スマホのキャリアを選ぶうえで誰もが気になるのが、ネットワークのつながり具合や通信速度。でも、4G、LTE、WiMAX 2+、AXGP、プラチナバンド……など、よくわからない単語が多くて、なかなか理解が難しい。
そもそも、4GとLTEってどう違うの? プラチナバンドって何? といったことをなんとなくでしかわかっていない人も多いはず。そこで今回は、スマホのネットワークについて初心者向けにユーザー視点で解説します!
現在の主流はLTEという通信規格
スピーディー 今回はスマホのネットワークの話。新製品が出ると、新しい通信規格や通信速度に対応するけど、知識がないと“よくわからないけどスゴい”くらいの理解になってしまう。カリーさんはどんなことを知っている?
カリー アスキースマホ総研は何回続いていると思うのですか! ……と言いたいんですが、3Gはそこそこ速かったのが、4Gは超速いとか?
ドロイド いつもながら知識が雑ですね! とはいえ、ユーザー視点的には、それでも大きく違ってないです。とりあえず、3Gは第3世代、4Gは第4世代の意味です。
カリー それはつまり、第1世代や第2世代もあったということですね!
ドロイド 第1世代はいわゆるアナログ携帯。第2世代は日本ではPDCという通信規格で、2年前にドコモのmovaが最後で終了しました。海外で主流のGSMはまだまだ世界中で使われています。さすがに通信速度が遅いですが。
カリー なるほどー。今の日本では第3世代以降しかないわけですね。
ドロイド 3Gにはドコモ/ソフトバンクで使われているW-CDMAや、auのCDMA2000といった通信規格が含まれます。通信速度は実測で数Mbps程度でした。さらに世代が新しくて、速度も数十Mbpsにまで上がったLTEが4Gの代表的な通信規格です。でも本当はLTEは3.9Gだったのですけど……。
カリー 3.9G! 随分小刻みですね。でも、3.9Gがなんで4Gに出世したのですか?
ドロイド ぶっちゃけ言えば、商業上の理由です。3.9Gより4Gの方が響きがいいでしょ(笑)。でも、国際機関(国際電気通信連合:ITU)も呼んでいいと決めたので、あらためて「4G」になったのです。
カリー なんと、大人の事情!
スピーディー LTEは通信規格の名称で、サービス名だとドコモは「Xi」、auは「4G LTE」などになりますね。
スマホのデータ通信速度は
通信規格と周波数の組み合わせで決まる!
カリー じゃあ、新しい世代の通信規格になると、なんで通信速度が高速になるんですか? 電波は電波でしょ?
スピーディー まあそれは俺もよくわかってない。
カリー わかってないのか!
ドロイド 今回は記事の趣旨が違うので、細かな技術について説明しませんが、デジタルデータを電波により多く載せるためには、非常に複雑な計算が必要になるのです。基地局・端末双方が高性能になることで通信速度も上がってきたというわけですね。
カリー なんだかパソコンみたい!
スピーディー でも、同じLTEでも75Mbpsや150Mbpsなどの違いがあるよね。どうしてその差が出るか、カリーさんはわかりますか?
カリー うーん。単純に電波をたくさん使えば速くなるとか、そういうことですか?
ドロイド 基本的には正しいですね。利用する周波数の幅が広がると通信速度も速くなるわけです。国内でLTEのサービスを最初にスタートしたのはドコモの「Xi」でしたが、当初は(屋外では)下り最大37.5Mbpsでした。このときは5MHz幅を使っていた。その後に、10MHz幅を使って75Mbps。さらに100Mbps、150Mbpsという風に高速化していくと。
帯域幅 | 下り最大通信速度 |
---|---|
5MHz幅 | 37.5Mbps |
10MHz幅 | 75Mbps |
15MHz幅 | 112.5Mbps(100Mbps)※ |
20MHz幅 | 150Mbps |
※:UE カテゴリー4対応(主に2013年秋以降にリリースされた端末)の端末では112.5Mbps。UE カテゴリー3対応端末(iPhone 5sを含む)では100Mbpsとなる。
カリー でもそれなら、どこのキャリアもドバァーと電波を使って、ドカーンと高速にすれば、みんなハッピーなんじゃないですか?
スピーディー 電波って無限に存在するわけじゃないから。空いた部分を総務省から少しずつ割り当てられて、その範囲内でサービスを展開するわけ。あとすでに3Gで使っている周波数をLTEに移行しているんだけど、3Gの電波も急には減らせない。今でもLTEに対応していないスマホも使われているし、音声通話は基本的に今でも3Gで提供されているので。
ドロイド 1つの基地局からの電波を複数のユーザーで共有しているので、混雑している場所では当然速度は落ちます。キャリアはユーザーの利用状況を見ながら、3GからLTEへの移行を進めるわけです。
(次ページでは、「プラチナバンドって何がプラチナ?」)