OPPOが世界のスマホ市場でシェア急成長した原動力は工場にあった!

文●中山 智 編集● ASCII編集部

2018年04月04日 10時00分

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 日本市場に参入したばかりのスマートフォンメーカー「OPPO」は、日本のメディア向けにプレスツアーを開催し、中国にある本社および工場を公開した。2011年にスマートフォンを発売してから、世界市場でシェア4位と急成長のOPPO。本社と工場からその急成長の秘密が垣間見えた。

中国広東省東莞にあるOPPOの工場

東莞の工場は約7000人が生活する街

 今回見学した工場は、中国広東省東莞にあり、深センの隣。本社機能は深センに別途オフィスを構えているが、登記上の本社は今回見学した東莞の工場にあるとのこと。敷地面積は22万平方メートルで、中国全土約3万人の社員のうち、1万人がこの工場に就労している。OPPOには中国本土の4つを含め世界中に7つの工場があるが、そのなかでも最大規模なのがこの工場だ。

工場の模型で現在も拡張中とのこと

 今回のプレスツアーで公開された工場機能は、スマートフォンの基板を生産するSMTセンター。さらに製造した製品の各種テストを実施するQEラボの2つ。そのほか各種部品を組み合わせて製品を完成させる組み立てラインなどもあるが、今回は最新モデルを組み立て中とのことで、見学はできなかった。

精密機械の製造なので、帽子と上着、さらに靴も袋を履いて見学

 SMTセンターは、スマートフォンの核となるプリント基板を製造するライン。ほとんどが自動化されており、1つのラインに配置されている人数は数名ほど。チップセットなどの部品はリール状にセットされ自動で取り付けが行なわれる。

SMTセンターに展示されていたサンプル。こういったプリント基板の製造をしている
SMTセンターのライン。配置されている人員は少ない

 筆者も何度か日本メーカーの工場を見学したことがあるが、こういったプリント基板を製造するラインは、どのメーカーもだいたい同じ。ロボットなどが導入され、極力人を減らして生産性を高める工夫がなされている。

工場内は快適な温度と湿度に保たれている
基板に配線を施すプリンター。サムスン製とのこと
プリントにミスがないかチェック
基板に取り付けるパーツは、リール状になっていて作業は自動化されている
取り付けたパーツに間違いがないかを確認する
基板を作成するとすぐに機械によるチェックが行なわれる
完成した基板が次々と流れてくる

 もう一方のQEラボは、生産ではなく完成した製品の耐久性などをチェックするための施設。同じ製品のうち3万台のうち100台をピックアップして、各種耐久性のテストが行なわれる。このQEラボではSMTセンターと同じように機械も使われているが、人海戦術の作業も多く行なわれている。たとえば落下テストは専用の機械を使って合計4万8000回の落下テストを実施する。

スマートフォンを一定の高さまで引き上げて落とす実験をひたすら繰り返す機械
機械だけでなく人が複数台をまとめてチェックする作業も

 一方でそのダメージチェックなどは手作業で行なわれ、どのあたりが壊れやすいのかなどを目視で確認している。またテストでもドライヤーのような機械を使ったり、SIMを挿し変えて通信性能をチェックしたりといった作業は人力のため、多くの人が配置されていた。

乾燥した地域での使用を想定したテスト
動作時の温度を精密にチェック

 これらの作業に加えて、組み立てラインなどもあり、総勢1万人の社員が働いている。工場は社員寮も完備しており、7棟で約7000人の社員が生活をしている。さらに、昼食も2000人が同時に食事をとれる食堂が用意されており、社員証で支払いが可能。ほかにはバスケットコートやサッカー場、体育館、図書室なども完備して、工場全体で1つの街とも言える規模だ。

工場内の社員寮。独身者の場合、一室に4から6名で生活しているとのこと
家族向けの部屋もあり、子ども用の遊具も用意されている
2000人が一度に食事ができる食堂
カフェテラス方式で好きな料理が選べる
1食は10元(約170円)ほどで、会社からの補助もあり食費は安い
中国やベトナムではよく見かける運動用の器具もある
ちょうど季候の良い季節だったので、写真が屋外でのんびりする姿が見られた
屋内施設には卓球台やビリヤード台もあり自由に使える
ネットカフェのような施設でPCとネットが使える部屋

 こういった工場は日本人にはなじみのある風景だが、自社で生産拠点を持っている企業は日本では少なくなってきている。ちなみに筆者の地元は日立や日産の工場が近く、自宅近所には日立や日産に勤める工員の寮があちこちにあった。ただしそれは30年ほど前の話で、現在は閉鎖された工場も多く、寮だった場所はマンションなどに変わっている。

 さらに言えば、中国メーカーすら自社生産ではなくOEMを使った企業は少なくない。OPPOの担当者は「自社で工場を持ち、OEMを一切使用せずに100%自社製を貫いている」と語っていた。それゆえ、カメラに特化したスマートフォンを高品質な状態で送り出せているわけだが、筆者の目には30年前の日本メーカーのような印象を受けた。

深センのオフィスは
今どきのオシャレな施設を完備

 一方、CEOの部屋を始めマーケティングや通販事業、デザイン部門など、いわゆる本社機能は深セン市内のオフィスビルにある。オフィスは4フロアにわたり、フリーアドレスのデスクを採用。工場と同様オフィスには食堂を備え、ランニングマシンなどが設置されたジムもあり、実に今どきのオフィス。OPPOは社員の平均年齢が29.5歳で、現在も積極的に若者を採用しているとのこと。工場もオフィスも若い人が働きやすい環境を作ることに注力しているのがよくわかる。

オフィスのほとんどがフリーアドレスになっており、私物はロッカーで管理
トレーニング用のマシンやダンスなども可能なスタジオを完備
社員食堂もあり、こちらも格安で食事がとれる

市内の公式ショップでは最新モデルの「R15」を展示

 プレスツアーでは本社・工場だけでなく、市内にあるOPPO専売店も見学できた。OPPOは広告展開にも力を入れており、一見するとOPPO専門店のようなOPPOの広告が多い一般小売店を海外では数多く目にするが、ここはOPPOの正規販売店。

深セン市内にあるOPPO専売店
OPPOのラインアップをすべて網羅している
オリジナルのアクセサリーも販売

 店内はOPPO製品が展示されており、発表されたばかり最新ハイエンドモデル「R15」のデモ機も展示していた。「R15」はディスプレー上部にノッチがある19:9の有機ELディスプレーを採用し、ディスプレーサイズは6.29型。カメラはイラストを合成するライブステッカー機能が追加されているなど、さらに進化している。

縦長&ノッチとトレンドをおさえた最新モデル「OPPO R15」
デュアルカメラで背面はガラス素材。日本での発売は未定だ

 工場と本社、そして公式の専門店を見学して、OPPOは日本人の多くがイメージする「ハードウェアメーカー」そのものという印象。自社で工場を持ち多数の工員が作業にあたる。本社では若い人が働きやすい環境を作り、街中には自社製品を取り扱う店舗をあちこちで目にする。ただし日本人のイメージ通りのハードウェアメーカーとはいえ、こういった企業は日本にはすでにあまりなく、アメリカや中国など世界的に見ても珍しい存在。この路線を維持し、さらに規模やシェアを拡大できるか、今後のOPPOに注目したい。


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