格安SIMってなぜ安い? 何が違う? Q&Aで詳しく解説

文●ドロイドさん(アスキースマホ総研

2017年03月09日 13時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
キャリアよりもずっと安価に使える、いわゆる格安SIMや格安スマホ。なぜ安価なのか、どういう違いがあるのかについて、詳しく解説します!

 以前はデジタルガジェット好きの間でのみ知られていた、いわゆる「格安SIM」「格安スマホ」。テレビや新聞などで紹介されるケースも増え、「格安SIM+SIMフリースマホ」を勧めるテレビCMが流されるなど、幅広い人たちに存在を知られるようになってきました。

 一方で、「料金が安い」ということはわかっても、どうして安いのか、ドコモやauとはどう違うのか、どこで買えるのか、詳しく知っている人はあまり多くないかもしれません。

 また、ASCII.jp読者の場合は、知人や家族から「格安SIM(格安スマホ)ってどうなの?」と聞かれる機会もあるでしょう。そこであらためて格安SIMの基本知識について、重要なポイントを中心にできるだけ簡単に解説していきます!

Q1 格安SIM、MVNOってそもそも何? なんで安い?

A1 ドコモやauのような主要キャリアから回線を借り受け、サービスをシンプルにすることで料金を抑えている。

 いわゆる格安SIM、格安スマホは、MVNOと呼ばれる事業者が提供しています。このMVNOとは「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」の略で、ドコモやauのように実際に基地局を設置してネットワークを構築している事業者から、回線だけを借り受けてサービスを提供しているのです。

 回線を借りているのになぜ安く提供できるのかというと、サービスがシンプルになっている点が挙げられます。たとえば、端末をセットで購入してもドコモやauのように実質●●円と大きく割り引かれることはありません(逆に言えば、主要キャリアは普段の料金に端末代が乗っているという見方もできます)。

 また、主要キャリアは全国に「ドコモショップ」や「auショップ」といった店舗網を構築し、端末の修理対応や使い方の相談など、手厚いサポートを提供しています。一方、MVNOはネット中心で販売/サポートをすることなどで料金を抑えているわけです。

ドコモ、au、ソフトバンクといった主要キャリアは、全国にキャリアショップを展開するとともに接客に力を入れていますが、同時にそれは大きなコストがかかるのも事実です

 なお、テレビCMで見る機会が多いY!mobileとUQ mobileだけは若干事情が異なります。Y!mobileは現在はソフトバンクが運営しており、主にサービス内容が違うサブブランド、UQ mobileもKDDI子会社が運営するため、それに近い存在と言えます。

Q2 では、格安SIMの中身はドコモやauと同じということ?

A2 サービスエリアは同じです。サービス内容や通信速度などでは差があります。

 まず、ネットワーク自体はドコモやauから借りているので、利用できるエリアは同じです。たとえばドコモのネットワークを使っている格安SIMなら、全国の広いエリアで利用可能です。

ドコモのネットワークを用いる格安SIMなら、サービスエリアについては基本的に同じ

 一方で前述したようにサポートはネットや電話が中心で、ドコモやauと同じレベルで充実しているとは言いがたいです。また、サービス内容も独自のものになっています。特に「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」のような、いわゆるキャリアメールが使えない部分を弱点と感じる人もまだいるでしょう。

 また通信速度でも違いがあります。MVNOは○Mbps、●Gbpsといった帯域単位でキャリアから回線を借り受けて、同じMVNOのユーザーで共有しています。そのため、昼休みや夜の22時前後など、多くのユーザーがデータ通信を活発に利用する時間帯は混雑しがちです。そのため、電波が入りやすい入りにくいとは別の部分で、ドコモやauなどと比べて通信速度が低下しやすい傾向があるのは確かです。

Q3 安いからって、通信速度が遅いのは嫌だ! 高速な格安SIMのサービスはどれか教えて!

A3 人気サービスは人が集まりやすいので比較は難しい……

 同じ料金を払うなら、通信速度が高速な方がいいのは当然のユーザー心理です。ただ、どこが高速かというとなかなか結論を出しにくいのも確かです。というのも快適と定評があるサービスにはユーザーが集まります。当然サービス側は回線増強を進めますが、それが追いつかないこともあります。そういう状態の繰り返しで評価が上下することがあるのです。

格安SIMではその仕組み上、1日のうちの混雑している時間帯はどうしても通信速度が若干遅くなります。とはいえ、2Mbps程度の速度が出ていれば、スマホで使う限りは大きな問題にはなりません

 とはいえ、混雑しない時間帯はスマホで使う限りは十分以上の速度が出ますし、混雑する時間帯でもスマホでSNSやLINE、ウェブサイトをチェックする程度であれば、格安SIMでもまず問題ありません。一方で混雑時間帯においては、高画質の動画視聴や大量のデータをやり取りするゲームでは厳しい部分もあります。時間を問わずに常に快適に動画視聴やゲームを楽しみたいというならば、やはり料金は高くなってもドコモやauなどと契約するのがベターでしょう。

Q4 音声通話もよく使うんだけど、サービス内容は違う? キャリアで通話定額を使っていたから、格安SIMでも使いたい。

A4 普通に通話するぶんには特に違いはありません。通話定額オプションが用意されているサービスも多いです。

 データ通信と異なり、音声通話については基本的にドコモやauなどから提供されているものをそのまま用いているため、普通に通話する分には違いはありません。番号通知も同じように行なわれますし、留守番電話や着信転送も大抵オプションで用意されています。

 通話料は30秒/20円(税抜)の従量制が主流です。ただし、最近は格安SIMのオプションとして、国内通話定額を用意する例が増えています。たとえば税抜800円程度で1回5分までの通話料が無料、また超過分も30秒/10円といった内容です。

格安SIMでも国内通話定額を提供する格安SIMが増えています。さらに写真のFREETELは格安SIMの提供元を選ばずに利用できるサービスを展開しています

 また電話番号は、ドコモ→au、au→ソフトバンクなどの乗り換えと同じく、MNP(モバイルナンバーポータビリティー)を利用して、現在使っている番号をそのままで格安SIMに乗り換えることが可能です。

Q5 格安SIM、格安スマホはどこに行ったら手に入るの?

A5 以前はネット中心でしたが、最近は大手量販店での取り扱いやリアル店舗も増えています。

 ドコモやauのケータイを使っていた時代は、キャリアショップで端末を買っていたという人も多いでしょう。一方、格安SIMはネットでの申し込みが中心です。

 申し込みの際は、必要事項の入力のほか、本人確認書類(運転免許証などをスマホで撮影して写真をアップロードする)、MNPで契約する場合はその予約番号(今契約しているキャリアに電話をして取得する)などが必要になります。

 なお、ネットで申し込むと、SIMが到着するまで数日間使えなくなるのでは? と心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、今はSIMの到着後にユーザーが自分で手続きする方法が用意されており、2時間程度で切替が行なわれます。

格安SIMを契約する最も一般的な方法はネット経由での申し込みです
ネット経由でMNPで申し込んでも使えない時間は数時間以内で済む仕組みを各社導入しています

 また、家電量販店で格安SIM、格安スマホを取り扱うケースも増えてきました。これらの店舗では、実際の端末を手に取って試せるほか、SIMや端末をその場で契約/購入して、持ち帰ることが可能です。さらにはまだまだ都市部中心ですが、格安SIMでも自社ブランドの店舗を用意し、購入の相談や契約に対応する例も増えてきています。

最近の大手家電量販店は格安SIM/格安スマホに力を入れており、店頭で契約・端末購入ができるケースが増えている
mineoは東京や大阪にリアル店舗を開店している

Q6 端末はどうやって入手すればいい? そもそもどのスマホが格安SIMで使える?

A6 詳しくない人はSIMとセットで購入&2~3万円台の価格帯がオススメ!

 格安SIMで使えるスマホとして、一番わかりやすいのがSIMフリー機、SIMフリースマホと呼ばれるものになります。SIMフリー機はキャリアを選ばずに利用できる端末のことを指し、パソコンのように端末メーカー自身から販売されています。

SIMフリースマホは海外メーカー製端末が主流ですが、富士通のように防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグといった国内ユーザー向けの機能を搭載した製品をリリースしているメーカーもあります
約2万円のファーウェイ「HUAWEI nova lite」。この価格でも指紋センサーを搭載するなど、一昔前のスマホよりもずっと高い性能を持つ

 SIMフリー機のほぼすべてがドコモのネットワークに対応しており(同時にauやソフトバンクのネットワークに対応するものもある)、ドコモのネットワークを用いて提供している格安SIMで利用可能です(一部の格安SIMのみauやソフトバンクのネットワークを用いる)。SIMフリー機の購入後はスマホにSIMを挿し、APNと呼ばれる設定を行なえば通信が可能になります。

 ただ、どのスマホなら使えるかよくわからない、設定ができるか心配だという人は、格安SIMのサービスが用意している端末を契約時にセットで購入することをお勧めします。セット購入で若干割引されるケースがありますし、確実に通信できるのはもちろん、あらかじめ設定がなされていたり、マニュアルがあるなど、心配がなくなるためです。

格安SIMとSIMフリー機を別々に入手した場合は、スマホ上でAPNの設定をする必要があります
SIMと端末の組み合わせや設定が不安という人はセット購入が○

 価格帯では2~3万円台の端末がオススメです。このクラスでも十分な性能を持っており、キャリアのスマホからの移行でも不満無く使えることができます。詳しくは以下のSIMフリースマホ特集などを参考にしてください。

2017年も注目はSIMフリースマホ! 人気端末全カタログ

 また、ドコモのネットワークを使っている格安SIMの場合、ドコモが販売したスマホ(iPhoneを含む)も基本的に利用可能です。SIMを差し替えて、設定を変更するだけで通信できますが、ドコモ向けに作られたアプリや機能の一部は使えないことがあるので注意が必要です。

 さらにiPhone 6s以降(iPhone SE以降)のiPhoneでは、auやソフトバンクが販売した端末でも、SIMロックを解除することで格安SIMでも使えます。Androidでも最近の端末であれば、SIMロックを解除すれば同様に通信自体は可能ですが、対応周波数など複雑な問題も発生するため、ユーザー自身がいろいろと勉強する必要があります。

 文章が長くなってきましたが、いずれにせよ格安SIM初心者向けのASCII編集部のオススメは「MVNOがセット販売している2~3万円台の端末」ということになります。

Q7 親や家族に格安スマホを勧めたい! 注意したいポイントは?

A7 キャリアメールが使えなくてもOK? 通話料は? 支払方法は? 購入後の手助けも重要

 格安SIM、格安スマホは料金が安くてオトクなので、親や家族などスマホに詳しくない人にも勧めたくなります。注意すべきいくつかのポイントをクリアすれば、そういう人にも適した存在なので、そのポイントを紹介します。

 まずはQ2でも触れたキャリアメールの問題。以前に比べれば減ったとは言え、PTAや各種会合など、キャリアメールで連絡網が築かれているケースはまだまだあります。また、こちらはGmailなどに移行しても、キャリアメールを使っている側はパソコンからのメールを受信拒否しているケースもあります。

 通話についても、キャリアの家族割などで家族間は24時間無料というのを前提にしている人もいるかもしれません。もっとも知人間の連絡、家族間の通話は、LINEなどのツールが主流になっているので、こうしたアプリの存在や使い方についても一緒に教えてあげるといいでしょう。

ケータイでは家族間の通話が24時間無料といったサービスを使ってきたという人も多いはず。LINEの通話機能を使えば不要なのですが、誰もがその存在を知っているわけではありません

 あと、案外気がつかないのが料金の支払方法。格安SIMでは、コスト削減のためにクレジットカードにのみ対応している例が大半です。ただ、楽天モバイルのように口座振替に対応するサービスも出てきました。これについてもあらかじめ確認しておく必要があります。

高い年齢層の人にはクレジットカードを敬遠する人も少なくありません。楽天モバイルは口座振替に対応していますが(要手数料)、格安SIMに切り替える上で障害になりやすい部分です

 スマホには料金が高いというイメージが根強くあるため、格安スマホの存在を知って、ついに乗り換えを決意したという人も多いはず。家族や知人などがそのようなケースに当てはまる場合は、格安SIMの安さを伝えるだけでなく、ぜひケータイとスマホの使い方の違いなど、可能な範囲で手助けしてあげてください。

 次回は、実際の格安SIMの内容から、選ぶ際に注意したいポイントや特徴的なサービスなどをピックアップして紹介します。

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング

アプリ週間ランキング

アプリランキングをもっと見る

for Biginnersスマホ入門

スマホからスマホへ機種変更する前に読む! 各種アプリ&サービスのデータ移行・引き継ぎ方法

「Xperia A」「GALAXY S4」へ機種変更したらチェック! ケータイとの違い&スマホの使い方をマスターしよう

「Xperia A」ほか夏スマホ購入前にチェック! スマホへの機種変更&乗り換えQ&A

スマホのトラブル解決ガイド2013

スマホ定番アプリ活用術!

連載:スルッとわかる! 高速通信規格「LTE」

おサイフケータイ乗換案内!

Linkリンク