SIMフリー機としての魅力は? オンキヨー「GRANBEAT」実機レビュー

文●ゆうこば

2017年02月12日 12時00分

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 オンキヨーがつくったSIMフリースマホ「GRANBEAT」。これまであった「ハイレゾ音源の再生に対応したスマホ」ではなく、音に徹底的にこだわった「ハイレゾプレーヤー」に「スマホ機能を搭載」という指向の端末です。

 とはいうものの、実際に購入したら通話やブラウジング、SNSなどスマホとしても使いますよね。そこで、スマホとしてはGRANBEATはどのぐらいの性能や特徴を持っているのか確認してみました。

正面には「HIGH-RESOLUTION AUDIO」と書いてありますが、今回は一般的なスマホとしてのレビューをお送りします

長時間の使用は重量的に難しいが
細かい装飾や質感、ギミックは楽しい

 まずは、外観およびサイズ感について。筐体は黒く、素材はアルミ製の削り出し。アルミ特有の冷たい感じはなく、まさに高価なオーディオ機器らしいしっとりした感触があります。また、背面や正面には文字やロゴが彫り込んであり、一定の所有欲は満たしてくれます。

 ディスプレーは、5型フルHD解像度(1080×1920ドット)液晶ですが、額縁が太いため最近のスマホと比べると、ディスプレーサイズの割りにはかなり大きめ。さすがに、5.5型の「iPhone 7 Plus」より大きいわけではないものの、5.2型の「Xperia XZ」と比べると縦の長さは違うものの、幅はほとんど同じです(どちらも公称値72ミリ)。

左から「iPhone 7 Plus」「GRANBEAT」「Xperia XZ」
厚み比較。上から「iPhone 7 Plus」「GRANBEAT」「Xperia XZ」。GRANBEATは3機種の中で最厚の11.9ミリ

 気になるのは大きさより重さです。234グラムと、片手で持つとかなりずしっと来ます。音楽を聴いていればマイク付きのイヤホンなどを使っているケースもあり、一概には言えませんが、長電話するのには向いていないと言えます。

 しかし、元々がポータブルオーディオ機器として設計されているだけあり、角は丸めてありますし、とくに左側面はボリュームノブに指が自然と向かうようになだらかな曲線の凹みが施されているため、ホールド感に不満はありません。

背面から見てみると左側面の形状が特殊なのがわかる

 側面のレイアウトもスマホとしては非常に特殊。左側面には前述のボリュームノブ。右側面には音楽プレーヤー用の「戻る」「再生・一時停止」「次へ」キーと、電源キー、そしてホールドスイッチがあります。

 このホールドスイッチをオンにすると画面のタッチ操作は一切効かなくなります。スマホとしては少し違和感がありますが、ポケットなどに入れて画面を見ずに側面のボタンだけで操作するという需要がある音楽プレーヤーとしては必要な特徴と言えるでしょう。

 ちなみに、Androidのスクリーンショットは一部端末を除き「音量下+電源キー」が一般的ですが、GRANBEATは音量下キーがないので「戻る+電源キー」となります。

ボリュームノブを音楽再生中に回転させると、画面全体をつかって音量調整のエフェクトが表示。なお、音楽を再生していないときは、Android標準の音量調整表示が出ます
キーは右側面に集中。nanoSIM×2&microSDカードスロットもこの中。SIMとmicroSDは排他仕様ではないので、ストレージを増設しつつDSDS機能も利用できる
ホールドキーをオンにすると、通知領域に「HOLD」の文字が点滅する
上側面には一般的な3.5mm 4極のヘッドホン出力に加え、2.5mm 4極によるバランス出力の端子を搭載
下側面にはOTG対応のmicro USB端子。現在、AndroidスマホのUSB端子はmicroから両面挿し対応のType-Cへの移行が始まっているため、ここは少し残念

プリインアプリなど中身は非常にシンプル
128GBストレージのAndroidスマホは稀少

 続いて、ソフトウェア面を見ていきましょう。OSはAndroid 6.0 Marshmallowを採用。設定画面や主要アイコンは、GRANBEATの世界観にあったデザインに変更されていますが、基本機能の部分などはほとんど素のAndroidのもの。そのため、本機の魅力のひとつである128GBのストレージを、フルに生かすことができそうです。

ホーム画面。下にある独自デザインのアイコンは左から「通話」「プレーヤー」「ドロワー」「設定」「カメラ」
設定画面もやや蛍光色の黄緑をワンポイントのダークテーマといった具合
プリインアプリはNexusシリーズのようなGoogle謹製のものが多い
レビュー用に8GB強のハイレゾ楽曲や複数の撮影画像、スクリーンショットを入れていてもまだ余裕がある

 また、CPUはSnapdragon 650(1.8GHz+1.4GHz、ヘキサコア)で、メモリーは3GB。いわゆるハイミドルレンジと言われるようなスペック構成で、AnTuTuベンチマークの3回連続実行した総合スコア(平均値)は「70786」。

 前述のとおりかなり重量のある端末なので「スマホゲームにオススメ」とは言いづらいですが、やや高負荷のかかるゲームでも動作させる分には問題ありません。

AnTuTuを3回連続実行したときの最高値と最小値。CPUの値が如実に下がっており、熱ダレが起きているのがわかる。ただ、アルミ筐体のおかげで実行中も熱が伝わってきたので、冷やすことでスコアを上げやすそうだという気も

4K動画も撮れるカメラ性能
設定は多いが画質はあまり期待できない

 スマホのカメラと言えば、風景や食事の写真を撮ってSNSにアップするというのに使う人が多いでしょう。GRANBEATにも背面は1600万画素で4K(30fps)動画撮影にも対応。正面カメラは800万画素となっています。

 背面はソニー製の「IMX298」を搭載しているため、画質はある程度満足のいくものでしたが、ホワイトバランスの自動調節などは、キャリアのハイエンドスマホのものと比べるとやや劣るように感じました。

カメラUIは「Google カメラ」やAOSP版「カメラ」のものではなく独自仕様。左端から詳細設定を呼び出す
ドロイド君のフィギュアを蛍光灯下の屋内で撮ったところ(クリックすると大きな画像を表示します)
エフェクトも用意されている
「色調反転」と「モノクロ」で撮ってみたところ。リアルタイムに効果を確認できるので、構図や被写体を工夫してみると楽しい(クリックすると大きな画像を表示します)

 また、正面カメラでセルフィーを試してみたところ顔認識AFはあるものの、美顔効果などはほとんど効いていないようでした。

 ただ、GRANBEATを使うユーザーはやはり音を重視される方が多いでしょうし、あまりセルフィー用のカメラとしての性能を求めるということはあまりないと思います。

編集部ナベコにセルフィーしてもらった
こちらが撮影結果。本人いわく「(美顔効果などがほぼないため)女子にはあまり優しくない」とのこと

micro SDカードを挿しても使える「DSDS」
APNも複数プリインストール

 いわゆるスマホ好きが最も注目したいGRANBEATのポイントは、やはりSIMまわり。昨年から日本で2枚のSIMを活用できる4G・3G対応のデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)スマホは増えてきましたが、micro SDカードスロットとの排他仕様のものが多く、実用上使えないことが多々ありました。

 しかし、GRANBEATはSIMカードのスロットとmicro SDカードのスロットが独立しているため、micro SDカードを使ってもDSDSが使えます。

右側面にあるトレイはピンで取り出せます。nano SIM×2はトレイに入れて、micro SDは本体に差し込みます
ドコモ契約のSIMと「OCN モバイル ONE」のSIMを挿したところ、ポップアップが表示。挿した直後に再起動はしなかった

 ドコモと「OCN モバイル ONE」のSIMを挿してAPN設定を確認したところ、10種類のAPNが表示されました。ASUSのZenFoneなどはより多くのAPNが表示されるため、やや少ない印象ですが、主要なMVNOはおさえているようにも見えます。

ドコモSIMを挿したときに表示されたAPNは全10種類。楽天やOCN、IIJ、mineoといった現在シェアの多いMVNOはおさえているようです

メインスマホとしては難しいが
「特化型スマホ」としては非常に欲しくなる

 性能はまったく問題ありませんが、重さとカメラの絵づくりなどがネックで、GRANBEATをメインスマホとして使うのはやや難しいと言えます。

 一方で、128GBのストレージ、micro SDカード利用と両立できるDSDS機能、高級品らしい本体の質感など、所有欲、物欲を刺激する要素も確かに備えています。

 カメラにスマホ機能を付けたパナソニックの「DMC-CM1」があったように、ハイレゾプレーヤーにスマホ機能を付けたこのGRANBEATも、オーディオマニアだけでなくガジェットマニアならぜひ手に入れて使ってみたい製品です。

持ちたくなる特化型スマホ「GRANBEAT」

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