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現在のトレンドは?
スマートフォンがもたらした
Eコマースの変化
スマートフォンでも欠かすことができないサービスの1つとして注目されているのが、インターネットを介した通信販売、すなわち「Eコマース」だ。フィーチャーフォン時代からモバイルによるEコマースは積極的に利用されてきたが、スマートフォンが広く普及した現在、Eコマースの環境がどのように変化しているのだろうか。そして今後、モバイルのEコマースはどのようなスタイルが主流となっていくのだろうか。ここでは、そのようなモバイルでのEコマースについて考察する。
スマートフォン以前の
モバイルEコマースを振り返る
インターネット上でさまざまな商品を売買する「Eコマース」は、現在では広く利用される一般的なものとなっている。Eコマースというとパソコンでするものと考えがちだが、スマートフォンなどモバイルを経由したEコマースも、実は非常に大きな市場となっているのだ。
実際、モバイルコンテンツの業界団体であるモバイル・コンテンツ・フォーラムが発表した資料によると、2012年のモバイルコマース市場は1兆4997億円にも上っており、その規模の大きさをうかがい知ることができる。
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▲モバイルコマース市場の推移(モバイル・コンテンツ・フォーラム資料より)
日本におけるモバイルのEコマースの歴史は古く、NTTドコモの「iモード」が立ち上がり、携帯電話でインターネットに接続できるようになった頃から、既にEコマースに類するサービスはいくつか存在していた。だが本格的にモバイルでEコマースの市場が立ち上がったのには、やはり通信キャリアによるところが大きい。
その発端となったのはKDDIだ。同社は2004年に、それまでパソコン向けのEコマース関連サービスを手掛けていたディー・エヌ・エー(DeNA)と協業で、オークションサービス「auオークション」(現在は「auモバオク」)を提供開始。さらに2006年には、ショッピングモールサイト「au Shopping Mall」を提供している。これによって当時絶大な力を持っていたキャリアのポータルサイトから、Eコマースへの誘導が実施されるようになり、モバイルからのEコマース利用が急拡大したのだ。
その後も、キャリア各社がポータルサイトの公式メニューにショッピング関連のカテゴリを設けるようになるなどして、モバイルにおけるEコマースの市場は大きく広がっていった。だが当時、モバイルでインターネットを積極的に利用するのは10~20代の若年層が非常に多かったことから、ギャル系ファッションの販売を手掛けて急成長した「夢展望」のように、モバイルならではのニーズをくみ取った事業者が人気を獲得。パソコンとはかなり異なる市場を形成していた。
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▲ギャル系ファッションを扱う「夢展望」は、フィーチャーフォンを積極的に利用した若年女性のニーズをくみ取ることで急成長し、上場も果たした。
スマートフォンの普及で
何が大きく変化した?
しかし2008年にiPhoneが登場して以降は、スマートフォンが急拡大したことにより、モバイルのEコマース環境は劇的に変化することとなる。
スマートフォンが変化を与えた影響の1つは、通信キャリアのポータルサイトの影響力を弱めたことだ。スマートフォンではアプリや検索機能を用いることで、キャリアのポータルサイトを経由することなくさまざまなWEBサイトにアクセスできるようになった。そのため、ユーザーは目的のWEBサイトに直接アクセスするようになり、キャリアのポータルサイトを利用する機会が減少したのである。
そしてもう1つの影響は、スマートフォンが広まって、モバイルによるインターネットの利用者層の幅自体が広がったことだ。従来パソコンでしかインターネットを利用していなかった人達が、スマートフォンの広がりによって、モバイルでインターネットを利用することに価値を見出し、積極的に利用するようになったのだ。
その結果何が起きたのかというと、知名度のあるEコマースサイトの利用が伸びたということだ。キャリアのポータルサイトの影響が弱くなったことから、「楽天市場」「Amazon.co.jp」などのように知名度が高く検索されやすく、また新たに流入したパソコンユーザーにも馴染みのあるEコマースサイトの人気が、さらにスマートフォンでは高まることになるというわけだ。
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▲Google Playにおける「ショッピング」カテゴリの無料アプリランキング。Amazon、楽天、ヤフオクなど知名度の高いサービスが上位を占めているのが分かる。
ユーザーのショッピングスタイルにも変化が起きている。フィーチャーフォンでのEコマースは、ディスプレイが小さく商品の内容が確認しづらいことから、ショップのメールマガジンに登録すると送られてくる、お勧め商品の案内メールを見て、その商品が欲しいと思い“衝動買い”するのが一般的であった。だがスマートフォンでは、ディスプレイが大きくなり商品の内容確認がしやすくなったこともあってか、パソコンと同じように商品を検索して購入するスタイルも定着してきているようだ。
こうしたユーザー動向の変化を受け、モバイルのEコマースサイト側にも、変化が見られるようになってきた。先にも触れた通り、モバイルでは従来、若年層に向けたファッションが主要な商材となっていたが、ユーザー層の広がったことを受けて商品の幅を広げようという動きが進んでいる。
特に最近顕著なのが、食品や生活用品を扱うストアが増えたこと。例えばNTTドコモが開設した「dショッピング」では、ミネラルウォーターや洗剤などの日用品を中心に品ぞろえしているし、モバイル主体で成長したDeNAの「DeNAショッピング」も、最近は食品スーパーの「西友」や、ドラッグストアの「サンドラッグ」のストアを扱うようになった。
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▲DeNAは西友との協業でオンラインショッピングサイト「SEIYUドットコム」を提供するなど、生活用品の取り扱いに力を入れるようになった。
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