」)というネットワークサービスを提供することで、うまくネットワークの住み分けをしておりました。この2つのネットワークサービスの特徴ですが、「4G」は、今回のAndroid冬モデルから受信時最大110Mbpsに対応し“スピードが出る”というメリットがあります。ただし、エリアは日本全国というよりは、都市部を中心に展開しているサービスとなっております。それに対してiPhoneで使用している「4G LTE」は、日本全国かなり広いエリアをカバーしつつ、実行速度は受信時最大75Mbpsというスピードで展開しております。「Hybrid 4G LTE」は、この2つのネットワークを組み合わせることによって、ユーザーがより快適にネットワークサービスを楽しむことができると考えて作られたもので、この冬から、それに対応したAndroid端末を出させていただきました。

――2つのネットワークが使えるということですが、どちらのネットワークに優先的につながるようになっているのでしょうか?

水口氏:基本的には、「4G」の方が、優先的につながるようになっております。先ほどお話した実行スピードが速い方を優先的にして、「4G」のエリアがないところにつきましては、「4G LTE」のネットワークでつなぐという仕組みです。

ソフトバンク「Hybrid 4G LTE」インタビュー
ソフトバンク「Hybrid 4G LTE」インタビュー ソフトバンク「Hybrid 4G LTE」インタビュー

▲「Hybrid 4G LTE」は、この冬から春にかけて発売するAndroidスマホ4機種が対応する。

――改めて、2つのLTE方式「TDD-LTE」(4G)と「FDD-LTE」(4G LTE)の特性の違いについて、お教え願います。

Wireless City Planning 北原秀文氏(以下、北原氏):「FDD-LTE」は、上りと下りで周波数が分かれているので、アップもダウンも平均的にスピードが出ます。それに対して「TDD-LTE」は、どちらかというとダウンのほうに比重を置いていますので、ダウンはスピードが出やすく、逆にアップは出にくいです。ただ、インターネットのトラフィックの8~9割はダウンなので、基本的には問題ないかなと思っています。

――ダウンに比重を置かれているとのことですが、今後、その比重を変更したり調整する可能性はあるのでしょうか?

北原氏:将来的には、アップの速度を上げていくっていうのは考えています。ただし、一度、アップとダウンの比率を決めてしまいますと簡単に変更することもできないので、既存の端末に影響が出てしまう可能性があり、そこはなかなか難しいですね。まずは今の設定の範囲内で、何かもっとできることはないかを検討しています。

lte

▲「FDD-LTE」方式は、「上り」と「下り」で使う周波数帯を別にして運用する「周波数分割多重」という方式を採用している。対して、「TDD-LTE」は、同じ周波数帯で「上り」と「下り」の通信を時間で分割する方式である「時分割多重」を採用している。「上り」と「下り」でデータを運ぶ時間の長さを変えることで、速度の調節が可能となる。Wireless City Planningは、この「TDD-LTE」と100%互換の「AXGP」方式を採用する。

――3G回線部分に関しては、特にこれまでと変化はない?

水口氏:そうですね。3Gの方につきましては、2.1GHz帯と、900MHz帯(プラチナバンド)の2つの周波数帯に対応しています。また、900MHz帯に関しては、来春からLTEのサービスも予定しておりまして、今回の冬モデルでも、その900MHz帯のLTEを使うことができるようになります。

――ちなみに端末が「4G」と「4G LTE」のどちらにつながっているのかわかったりするものですか? 対応端末を使ってみると、通知パネルのところに「4G」または「3G」とだけ表示される感じですが…。

水口氏:端末の方で「4G」と「4G LTE」のどちらにつながっているかわかりません。LTEでつながっているときは、どちらのサービスであっても「4G」と表示されるようになっています。

――今回2つのネットワークがいっしょに使えるようになりましたが、今後、2つのネットワークはどう進化していくことになるのでしょうか? やはり、高速化に関しては「4G」の「TDD-LTE」方式が担って、エリアは「4G LTE」の2.1GHz帯や900MHz帯が担うようなイメージでOKでしょうか?

北原氏:(「4G」が採用する方式である)「TDD-LTE」方式のほうは、高速化がやはり得意ですね。当然、帯域を増やしていくというのもあるんですけれども、我々の基地局展開は、もともとウィルコムの8本アンテナの基地局との共用をベースとしています。これはアンテナを多素子化しやすいというメリットがあります。ですので、今考えているのはMIMOという技術を使って、トップスピードを出していくということです。(「TDD-LTE」は)少ない帯域でもトップスピードを出しやすい特質があるので、大きく分けて、スループットは「TDD-LTE」方式、エリアは「FDD-LTE」方式という感じですね。

――その「TDD-LTE」ですが、それを運用しているWCPの2.5GHz帯域幅が、2014年から増えると聞いています。

北原氏:NTTドコモさんのN-STARとの干渉が完全に解けるのが2014年の終わりからになるのですけれども、それが完全に使えるようになると、現在の20MHz幅に10MHz幅を加えた、合わせて30MHz幅の周波数帯となります。今考えていますのは、それをキャリアアグリゲーションして、トップスピードの向上を検討したいと考えています。まずは、MIMOのアンテナが「2×2」な場合ですけど、アンテナが4本になって「4×4」となれば、その倍のスピードとなります。今見えているのは、そこまでですね。

高速通信規格LTEの基礎知識

▲MIMO(マイモ)とは、複数のアンテナを組み合わせて、データ送受信の帯域を広げる無線通信技術。複数のアンテナを使って同時に分割されたデータを送信し、受信時にそれらを合成することで通信の高速化を図る仕組みだ。

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