手の平PCでコワーキングスペースでも快適なPC環境を構築するワザ

文●柳谷智宣

2018年06月02日 10時00分

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 外出先で仕事する際、電源のあるカフェやファミレスでもいいのだが、できれば静かなところで時間を気にしなくていいところがいい。そんな時に活躍するのが、コワーキングスペースだ。筆者も最近使い始めたのだが、ノートPCだと作業効率が悪いことが判明。そこで今回は、ミニPCとモバイルディスプレーを活用して、コワーキングスペースで快適なPC作業環境を構築するワザを紹介しよう。

コワーキングスペースでがっつり仕事できるようになった。事務所引き払ってもやっていけそう……

ノートPCではなく重さ0.7kg
手のひらサイズのPCをチョイス

 ライターである筆者は日々大量の原稿を書いているのだが、事務所にはフルHD×6画面の環境を構築している。(「6画面ディスプレーの巨大デスクトップを構築する技」(関連記事)参照。そのため、ノートPCの画面だと小さいし、処理能力も足りないし、キーボードもタッチパッドも使い勝手が厳しい。

 利用しているコワーキングスペースには、一部の席に据え置きのディスプレーを用意しているので、PCを接続することはできる。そこで、今回試してみたのがミニPCだ。手のひらサイズのボディーながら、普通にデスクトップ用のCPUやストレージ、メモリーなどを搭載している。用意したのは、ASUSの「VivoMini UN65U」。サイズは131×131×52mmで、重量は約0.7kgと超コンパクト。カラーはミッドナイトブルーのみ。

 CPUはCore i5 7200Uを搭載し、メモリーは8GBと大容量。Intel Optaneメモリーにもオプションで対応している。ストレージは1TBのHDDに加えて、M.2スロットも備えている。ギガビットイーサネットを搭載しているが、11acにも対応する無線LANも搭載しているなど、装備は充実。

 ノートPCと比べたときの大きなメリットがインターフェースだ。前面と背面にUSB 3.1を2基ずつ備え、HDMIとDisplayPort出力も搭載。メモリーカードリーダーまで備えている。

ノートPCだけだとディスプレーサイズやキーボード、マウスがボトルネックになり作業がはかどらない
ASUSの「VivoMini UN65U」。価格は8万5000円前後
付属のACアダプター
前面には電源ボタンとUSB 3.1を2基備える
左側面にはメモリーカードリーダーを搭載
背面には、HDMIやDisplayPort、USB 3.1×2、ギガビットイーサーネットなどを備える

いつものキーボードとマウスをつないで超快適

 電源ケーブルとHDMIケーブルを装着し、キーボードとマウスを用意して電源を入れれば、すぐにセットアップ画面が開く。通常のWindows 10セットアップの手順に加え、ASUSの製品登録画面も表示された。設定が完了すれば、Windows 10が起動する。

 さっそく仕事用の環境を構築するが、やはり快適だ。この大きな部分はキーボードとマウスだ。キーボードは超高速タイピングが可能なHHKB Professional BT。日本語配列仕様、墨バージョンのお気に入りだ。マウスはロジクールのMX MASTER。隙間時間にメモをするくらいなら、ノートPCで問題ないのだが、がっつり作業するならやはり手になじんだガジェットの方が効率いい。慣れないキーボードでいちいち入力が止まったり、狭いタッチパッドでマウス操作がしにくく時間を無駄にする方がもったいない。

「VivoMini UN65U」にケーブルを装着。コンパクトなので、机の上でも邪魔にならない
キーボードとマウスはいつも使っているお気に入りを持参
もうこの時点で快適

 CPUはCore i5 7200UとノートPCでも搭載しているものだが、意外とサクサク動く。ベンチマークを取ったところ、Surface ProのCore i5-7300U版よりもスコアがよかった。ちなみにVivoMini UN65Uはベンチマークを走らせてもほとんど音がしない。アイドル時は23db、高負荷時でも38dbに抑えているという。ノートPCの小さい冷却ファンが高速回転する音は耳障りなので、静かなコワーキングスペースで使うにはうれしいところだ。

参考までにCrystalMarkを実行してみた
無線LANで接続して速度を計測したところ320Mbpsと上々

モバイルディスプレーでもう1画面を追加する

 さて、大型ディスプレーを使えるのはありがたいのだが、やはりもう1画面欲しいところ。VivoMini UN65UはHDMIに加えてDisplayPortを備えているので、それを使ってもいい。デイジーチェーンに対応しているので、最大3画面出力が可能だ。とは言っても、DisplayPortのあるディスプレーがあるとは限らない。そこで、今回は最近流行っているモバイルディスプレーを利用してみよう。

 モバイルディスプレーとは、ノートPCのディスプレー部分だけ分離したような製品で、ディスプレーサイズや解像度、映像出力、バッテリーの有無などで様々な製品が発売されている。

 今回は、コワーキングスペースに置いておくのが前提なので、大きめの画面でバッテリーは不要、USB接続、という条件に合致したASUSの「ZenScreen MB16AC」をお借りした。接続はUSB Type-Cだが、Type-Aへの変換アダプタが同梱しているので問題なし。ただし、USB Type-C接続時の最大輝度は220cd/m2だが、Type-A接続時は180cd/m2になってしまう点は注意しておきたい。

 サイズは15.6型ワイドで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。応答速度は5msで、視野角は水平垂直ともに178度。サイズは359.7×226.4×8mm、重量は約0.78kg。

 付属のスマートカバーはディスプレーの前後全体をカバーしてくれるので、よっぽどのことがない限り持ち運び時に傷が付く心配はない。利用時は、折りたたんでスタンド代わりに利用できる。マニュアルには3パターンの折りたたみ方が紹介されていた。マグネットは強く、取り回しは気持ちがいい。ただ、強すぎるので、ほかの電子機器にくっつけないようにしたい。マニュアルにも稼働中のノートPCには重ねないように記載がある。

モバイルディスプレーの「ZenScreen MB16AC」。価格は3万5000円前後
本体とスマートカバー、USBケーブル、変換アダプター、ペンが同梱されている
USB Type-CケーブルにType-A用のアダプターを装着できる
スマートカバーはマグネットで折りたたみやすくなっている
寝かせた感じになるが、少々すわりが悪かった
縦置きすることもできる。安定感はイマイチで手をぶつけると倒れそう
ペンを右下の穴に通すと、スタンド代わりに使える

大画面デュアルディスプレーなら
バリバリ仕事ができる

 USB Type-Aで接続する場合、ASUSのサイト(こちら)からDisplayWidgetソフトェアをインストールする必要がある。どちらにせよ、USB Type-C接続でも、さまざまな機能を活用するには必要だ。

 その際、同じASUSのVivoMini UN65Uにインストールしようとしたのだが、プリインストールされているセキュリティソフトに不審なプログラムとして判別されてしまった。Windows Defenderでは問題なかったので、「リスクを容認する」をクリックして、インストールを進めていいだろう。

 ケーブルを接続すれば、即デュアルディスプレーとして画面が表示された。外出先で15.6型ワイドをサブディスプレーとして使えるのはさすがに快適。描画が遅いということもなく、普通に利用できた。設定は本体のボタンでも行なえるが二つしかなくて操作しづらいので、DisplayWidgetソフトェアを使う方がラク。ブルーライトをカットしたり、縦表示したりと機能が豊富だ。

 今回は、コワーキングスペースのロッカーに置いておくことを想定していたが、この薄さと約0.78kgという重量なら持ち運びもアリだ。特に出張時などで大活躍してくれそう。USB Type-Cを搭載しているノートPCならさらに便利に使えるだろう。

大画面デュアルディスプレーで作業がはかどる
DisplayWidgetソフトェアで各種設定を行なう
ブルーライトをカットできる
縦表示も可能。資料を読むのにぴったり

 ミニとは言えデスクトップPCのパワーと、大画面のデュアルディスプレイ、そして使い慣れた高級キーボード&マウスの組み合わせがあれば、快適そのもの。アウトプットをお金にするなら、作業効率向上には投資する価値がある。コワーキングスペースのロッカーとミニPC&モバイルディスプレイの組み合わせ、良い感じでお勧めだ。それどころが、アダプターを入れても2kg以下なのだから、大きめのバッグに入れれば海外旅行に持って行くのもありかもと検討し始めている。

コンパクトなロッカーにも一式しまっておける

今回撮影に使わせてもらった
コワーキングスペース「CONTENZ」

 筆者が契約している五反田駅近くのコワーキングスペース「CONTENZ」(こちら)。月会費が9900円と安く、静かで仕事に集中できる環境を使い放題というのがうれしい。

筆者の使っているコワーキングスペース。昼はここで原稿を書き、夜は系列のコワーキングスナックで飲んでいる

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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