波に乗り遅れるな! 流行りの新興SNS「Mastodon」にデビューする技

文●柳谷智宣

2017年04月21日 10時00分

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 最近、FacebookやTwitterで「Mastodon(マストドン)のアカウント取りました」という投稿を目にした人は多いのではないだろうか。MastodonはTwitterに似ている新しいSNSだ。またか! と言う気持ちもわかるが、実はこれどこかの企業が提供しているウェブサービスではない。今回はMastodonの紹介と、安全にデビューするワザを紹介しよう。

Twitterライクな新SNSが登場。とりあえずよく使うユーザー名を取っとくか、くらいの感覚で参加するのもあり!

ひとつの企業に依存しないTwitterライクなSNSが登場

 またもや、新しいSNSが登場した。TwitterにFacebookにInstagram。もうこれ以上新しいSNSは不要、という雰囲気もあるなか、ITリテラシーが高い人たちを中心に続々と参加者が増えている、いま一番注目されているサービスだ。

 Mastodonは何なのか。一言で言うと、Twitterライクな新興のソーシャルネットワークサービスとなる。大きな違いは、企業だけでなく誰でもサービスを提供できること。Linuxの知識があるなら誰でも1日で、サーバー(インスタンス)を立てられるのだ。

 一般的なSNSだと、まずは「アカウントを作成してみようか」となるのだが、Mastodonの場合は注意が必要。まず、参加するインスタンスを選ぶ必要があるのだ。Mastodonのサービスそのものにアカウントを作る感じではなく、インスタンスごとにアカウントを登録することになる。前述のとおり、誰でも簡単にインスタンスを作れるので、適当に選んでアカウントを作成しても、その人がやめてしまえばアカウントも消えてしまう。そのため、最初にそこそこの規模で、しばらく続けてくれそうなインスタンスを選ぶ必要があるのだ。ちなみに、自分だけのインスタンスを作るのも流行っているが、さすがにハードルが高いのでそれは別の機会にゆずろう。

 今回は、日本で一番ユーザーの多い「mastodon.jp」というインスタンスに登録してみた。ちなみに、マストドンは約4000万年前から11000年前に生きていたゾウ目マムート科マムート属の哺乳類。再現画像を見ると、マンモスに近い見た目だ。

「mstdn.jp」https://mstdn.jp/about 日本最大のMastodonインスタンス
「pawoo.net」https://pawoo.net/about ピクシブが立ち上げた大規模Mastodonインスタンス

アカウントを取得するメアドとパスワードは要注意!

 新しく楽しいウェブサービスを紹介する前に水を差すようだが、大事なことなのでくどい感じで説明しておきたい。登録するアカウント情報についてだ。繰り返しになるが、Mastodonを利用するためのインスタンスは誰でも作成できる。紹介した「mstdn.jp」や「pawoo.net」は規模も大きいし問題ないだろうが、個人で運用しているところだとセキュリティーが心配になる。

 注意したいのが、メールアドレスとパスワードの扱い。最悪なのが、他のサービスでも使っているメールアドレスとパスワードの組み合わせを流用すること。そもそも、パスワードを使い回すのは絶対に避けなければいけないのだが、一定数のユーザーが覚えるのが面倒という理由で同じ組み合わせを使っている。しかし、これらの組み合わせを取得するために、インスタンスを立てる輩が出てくることは考えられるので、パスワードはランダムなものにしておくこと。もし、そんな輩にアカウント情報を取られれば、即GoogleやYahoo、Twitter、Facebookなどにアクセスされ、何をされるかわからない。

 また、できればメールアドレスも専用のものを使うと、情報が漏洩したときに原因を把握しやすい。例えば、Gmailであればエイリアスという機能を利用できる。「xxxxx@gmail.com」というアドレスを使っている場合、「xxxxx+mastodon@gmail.com」というアドレスでもいつものアドレスで送受信できるのだ。ユーザーネームのあとに「+」と判別用の文字列を入れるだけでいい。

 投稿する内容もあまり個人情報を晒したり、炎上するようなことに触れない方がいいが、これは他のSNSでも同様。Mastodonサービスがどのように変化するのか読めないので、常識的な使い方をしておいたほうがいいだろう。

ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力して「参加する」をクリック
メールアドレスの確認メールが届くので、「Confirm my account」をクリックする
登録したアカウント情報を入れてログインする
ログインできた!

アカウントは「ユーザー名@インスタンス」になるので要注意

 ログインできたらもう投稿できる。とは言え、Twitterと同様、まずは人と繋がろう。もし、友人がMastodonアカウントを取っているなら、アクセスする。ちなみに、アカウントは「@yanagiya@mstdn.jp」のようにインスタンスのドメイン名込みで表示する。プロフィールページのURLは「https://mstdn.jp/@yanagiya」のようになる。

 もちろん、検索フォームから検索してもいい。ただし、その場合は異なるインスタンスに同じ名前のアカウントがある可能性もあるので要注意だ。なりすましも超簡単なので、将来トラブルも起きるかもしれない。くれぐれも人を判別する際は、インスタンス込みにすること。インスタンスは際限なく増えていくので、同じ文字列のアカウントを全部取得することができないためだ。

 フォローしたら、その投稿がホームに表示されるようになる。ちなみに、投稿のことを「トゥート」と呼ぶ。「toot」の意味は「ピューと吹く」のような感じ。

友人が他のSNSでアカウントを呟いていたら、開いてみよう
その人のプロフが表示されたら、「フォロー」もしくは「リモートフォロー」をクリック
他のインスタンスの場合は、自分のアカウント名を入力して「フォローする」をクリックする
フォローした相手のトゥートが表示された!
左上のフォームからユーザー名を検索してフォローすることもできる
「ホーム」にトゥートが流れ始めた

トゥートは最大500文字! 折りたたみ機能も面白い

 画像を付けて投稿したところ、10秒もしないうちにお気に入りに登録されたり、ブーストされたり、フォローされたりした。なかなか盛り上がっているようだ。ちなみに「ブースト」というのは自分のタイムラインに転載する機能で、Twitterでいう「リツイート」のこと。そこで、あざとい感じに柴犬の写真を2枚投稿したところ、バシバシとフォロワーが増えて面白かった。

 Twitterと同様、矢印アイコンが返信、矢印が組み合わさっているのがブースト(リツイート)、星マークがお気に入り(いいね)となる。「…」メニューからはトゥートをミュートしたりブロックしたりできる。

 ちなみに、文字数は500文字までと、Twitterよりはずいぶん多い。初期のTwitterのようにURLも文字数とカウントしてしまうが、問題ないだろう。もちろん、写真も投稿できる。

 写真をアップロードすると「NSFW」というボタンが現れる。これは「Not Safe For Work」の略で、職場で見るのは危険、という意味。ホームには「不適切なコンテンツ クリックして表示」と黒いサムネイルの上に表示される。本当にヤバイことも多いので、職場ではクリックしない方がいい。

「今何してる?」のところにテキストを入力。カメラアイコンをクリックして、画像を付けることもできる。地球のアイコンをクリックすると公開範囲を指定することもできる
柴犬の写真を投稿したら、あっという間に多数のアクションがあった
トゥート時に「NSFW」をクリックする
ホーム画面ではとりあえず非表示になる
クリックすると画像がサムネイルが表示される

 「CW(Content Warning)」機能も面白い。トゥートを折りたたんで、続きを読む際にクリックを求める機能だ。映画のあらすじを書くときなどに利用できる。トゥート時に「CW」アイコンをクリックし、「内容注意メッセージ」と「今何してる?」を別々に入力すればいい。ちなみに、CW機能を使って画像をトゥートしても、続きに回せるのはテキストだけで、画像は最初から表示されてしまうので覚えておこう。

投稿時に「CW」をクリックするとフォームが2個出てくる
上のフォームに導入、下にネタバレなど注意すべき内容を入力する
フォローしている人たちにはこう見える
「もっと見る」をクリックすれば続きを閲覧できる
CW機能を使っても画像は最初から表示されてしまう

ローカル・連合タイムラインで他の人のトゥートをチェック

 ツールボタンや一番右のカラムから「ローカルタイムライン」をクリックしてみよう。知らない人たちの投稿が次々と表示されるが、スクロールすれば流れるのが止まるので、面白そうなアカウントを見つけてお気に入りマークを付けたり、フォローしたりできる。これは、ユーザーと同じインスタンスのユーザーのトゥートが表示されているのだ。

 一方、「連合インスタンス」を開くととんでもないスピードでトゥートが流れる。これは、ユーザーのインスタンスと繋がっているインスタンスのトゥートも合わせて表示される。その分、人数が多いので多数のトゥートが流れるのだ。

 今回の記事のためにトゥートしたのだが、速攻でいくつものアクションがあったのは、これらのタイムラインで見かけてくれたユーザーによるものだ。

「ローカルタイムライン」や「連合タイムライン」をクリックする
同じインスタンス、もしくは関係のあるインスタンスのトゥートが次々と流れていく

 ちなみに、トゥートする際、地球のアイコンをクリックすることで公開範囲を設定できる。「公開」がだれでも閲覧できる状態で、「未収載」がだれでも閲覧できるが、ローカルタイムラインや連合タイムラインに表示されない設定。「非公開」がフォロワーのみが閲覧できる状態となる。「ダイレクト」は記載されているユーザーにのみ表示される設定で、Twitterのダイレクトメッセージに近い。ただ、受け取った方は公開トゥートかダイレクトトゥートなのかがわかりにくいので困るかも。

トゥート時に「ダイレクト」を設定するとダイレクトメッセージのように使える
ダイレクトで入力されたユーザーのみ閲覧できる

スマホ用のMastodonアプリも早速公開されている

 iOSとAndroidの両方でスマホアプリが公開されている。もちろん、公式アプリはないので有志の開発だが、どちらも無料で利用できる。Twitterアプリと似たUIなので、迷わず使えるだろう。

 Mastodonアカウントでログインする際、まずはインスタンスを入力するのはどちらも同じ。その後、メールアドレスとパスワードを入力してログインする。

※アプリ名をクリックでダウンロードサイトに飛びます。

iOS対応アプリ

Amaroq for Mastodon

作者:John Gabelmann
価格:無料


Android対応アプリ

Tusky

作者:Keyless Palace
価格:無料


iOS対応アプリ「Amaroq for Mastodon」の画面
Android対応アプリ「Tusky」の画面

マニアックに広がっていくか、いきなり廃れるか

 「設定」画面で、名前やプロフィール、アイコン、ヘッダー画像などをカスタマイズできる。「非公開アカウントにする」にチェックすると、フォロワーの申請を手動で承認するようになり、フォロワーのみが閲覧できるようになる。Twitterで言う鍵付きアカウントにできるのだ。そのほか、通知を受けるタイミングを指定したり、二段階認証を有効にしたりできる。

 ちなみに、ユーザー名のとなりに緑色のチェックマークがついているアカウントが多い。Twitterの公式アカウントのようだが、これは実は「チェック」の絵文字を名前の後に入れているだけ。特に意味はない。

設定画面から名前やプロフィール、アカウントのアイコンなどを設定できる
名前の後ろにチェックの絵文字を入れて公式アカウントのようにしている人が多い

 動作が不安定だったり、前述のとおりセキュリティーが心配だし、ほかのユーザーの投稿によっては参加しているインスタンス全体がほかのインスタンスから接続を断絶されたりすることもある。文字数は増えているが、できることはTwitterと似ているし、異なるインスタンスであれば同じ文字列のアカウントを作成できるのでなりすましも簡単にできる。今のところ、アカウントを削除する方法もわからない。デメリットはいくつもあるが、今はTwitter黎明期のように場の雰囲気が面白い。また、ひとつの企業にコンテンツを独占されたり、著作権が完全にユーザーにないことにアレルギーがあるなら、分散化プラットフォームのMastodonは好ましく感じられるだろう。

 今後の「Mastodon」はインスタンス選びがキモになりそう。単に人数が多いところを選ぶのではなく、将来は自分の趣味にあうインスタンスに参加し、ローカルタイムラインで同好の士とつながるというのが王道になると考えられる。SNS内のグループに近い感覚だが、同時にオープンなTwitterっぽい雰囲気もある。今までにない楽しみ方が生まれそうだし、生まれなければユーザーが離れそうな印象も受ける。マニアックに広がっていくか、いきなり廃れるか。筆者としては積極的に参加しつつ見守っていきたい。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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