米国人の6割が「SNSをやめるのは簡単」と言うけれど……

文●松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

2018年03月15日 12時00分

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 Pew Research Centerの調査によると(http://www.pewinternet.org/2018/03/01/social-media-use-in-2018/)、米国のSNSユーザーの59%がFacebookやInstagram、Snapchatなどの「すべての」ソーシャルメディアプラットホームの利用をやめることを「難しくない」と考えているそうです。本当でしょうか……。

米国の調査機関によると、米国の6割がSNSを止めることは難しくないと考えているのこと

 同じ調査では米国の成人の73%がYouTubeを使っており、Facebook 68%、Instagram 35%、Pinterest 29%、Snapchat 27%、LinkedIn 25%、Twitter 24%、Whatsapp 22%という結果でした。

 その米国でも18~24歳に年齢を絞ると、YouTube 94%、Snapchat 78%、Instagram 71%と、ガラリと景色が変わります。

 日本ではやはりTwitter強し、Instagramが急上昇中という状況ですが、米国では利用するSNSが世代によって異なることから、ウェブサイトやテレビCMのSNSへの誘導には、3つも4つもアイコンが用意され、できる限りどのSNSでも同じアドレスでプロフィールを登録することが、プロモーションの第一歩となっています。

 それに、サービスによってもノリが違いますよね。不用意な発言や投稿はどのSNSでも炎上しますが、よりフレンドリーで絵文字たくさんのコメントが喜ばれるInstagramや、投稿時間などに非常に高度な分析を必要とするFacebook、とにかくハッシュタグに乗っかるTwitterなど。もう1人のSNS担当が対応しきれるレベルではありません。

SNSをやめるのは本当に苦ではない?

 さて、冒頭のテーマとなっている「SNSをやめるのが苦ではない」というデータ。こちらも世代によって異なります。

 全体では59%の人がやめるのは苦ではないと回答しています。また40%の人がやめるのが難しいと回答しました。

 年齢別で見ると、18~24歳では49%がやめられる、51%の人がやめられないと答えています。しかしすぐ上の25~29歳では逆転し、60%の人がやめられる、40%の人がやめられないとなり、それ以上の年齢層では同じような傾向でした。

 全体の傾向も変化しているそうです。2014年1月の調査では、やめられないと答えていた人は28%だったことから、やめられない人も増加していることがわかりました。

 SNS中毒の深化が起きる一方で、さほど執着しないと考える人が増えたことも、昨今の傾向と言えそうです。

代替手段と効率化

 この調査結果には個人的には少し驚きました。

 毎日のように見て回っているアプリを、日々の生活から消し去っても問題ないと答える人が割と多いと感じたからです。

 一方で、SNSでなくてもメッセージのやりとりや写真の共有の方法がいくらでも登場していることと、それが浸透したこともあるでしょう。

 たとえばGoogleは、Google+を派手に失敗させていますが、そのおかげでSNS的ではない代替手段が得意になっています。

 GmailアドレスはSNSユーザーだってみんな1つは持っているでしょうが、これがあればメールはもちろん、Googleハングアウトでビデオチャットができますね。そしてGoogleフォトでは写真の共有を手軽に行うことができ、人の名前まで勝手に付けてくれます。

 Googleフォームを使えば日程調整なども行えるし、Googleカレンダーでメンバーを誘えばイベントや旅行のスケジュールもきちんと共有できます。やれる方法はあるんです。だから、SNSがなくても、現状のコミュニケーションは維持できるはず、と考える人が増えたかもしれません。

 ただし、やめられるかどうかと、実際にやめるか、には乖離があると思います。SNSを使わずにこれらのことをこなすのが、たとえGoogleブランドで統一されていたとしても、小難しくて、バラバラで、面倒だからです。

機能の問題に限ればやめる理由はない?

 SNSの統合された様々な機能を考えると、多分やめる合理的な理由を見出すのは難しいでしょう。

 Facebookは友人との様々なシーンで、とてもスマートに解決してくれています。個人的なやりとりはメッセンジャーがあり、転職しても連絡先は変わりません。複数の人たちで何か議論するならグループチャットがあり、メールのCcへの入れ忘れを気にする心配もないでしょう。もちろんテキストだけでなく音声やビデオにも対応します。

 イベントやグループを作れば、写真の共有もワンタッチ。なにより、その人のGmailアドレスを聞き出す必要はありません。もしイベントで新しい人と出会えれば、その場ですぐに友達になって、共通の友人の話題で打ち解け合うこともできるでしょう。

 そのため、やめられるけどやめる必要はない、と考える人のほうが多いんじゃないか、と個人的には感じています。それだけSNSの代表的存在であるFacebookの機能は充実し、合理的なものであり続けると思うのです。

 Facebookは、フェイクニュースが広まる場にならないようにすること、そして友人同士のコミュニケーションを第一に考えることを主眼とした方針転換を進めており、ウェブのニュースやバイラル動画のニュースフィード内での優先度を下げる決定をしました。

 このことは、如実にユーザーの滞在時間の減少をもたらしており、その数字は実に毎日5000万時間。それでも、友人や家族とのコミュニケーションの促進に意味のある情報や体験が優先されることが、将来的なFacebookのためになる、というのはFacebook CEOのMark Zuckerberg氏のコメントです。

 この手のテーマは、引き続き考えていきたいと思っています。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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