突然現れた格安SIM対抗? 「auピタットプラン」「auフラットプラン」は得かをチェックしてみた

文●正田拓也

2017年07月20日 12時00分

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「auピタットプラン」「auフラットプラン」の料金イメージ
「auピタットプラン」「auフラットプラン」の料金イメージ

 突如として登場したのが「auピタットプラン」「auフラットプラン」。

 単純に容量と価格だけ見れば格安SIMよりも高いが、それ以外の3大キャリアにしかないサービスまで含めれば、積極的に検討すべきサービスだ。前回、筆者のMNPを予告していたが、それを中断してauの新プランを検証してみたい。

 なお、掲載の価格は通信事業者のキャッチコピーや広告などに合わせてすべて税抜の金額で記している。実際の支払い額は回線ごとにユニバーサルサービス料3円が加わり、その上で消費税がかかる。

月間1GB+音声なら格安SIMより安い? それとも倍?

auピタットプラン(スーパーカケホ)の料金イメージ
auピタットプラン(スーパーカケホ)の料金イメージ

 まず、単純に容量と料金だけ見る。auピタットプランは5分間の通話が定額となる「スーパーカケホ」で、月間1GB未満のデータ通信で月額1980~4980円とうたっている。

 この金額には、基本料、パケット料と従来は別計上だったプロバイダー料の「LTE NET」まで含まれているため、格安SIMが提示している金額とそのまま比べることができる。

 格安SIMは「mineo」(Dプラン)の料金を例にとると、高速データ通信が1GB+090音声通話付き+5分間までの通話がかけ放題のオプションが付いて合計月額2350円となる。

 最安条件時はすでにauが安く逆転しているが、月額1980円の条件とは、新規契約で加入し、自宅の固定ネット回線をauひかりやJ:COMなどにする「auスマートバリュー」に加入し、さらに2年契約をして、加入1年目だけの金額となる(2年目から1000円アップ)。

 月額1980円とするのは割とハードルが高く、そもそも自宅に対応の固定ネット回線がなければauスマートバリューの対象外。

 さらには1年間は1000円引きの「ビッグニュースキャンペーン」適用というのも新規加入や対象機種へ機種変更の場合だが、2年目以降は適用されないばかりか、今、au加入者が機種購入を伴わずにプランだけ変更した場合も適用されない。

 つまり、ただの2年契約である「誰でも割」だけで契約した場合は、1GB利用の際は月額3480円となる。

 また、2年契約だが、2年経過後はいつでも違約金なしで解約できる「誰でも割ライト」にすると月額300円高い3780円。さらに、2年契約そのものがない場合は、さらに月額1200円アップで月額4980円となる。

 格安SIMは一般的に音声通話付きの場合、契約から1年間は解約などに1万円程度の違約金が設定されていることを考えれば、契約条件は「誰でも割」と「誰でも割ライト」の中間くらい。

 mineoやイオンモバイルのようにMNP転出でなければ、短期解約時の違約金がかからないことに比べれば、さらに割高感は高まってくる。

 また、auピタットプランはデータ量に応じて自動的に料金が上がってしまう特徴がある。データ通信量を月間1GBに抑えるのは相当に難しい。3GBも使ってしまえば、格安SIMのほうが料金が大きく下回ることが多くなる。

 一方で、普段のデータ通信が少なく、自宅が対応の固定回線を使っている場合、新プランのメリットが出てくる。特に24時間、国内通話がかけ放題の「カケホ」は「スーパーカケホ」(1回の通話が5分以内)の1000円アップで済むので、1時間程度の長電話を月に何度もする人には「カケホ」にした上で「auピタットプラン」にすると、安く便利に使うことができるだろう。

狙い目は20GBや30GBの「auフラットプラン」

「auフラットプラン」(カケホ、シンプル)の料金イメージ

 続いて、同時に登場した「auフラットプラン」を見てみる。auフラットプランは月間20GBと30GBの2種類があり、20GBを通話料が含まれない「シンプル」で使った場合の最安値は月額4000円。対する格安SIMで20GBのプランがあるmineoのDプランでは4680円となっている。

 auピタットプランと同様に条件によって大きく金額が変わってくる。20GBプランで月額4000円となる条件は、新規契約で加入し、さらに「auスマートバリュー」の適用。2年契約をして、加入1年目だけの金額となる(2年目から1000円アップ)。通話料定額まで踏まえれば、格安SIMよりも安くなるケースも多くなる。

 1回5分間までの通話料が定額となる「スーパーカケホ」はシンプルのプラス500円、通話が長くても通話料が定額の「カケホ」はプラス1500円アップで適用できる。

 一方で、auスマートバリュー未加入の場合は1000円アップとなり、新規加入などの「ビッグニュースキャンペーン」が適用されなければさらに1000円アップとなる。2年契約の「誰でも割」適用で6000円だ。

 2年経過後はいつでも違約金なしで解約できる「誰でも割ライト」ならば6200円。長期契約がまったくないなら7500円とどんどん高価になってくる。

 しかし、多くの人が選ぶと予想される、新規契約で加入し、auスマートバリューは適用なしで、2年契約でスーパーカケホの場合、1年目は月額5500円、2年目以降は月額6500円。

 格安SIMのmineoで20GBで4680円のプランに5分までの定額通話が含まれたオプションが850円とすると合計5530円。

 2年契約の有無はあるものの、毎月20GB使うならば、後述する格安SIMに対するauのサービスを考慮すれば、「auフラットプラン」はなかなか現実的でメリットの多いプランだ。

 なお、auフラットプランは20GBのほかに30GBも用意しているが、いずれのパターンにおいても20GBに月額2000円を足した金額で提供される。

auのサービスにはキャリアメール、国際ローミングなどがある!

 auは安くなる条件が揃わなければ、mineoなど格安SIMに金額の優位性がある。しかし、忘れてはならないのが格安SIMにないauの充実したサービスだ。たとえば、以下がほとんどの格安SIMにないサービスとなる。

  • @ezweb.ne.jpのキャリアメールが使える(対応端末が必要)
  • 年齢認証がある(LINEの活用に便利)
  • 国際ローミングが使える
  • auショップでサポートが受けられる

 これらのサービスの価値をどれだけ評価するかによって、格安SIMとの価格差が大きくも小さくも逆転にもなる。

 特に海外へよく行く人にとっては、国際ローミングとauならではの国際ローミング時のデータ定額のサービスの用意は、格安SIMの安さを一瞬で吹き飛ばすほどのメリットだろう。

 また、au端末を購入すれば、自分でサービスの切り分けも考えることなく、auショップに持っていけば対応してもらえるほか、破損時の交換サービスにも加入できる。何かあったときの安心感が違うだろう。

端末は持ち込みもOKだが
7月14日以降実際の端末価格に大きな変動あり

 実際にauの加入検討を詳細にしたことがある人は気づいていたと思うが、これまで、auの場合、加入時の条件はドコモやソフトバンクに比べて驚くほどよく、「auピタットプラン」「auフラットプラン」の登場前は、「Xperia XZ」(SOV34)が一括0円という販売もよく見られ、MNP加入の厚遇ぶりが目立っていた。それが、7月14日からは端末の特価提供は激減している。

 そして、端末購入を伴った場合の条件だが、「auピタットプラン」「auフラットプラン」の特徴としては、今までの「毎月割」が適用されない。端末購入するとついてくる、毎月の金銭的な補助がなくなり、端末購入時の金額は分割か一括で払うことになる。

 端末の安値放出はなくなってしまったが、逆に言えば、「端末を自力で用意すると補助が受けられずに損をする」ということがなくなるため、自ら用意した人も不利にならない。

 実際の販売現場では、新規加入に対して今後何らかの補助や特価提供の可能性はあるが、7月14日以降はフェアな状況が続いていると言えよう。

 これまでのようにauに端末購入を含めて有利な条件で加入し、あとから「auピタットプラン」「auフラットプラン」に移行したり、入手した端末をうまく活用する算段を考えていた人もいるかと思うが、それは難しくなっている。

 また、これに伴って安く端末提供がされなければ、今後の中古端末の相場の変動なども予想される。比較的新しいauの中古機を入手して「auピタットプラン」「auフラットプラン」に加入を検討する場合は、中古相場に注意が必要だ。

 なお、2つのSIMの同時利用ができるSIMフリーのDSDS対応機で、auのデータ通信量を抑えながら、別のSIMでデータ通信をしようと考えている人は注意が必要だ。

 auのVoLTE対応機種でないと音声通話ができないが、データもau回線で通信する「4G」回線設定にしないと音声通話ができない。

 そのため、ASUSの「ZenFone 3」などでauの音声通話を待ち受けながら、別の格安SIMでLTEのデータ通信ということはできないことになっている。

すでに対応端末を持っている人が
多めの容量で加入するならお得

「auピタットプラン」「auフラットプラン」、自分の環境に合わせて選んでみてほしい
「auピタットプラン」「auフラットプラン」、自分の環境に合わせて選んでみてほしい

 さて、結論だが「auピタットプラン」「auフラットプラン」は2年契約など、auが示す条件を満たしていくと格安SIMよりも安くなる可能性がある。特に月20GBのプランは魅力的だ。

 そして、格安SIMにない国際ローミングなどのサービスがあることも考慮すれば、かなりコストパーフォーマンスが高いサービスになる可能性がある。

 想定される有利な乗り換えパターンの1つは、ドコモやソフトバンクでiPhone 6s以降を購入してSIMフリー化した人が、毎月大量のデータ通信を使っており、そのiPhoneを使ってauで「auフラットプラン」に加入すること。自宅でauスマートバリュー対応固定ネット回線を使っていれば、さらに有利だ。

 まずは、端末調達も含めて自分の条件をしっかりと確認した上で、有利となった場合だけauショップに出向いて「auピタットプラン」「auフラットプラン」を契約してみてほしい。何も調べずにただ安そう、と思うだけで加入は禁物だ。

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