Android iPhone 特集・連載

【2014年LTEインタビュー-第2回-】

4つの周波数&下り最大150Mbpsがウリ! ドコモにLTEの取り組みについて聞く

文●mobileASCII編集部

2014年01月14日 22時55分

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  2GHz帯と800MHz帯と合わせて、1.5GHz帯と1.7GHz帯の4つの周波数で、LTEのサービスを展開するNTTドコモ。1.5GHz帯は15MHz幅を、1.7GHz帯は20MHz幅を利用でき、下り最大速度としては、それぞれ112.5Mbps、150Mbpsでの通信が可能だ。それらLTEの取り組みについて、ドコモで無線アクセスネットワーク部・無線企画部門の担当部長の平本義貴氏と、無線アクセス開発部・無線方式担当部長の安部田貞行氏にインタビューを行った。


 
株式会社NTTドコモ
無線アクセスネットワーク部
無線企画部門
担当部長
平本 義貴 

 


 
株式会社NTTドコモ
無線アクセス開発部
無線方式担当部長
無線ネットワーク方式担当部長
工学博士
安部田 貞行 

 

4つの周波数と
下り最大速度150Mbps!



――まず、現状の4つの周波数で展開されているクアットバンドLTEの現状と、今後の展開についてお教え願います。

NTTドコモ 平本義貴氏(以下、平本氏):ドコモとしては、割り当てられた4つのバンドを、効果的・効率的に利用してLTEネットワークの展開を進めております。まずエリアの「広さ」の面では、2GHz帯と800MHz帯になりますけど、それぞれ特性を生かして使い分けを行っております。800MHz帯は基本的に電波が遠くまで飛びやすい特性がありますので、主には郊外からルーラルエリア(農山村地域)で使っています。一方で、基地局間距離の短い都市部では800MHzは電波が飛びすぎて干渉が大きくなってしまいますので、2GHz帯を使ってエリアを展開しています。都市部でも特に容量が必要なところは基地局を6セクタにすることで対応しております。また、「速さ」という観点からしますと、連続した広い帯域で使用できる1.5GHz帯と1.7GHz帯を使用しています。都市部で高速の通信速度を提供したいところや、お客様が集まるような場所で、効果的に使っている感じです。
 あと、すべてのバンドになりますが、都市部でどんどん容量がひっ迫してきていますので、そういうところでは全バンドを使ってシステム容量を上げて、「快適さ」を提供しているのが現状です。

――4つのバンドについてですが、現状、通信速度で秀でている1.5GHz帯と1.7GHz帯は、どれくらいのエリアをカバーする予定なのでしょうか? 最終的には2GHz帯や800MHz帯と同様の、広大なエリアで展開される予定なのでしょうか?
 
平本氏:1.5GHz帯と1.7GHz帯に関しては、まだ細かくは決まっていませんが、ある程度広いところまではエリアを広げていきたいと思っています。お客様としては、いろいろな場所でスループットが高くなることを期待していただいているところもあると思いますので、そのような期待に応えていきたいと思っています。

ドコモLTEインタビュー【2014】

▲ドコモは4つの周波数を駆使して、LTEを展開する(写真は、2013年に行われた、ドコモの「ネットワーク説明会」より)。

ドコモLTEインタビュー【2014】

▲ドコモは1.5GHz帯と1.7GHz帯を使って、下り最大150Mbpsのサービスを展開する。

――1.5GHz帯と1.7GHz帯に関して確認ですが、現状、1.5GHz帯が地方、1.7GHzが東名阪で展開していると認識しているのですが…。

平本氏:実はそうではないです。現状1.5GHz帯で15MHz幅を使えるのが“東名阪以外”という制限がありますが、東名阪でも5MHz幅で運用しております。2014年の4月からは東名阪でも15MHz幅で使えるようになりますので、1.5GHz帯に関しては地方のみならず都心部を含めて展開を加速していきたいと思っています。1.7GHz帯に関しては、ご認識の通り東名阪でしか使えないので、そこで展開していきます。

――ということは1.5GHz帯は日本全国をカバーして、そこに1.7GHz帯がオ―バーレイして展開していく感じでしょうか。

平本氏:そうです。

――2GHz帯と800MHz帯の回線速度についてお聞きします。現状、基本的には下り最大速度は75Mbpsで展開されていると思いますが、今後どういった感じのエリアでスピードを出していく予定なのでしょう。

平本氏:2GHz帯に関しては、現状、一部のエリアで15MHz幅の112.5Mbpsの提供を行っています。800MHz帯は、基本的に5MHz幅を3Gに使っているため、LTE は10MHz幅までとなるので、通信速度は75Mbpsまでとなります。2GHz帯は全部で20MHz幅を使って運用しているのですが、主なところは10MHz幅を使ってLTEで、残りの10MHz幅を使って3Gで展開しています。基本的にはそのように展開していますが、3Gのトラフィックが減少してきているところがありますので、そういう場所ではLTEを15MHz幅にして展開していきたいと思っています。

――ソフトバンクとKDDIはプラチナバンドを打ち出しておりますが、ドコモのプラチナバンドに対する考えについてお教え願います。

平本氏:郊外はエリアの効率的な拡大という観点から800MHz帯でLTEを展開していますが、都心部に関してもトラフィックの状況を考えて4バンド必要なところも増えていますので、そういうところは800MHz帯でのLTEの展開も行っています。

――先ほど、800MHz帯と2GHz帯では電波の特性が違うとおっしゃっていましたが、1.5GHz帯、1.7GHz帯も踏まえた4つの周波数で考えたとき、改めて周波数ごとの電波の違いについてお教え願います。

平本氏:2GHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯の3つの周波数に関しては、それほど差はないのですが、先ほど申したように800MHz帯に関して言うと、やはり違いがあります。ですので、そこに関しては、少し注意しながらエリアを展開しています。

――今後導入予定の、700MHz帯の運用についてもお教え願います。

平本氏:700MHz帯に関しても、来年度から使いたいと思っています。700MHz帯に関して細かく説明させていただきますと、今までとは違う周波数の割り当てられ方をしているタイプになります。従来ですと、ある程度の期間をとって、既存の使用者の方(免許人)に、他の周波数に移っていただいて、周波数が空いたところに、新たな事業者が割り当てられるという形でした。ですが、今回の700MHz帯に関しては、ソフトバンクさんの900MHz帯も同様ですが、先に周波数を事業者に割り当てて、その割り当てられた事業者の取り組みによって、既存の免許人に早く周波数を移行していただければ、割り当てられた周波数を早く使えるようになるというシステムになっております。今回、新たに700MHz帯を獲得したのは、弊社とKDDIさんとイー・アクセスさんになりますが、3社で社団法人を作りまして移行を推進しているところです。現在使われているのは、ラジオマイクとFPUという電送装置になりますが、今そちらの免許人の方に周波数を移行していただけるように相談させていただいている状況です。移行が済み次第、使っていきたいと思っております。

――700MHz帯と800MHz帯の運用方法は、異なるものなのでしょうか。

平本氏:エリアに関しては、すでに2GHz帯と800MHz帯の2つの周波数で基本的な部分を形成しております。ですので、700MHz帯に関しては、どちらかというと1.5GHz帯と1.7GHz帯に近い形で、ネットワーク容量のさらに欲しいところに、積み重ねていくようなイメージになります。たくさんのお客様が利用しても混雑しないように、容量を積み上げる使い方を想定しています。

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▲横須賀のドコモR&Dセンターには、すでに700MHz帯を含む5つの周波数に対応するアンテナもある。

――ちなみに、この冬モデルから4バンド使えるようになりましたが、どの周波数が優先的につながるとか、割り当てられやすいとかあるのでしょうか。

平本氏:基本的には、お客様にとって一番通信速度が速い周波数に割り当てるという仕組みとなっております。お客様が通信を開始するごとに制御をかけているのですが、たとえば現状1.7GHz帯に対応している端末は今回の冬モデルだけです。まだ、全端末に対する割合としては、それほど多くないので、結果として1.7GHz帯は他の周波数帯と比較すると空いております。ですので、結果として1.7GHz帯に対応している端末はその周波数に割り当てられやすいという感じで、そのエリアでサービスされている周波数とその周波数に対応している端末の割合によって、割り当てられやすいバンドが決まってくるという面はあります。

――周波数によって回線速度が違うところがありますが、より速い回線に繋がりやすくなるということでしょうか。

平本氏:基本的には、より通信速度の速い周波数に割り当てられやすくなっていますので、サービスしている周波数と端末が対応している周波数の割合がアンバランスですと、効率的にトラフィックを収容することができません。ネットワークの構築に時間がかかる一方で、新規周波数に対応した端末の開発にも時間を要しますので、どういう周波数をどう展開していくかというネットワーク側の要件と、端末側の対応周波数帯についても、あらかじめしっかりと同期をとって進めています。ドコモは、LTEをまず2GHz帯で提供を開始し、次に800MHz帯、そこに1.5GHz帯を追加して、1.7GHz帯と重ねていますので、端末もそれに応じて開発を並行して行っています。現時点ですと、LTEとして新しい周波数帯の提供を開始したばかりになりますので、新しい端末の方が特にスループットが速くなっています。

――この秋からiPhoneを導入されましたが、Androidスマホとはネットワークの使われ方が違うということはありますか。

平本氏:iPhoneは弊社が導入した新しい端末になりますので、端末の動作とかアプリケーションの動作などについて確認を行っていますが、Androidとそれほど大きな違いはないというイメージです。iPhoneは人気のある端末ですが、端末数トータルで考えるとまだ少数です。今後AndroidとiPhoneのトータルの割合によっても状況は変わってくる可能性はありますが、十分に対応できると思っています。

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