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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第12回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「2014年のモバイル業界展望」

文●mobileASCII編集部、小林誠

2014年01月06日 07時50分

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 モバイル業界を代表するライター&ジャーナリストである法林岳之、石川温、石野純也の3氏が、本音でキャリア、メーカー、端末について大放談するこの企画。新年を迎えた今回は、2014年の展望についてお聞きした。


ケータイライター

法林岳之氏

 ケータイ業界のご意見番的な存在。WEB媒体「ケータイWatch」の連載など、初心者にもわかりやすい解説でおなじみ。人気の「できるポケット」シリーズほか、著書も多数。


ケータイジャーナリスト

石川温氏

 スマ-トフォンなどモバイル情報について世界中を飛び回って取材し、テレビや雑誌、WEBなどで活躍中。週刊メルマガ「スマホ業界新聞」(http://ch.nicovideo.jp/226)を配信中。


ケータイジャーナリスト

石野純也氏

 宝島社で編集に携わり、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後はケータイジャーナリストとして関連業界を取材し、WEB、雑誌、新聞などの媒体で記事を執筆。主な著書は『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ新書)など。

 

2014年注目は、
音声通話とタブレット大戦争!

編集部(以下、編) さっそく、2014年の展望についてお伺いしたいのですが、まずは、前回の2013年振り返りの回で、石川さんがおっしゃっていた”膿を出す”という話の続きからお願いします。

石川温氏(以下、石川) そう、ちゃんと膿を出すべき。契約者数とか人口カバー率とか、まやかしのキーワードがあるので、ユーザーにとって分かりやすくてフレンドリーな伝え方をしないといけないよねというのが、まず2014年にやるべきことである気がしています。それと、皆がスマホの料金は高いと思っているので、安く使えるということが、2014年のトレンドになるとおもしろい。「楽天でんわ」もあるし、格安SIMも盛り上がったし。今は彼らが注目されているけど、VoLTE(注:LTEの回線を音声通話でも使う)が始まると、どうか。VoLTEはコーデックが変わって音質がキレイになると言われているけど、それだけではユーザーは乗り換えない。だからドコモは月いくらで、という通話かけ放題をやるだろうし、そうなると「楽天でんわ」を使わなくてもい、という状況になるかもしれない。

一同 (うなずく)

2014年のモバイル業界展望

石川 それはVoLTEが先に始まる場合だけど、逆にウィルコムとのMNPが始まると、090や080の番号でも「だれとでも定額」が使えるようになります。そうなれば音声通話を使う人、安く使いたい人にはチャンスになってくるハズです。だから高止まりしている音声通話に風穴が開くといいな、と思いますね。

石野純也氏(以下、石野) そうですね、音声がおもしろい一年になりそうですね。

 スマホですと、LINEなどの無料通話アプリもありますが。

石野 電話番号を使えないのが…。コミュニケーションがメッセージやメールになっていくなかで、電話を使っている人たちは、仕事や家族といった、目的特化の通話になっている。昔みたいに、不要な通話をしなくなっていて、ちょっとした用件はメールで済ませている風潮になっている。番号を持っているのは強いし、緊急発信ができるのは、キャリアの強みでもある。「楽天でんわ」は、緊急発信ができないし。

石川 だけど、緊急発信を安くしようと思わないでしょう(笑)。

石野 まあ、そうなんですけどね(笑)。

石川 IP電話は広がればいいな、と思うんだけど、LINEとかFaceTimeオーディオ(注:iPhoneの無料通話)って、当たり外れが大きくて。つながるときはキレイなんだけど、ダメなときは全然会話にならないときがある。普通の090や080の電話のほうが安定しているので、あとはどう使い分けるのか、という話ですね。

石野 VoLTEとIP電話の違いって、VoLTEは帯域管理までして品質管理をしているということが、一番の違いなんですよ。そういうところで差別化して、料金でインパクトがあれば、盛り上がるという気はしますね。

LINEイベント

▲2014年は、VoLTEやIP電話を含めた音声通話に注目(写真は「LINE」の発表会より)。

法林岳之氏(以下、法林) 僕は、VoLTEはそう簡単にはいかないと思っている。ちょうど来年の今頃がカギかな。一般の人に広がるのも時間がかかると思うし。その”地ならし”として各社のIP電話はもっと注目されるべきだし、いろいろ議論はあるけど、電話番号として050はどうやっても認知されていないし、そのへんをどうにかしたいというのはある。それと、キャリアの3Gの通話がキャリアによって、差が出てきている。特に、最近はauの音質がひどいので……。

石野 auは、ひどいですね。

法林 だんだん聞くに耐えられない音になっている。途切れ具合でもキャリアによって差があるし。

石野 ソフトバンクは途切れる、auが音が悪い、ドコモがまあマシ、ということで(私用回線は)ドコモに戻ってきました。

法林 あと、2014年前半はタブレット大戦争になると思う。

一同 (うなずく)

法林 今までも「Nexus 7」を各社が扱っていたし、キャリアもタブレットを売っていた。「iPad」も当然あった。ただ、「iPad」が容量によってはそろそろ在庫が出てきている。前も言ったように、「iPad」がiWorkを無料にした背景には、ビジネスユースを大事にしたいというのがあったわけだけど、じゃあ、ビジネスユースで何が良いのか、という話になると、Windowsに勝るものはないんだよね。それが5万円で売っているのなら、今までノートパソコンを持っていた人も、「Windowsタブレット」を持ちますか、という話になる。これは起爆剤になるのかな、と思っている。

一同 (うなずく)

法林 興味深かったのは、昨年末、家電量販店を覗いたときに、発売直後の「Tegra Note」が置いてあるんだけど、誰も見ていない。だけど、後ろに置いてあった「dynabook Tab」は見ているんですよ。「Surface」のところにも人がそこそこいる。タブレット競争になるのは確かなんだけど、なかでもAndroid勢は相当がんばらないといけない気がする。

8インチ「Windows 8.1タブレット」を徹底解析! 「買い」の理由と、「iPad」や「Android」との違いについて

▲「Windowsタブレット」など、2014年はタブレットにも注目だ。

石川 そうですよね、Androidだけ、ちょっと(特徴が)ないんですよね。

法林 7インチはまだあると思うんだけどね。

石野 安いのになっている。

石川 だけど、だんだん安いのもなくなっている。高解像度競争になって、チップセットも性能を上げないと、となると、今までのように2万円台で売ると……。

石野 厳しいですよね。

石川 うん、結構見劣りするラインアップになっている。

法林 ついでにドコモショップに寄ってみると、「ARROWS Tab F-02F」が売っているんだけど、一括価格9万円台になっているわけ。まあ(高くて)買わないよね。

一同 (笑)

法林 もちろん、月々サポートで割引されるんだけど、はたしてこの解像度(2560×1600ドット表示)はいるのか? とか考える。

 何に使うのか?って、なりますよね。

石川 スマホは必需品だから7万円とかしても買うし、絶対使うけど、タブレットってプラスワン、というモノだし。

石野 そう、これからどう変わっていくのか? というのが楽しみなモノ。

石川 うん、2年間使うか? ということを考えるとね。

法林 それに回線の契約に入って9万円というのはね、僕が古い考えなのかもしれないけど、高いなって思う。最終的に支払う金額は変わらなくても、最初に5万円だったら全然違う。そこはやはり売り方を考えないと。

石野 すぐにやめられるのと、2年間縛られるのとでは大違いですよね。

法林 そうなんですよ。タブレットが9万円するけど、すぐに解約してもいいですよ、というのもあっていいはず。だからキャリアのタブレットに関してはもっと考えるべきだと思う。

一同 (うなずく)

法林 タブレットはAndroid、Windows、iPadと三つ巴になっているわけだけど、アップルは他のタブレットは関係ない、うちが一番強いと言っている。だけど、お客さんの反応を見ていると、必ずしもそうでもないと強く感じる。それと、おもしろいのがモバイルWi-Fiルーターとセットで売るという、昔のネットブックのような「Windowsタブレット0円」という売り方ができるので、2014年の1~3月は熱い戦いが繰り広げられると思う。

石野 年末から、8インチがきていますからね。

石川 「Mebius Pad」も気になるし。

石野 そうですよね。高そうですけど。

法林 LGも8インチのタブレットを出した(注:LGの「G Pad 8.3」のこと)し、あれも驚いた。自社で出すか、と。そういう意味では、タブレットは良い競争が繰り広げられそう。

石野 キャリアのインセンティブが絡んでいないぶん、健全な競争という感じがしますね。

石川 いや、だけどすぐまた(インセンティブ付けて)売るよ。

一同 (笑)

法林 モバイルWi-Fiルーターとのセットもあるし、3G内蔵のものもあるからね。

石川 シャープの「Mebius Pad」が、なんでLTE対応したかというと、つまり、そういうことですよ(笑)。

一同 (口々に)まぁ、まぁ、そうだけど(笑)

石川 あれが法人で出たら、それは買いやすくなるよ。シャープのブランドで、高解像度で、LTEのSIMつけて、月々いくらってなれば導入しやすいだろうし。だから富士通もシャープのように法人のほうに向かったほうが、Androidタブレットより良いんじゃないかな、と思う。

石野 Androidタブレットは10インチ以上が鳴かず飛ばずで。「Xperia Tablet Z」でもあの程度かという。

法林 「Xperia Tablet Z」は空振りだったね。僕も買ったけど、使わない。重い、大きい。

石野 重くはないですよ(笑)

法林 持っては行きたくない感じかな。

石野 「Nexus」のタブレットも、10インチはダメだし。

法林 結局、モバイルは7インチ、8インチってことなんですよ。「iPad」は珍しい例で。日本の通勤電車では最大8インチまで、なのかな。

石川 確かに。

石野 だけど、最近「歩きタブ野郎」が増えてきて、そんなことしているとドコモがアプリ作っちゃうよ(笑)。

一同 (笑)

法林 本当にやめましょう。来年のテーマは「歩きタブレットをやめる」ですよ(笑)。

一同 (笑)

石野 本当に、最近多いんですよ。7インチくらいのタブレットを持って、地図を見たり。「iPad」は9.7インチもね。

法林 危ない、危ない。

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