危険、でも使う―― ノートンのフリーWi-Fi利用調査 (1/2)

文●天野透/ASCII

2017年07月14日 12時05分

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 シマンテックは7月13日、無料で不特定多数に提供されている「フリーWi-Fi」のリスクとその使用実態を調査した「ノートン Wi-Fiリスクレポート」の2017年版を発表した。1地域あたりおよそ1000人、世界15ヵ国の1万5000人以上を対象としたフリーWi-Fiの利用状況と意識調査をしたもの。

ユーザーは利便性を優先している

 レポートでは消費者が、手軽で安定した接続が見込めるフリーWi-Fiを使用する傾向があることを示している。

 「公共Wi-Fi接続の使用時に、個人情報がどの程度安全だと思いますか?」という質問に対して、世界平均では60%が「安全」と回答。「公共Wi-Fiネットワーク接続中の携帯電話、タブレット、ノートパソコンで実行した行為」に対する設問では、フリーWi-Fiで個人用の電子メールアカウントやソーシャルメディアアカウントにアクセスしたり、あるいは銀行口座やクレジットカードなどの情報をやり取りしたりといった“リスクのある行動”を取ったことがあるという回答が87%にも上った。

 世界的にフリーWi-Fiに対するリスク意識が十分とは言えないという実態を浮き彫りにしており、同社は「ネット上で個人情報を危機にさらす行動をとっている」と分析している。

危ないと解ってはいつつも、やってしまう

Wi-Fiへの依存度は高い

 調査ではユーザーのWi-Fiに対する依存度の高さも指摘している。例えば飲食店の選択時には、世界平均で43%が「強いWi-Fi電波へのアクセスが決定要因となる」と回答しており、ホテルや貸別荘といった宿泊施設の場合はその数字が71%に上昇する。また、友人宅やカフェ、ホテルなどでWi-Fiのパスワードを尋ねる割合は世界平均で68%。中には1分以内、あるいは到着後すぐにパスワードを聞くという回答もあった。

 ユーザーは無料のWi-Fiを使うために様々なアクションを起こす。電波の強いフリーWi-Fi接続を確保するために何かしら行動するかという質問に対しては、世界平均で55%が「何かしらの行動を実行する」と回答。その内容は、例えば電子メールアドレスの提供といったものから、顔写真やプロフィールなどの個人情報の共有、あるいは飛行機の座席やホテルの部屋を交換など。

 中には3分間の広告を試聴するといった行動や、場合によっては旅行グループから離脱してWi-Fiの使いやすい場所に宿泊するというものもあった。

Wi-Fiの品質が店やホテルなどを選ぶ基準になっている

Wi-Fiパスワードの聞き出しや、個人情報の提供など、Wi-Fiに対する欲求は高い

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