諦めません出るまでは 「iPhone SE2」を夢見る人の主張

文●モーダル小嶋/ASCII

2018年09月08日 15時00分

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こちらは2018年5月、アクセサリーメーカーOlixarが発表した「iPhone SE(2018)」なる端末用の強化ガラス。製品ページにはノッチがある端末のレンダリング画像が掲載されていた……ものの、いまとなっては詳細不明

片手におさまるサイズの新iPhoneがほしい……
夢を捨てられない人たちの叫びをお聞きください

 「人のウワサも七十五日」といいますが、林檎のウワサはそうでもないようで、常にあーだこーだといろいろな人が予測し続けてきました。今月にリリースされると言われているiPhoneに関しても、ここにきてほとんど確定的となっているような雰囲気があります。

 ウワサによれば(この前置きも食傷気味な感じですね)、新しいiPhoneは3つのモデルが発売されていると言われています。内訳は、有機ELディスプレーを搭載する5.8インチのiPhone Xの後継モデル、同じく有機ELディスプレー6.5インチの新モデル、そして6.1インチの液晶ディスプレーを搭載する大画面廉価モデルの3機種だそう。

 ここで、少なくない人が「あれは出ないのかなあ」と思っている機種があるはず。そう、4インチサイズのコンパクトな「iPhone SE」の後継機です。2017年、2018年と、「出るのでは!!」とウワサされて、結局出ませんでした残念……という状況が続いており、結局、今年中には出なさそうな雰囲気です。

4インチ好きの貴重な選択肢、iPhone SE

 iPhone SEの登場は2016年3月。その半年前に登場したiPhone 6sと同じ性能のA9プロセッサーを採用しながら、デザインはiPhone 5sのものを活用し、300ドル台という低価格を実現したモデル。一度だけストレージの容量を倍増させるアップデートがあったものの、プロセッサーやカメラなどには発売当初から変更がありません。

 新興国市場はもちろんのこと、格安SIMとの組み合わせなどにより、小型なモデルを好む層へアピールすることで、最新のiPhoneとはまた異なるニーズをつかんできました。しかし、後継機はどうにも登場する様子がない。ノッチがある次期iPhone SEが出るというウワサもありましたが、2018年9月時点では、続報はナシのつぶてです。

 しかし、フタを開けてみるまで、何が出るかはわからないもの。「One More Thing」などと叫んでティム・クックCEOが4インチの端末を出すかもしれない……と諦めきれない、iPhone SE2がほしくてたまらない、そんな2人の編集部員の言い分を聞いてみましょう。

4インチのサイズ感がなくなるのは痛い

iPhone SEユーザー・盛田さん

盛田 4インチか5インチか、それが問題だ。悲劇「タブレット」のセリフですね。主人公タブレットが人生を振り返り、サイズにこだわって生きていてもつまらないなあという意味でつぶやく場面です。

―― 初めて聞きましたね……。無知ですいません、大学生の頃にシェイクスピアを専攻してなかったもので。

盛田 わたしのようにポケットサイズのiPhoneを愛し、サイズ感そのままに中身をiPhone XにしたiPhone SE2を待ち望んでいた人間にとっては、最近流れてくる「5.8インチ、6.1インチ、6.5インチ」のウワサはまさにタブレットの悲劇なんです。

新しいiPhoneは「5.8インチ、6.1インチ、6.5インチ」で展開されるというウワサです

―― 盛田さんはまさにiPhone SEユーザー。2代目を待ち望んでいるわけですね。

盛田 やっぱり、5インチを超えるとデカイんですよ。「iPhone 6 Plus」(5.5インチ)が出たときに「デカッ!」と思っちゃったから。もう(4インチクラスを使いたければ4.7インチの「iPhone 8」しか残って)ないじゃん……。

―― ウワサによると、次のiPhoneは、6.1インチ液晶、5.8インチ/6.5インチ有機ELということで、一番小さくても5.8インチ。まあ、狭額縁ですから、SEがそのまま大型化したサイズ感ではないですけども。

盛田 片手で使えないじゃないですか。でも今どきのフラッグシップモデルのスマホってどれもこのサイズ感よね……。6インチ超え上等って感じ。片手に収まるサイズ感の端末がめずらしくなってきてしまいました。

18:9の大型縦長ディスプレーは、2017年後半ぐらいからのスマートフォンのトレンド。写真はファーウェイ「HUAWEI Mate 10 Pro」(6インチ有機ELディスプレー)

―― iPhone SEはiPhone 5sとおなじ4インチサイズ。「iPhone 4s」が3.5インチサイズだったことを考えると、それでも縦長になっていたのですよね。 

盛田 「iPhone 6s」で4.7インチ、「iPhone 6s Plus」で5.5インチと大型化していったとき「5.5インチなんてタブレットじゃん」「ファブレットじゃん」と言っていたことをおぼえています。しかしウワサによれば今回の最小モデルは5.8インチ、もはや実質6インチです。技術革新にともなう必然の流れとは思うのですが、4インチと比べるともう別物としか思えない大きさではありませんか。

―― 盛田さんは、iPhoneを買い換えるとしたらどうするんですか?

盛田 悩む! すっごく悩む。一周してiPhone 8にしようという考えすらあるんですよ。連載をもってもらっている松村太郎さんが書いていらしたんですけど(アップル新iPhone発表後「iPhone 8」の価値が高まる理由)、iPhone Xの後継モデルって、要するに5インチ以上の大画面と顔認証に対応するTrueDepthカメラを搭載するといわれているじゃないですか。だからiPhone 8が、ホームボタンがある最後のiPhoneになる可能性が高い。

iPhone 8の価格が下がるとすれば、選択肢としてはアリかも。4.7インチだけど……

―― いままでと同じ使い勝手のあるiPhoneだから、そういう価値がiPhone 8にはあるわけですよね。スペックも、いまでも決して悪くはないし。

盛田 ただ、現実問題として、今後iPhone SEのXバージョンが出ないなら、もう5.8インチのiPhone Xs(仮)に飛ぶしかないのかなと感じています。4インチのサイズ感をあきらめるけど、一番小さいモデルを選ぶ。それでもiPhone SEからの乗り換えを考えると、イヤフォン端子がなくなり、ホームボタンがなくなり、なくなることだらけでたいへん悲しくなります。

4インチに慣れ親しんだ盛田さんにとって、5.8インチすらもはや別次元

―― すっごく名残惜しそうに語りますね。6.1インチの液晶モデルはどうですか。

盛田 なんだか「iPhone 5c」とおなじ雰囲気を感じるんですよね。ウワサでは、カラバリが5色あるらしくて。それはそれで魅力的なんだけど、スペックで見ると、5.8インチ有機ELモデルを選ぶべきではないでしょうか。

―― iPhone SEを手放して5.8インチにするって、まあ、使用者からすれば喪失ですよね……。

盛田 愛用のイヤフォン「FitEar TO GO! 334」は3.5mmアダプター経由で使うしかないかもしれません。しかし人生は選択と訣別の連続です。iPhone Xのバージョンアップ版となるモデルが出る機会は、4インチにいよいよさよならを告げ、新章を迎えるタイミングなのかもしれない……とも感じています。

SE2が来るまで、iPhone 5sで耐える

iPhone SE……ですらなく、iPhone 5sユーザーの西牧さん

―― 編集部の西牧さんにいたっては、もうSEじゃないんです。未だにiPhone 5sを使っているわけでしょ。立ち退きに反対している住民みたいだ。

西牧 何がいけないんですか。いきなり否定から入るのはよくないですよ。Phone 5sを発売日に買ってから5年、周りから化石だの骨董品だの言われてもいまだに使い続けています。

―― べつに否定したわけじゃないから! ただ、SE2がほしいって話題をしたいのに、SEですらないわけですよ。SEが出たときは6sが出てるわけだから……。「ターミネーター」を見てないのに「ターミネーター2」を見たい的なもんですよ。

iPhone 5s(左)とiPhone SE(右)

西牧 まあ、そう言われると苦しいけど。未だにiOS 10を使っているんです。一応iOS 11はサポートしているはずなんですけど、動作が重くなるのが怖くて……。バッテリーも1日2回充電しないと持ちません。でも、別に問題はないですよ。ASCII編集部のみなさんが新しもの好きなだけで、普通の人はそんなに買い替えないでしょ。

―― そういう人もいるかもしれないけど……。西牧さんがiPhone 5sを購入したのは2013年か。東北楽天ゴールデンイーグルスが日本一になった年で、ネイマールがバルセロナに移籍した頃ですよ。

西牧 でも、あまり買い換える気にならなかった。行列した思い入れがあるんですよ、あの頃は事前予約がなかったから。渋谷に14時間並んで購入したんですから。

―― その次のiPhone 6、iPhone 6 Plusで、いよいよアップルストアに並ぶ人たちが問題になって、事前予約販売の徹底化が始まったんですよね。懐かしいな……。それはともかくとして、やっぱり、5sじゃないとダメですか。

「5sでもまだまだいけるっしょ!」

西牧 しかしそんなに愛着があるのかと聞かれると、そういうわけでもないです。なにせ酔っぱらってなくしたぐらいですから。

―― たいして思い入れがないじゃないですか!

西牧 まあまあ……。なぜ5sかといえば、サイズが手とポケットにピッタリだからです。4インチがちょうど片手で扱いやすく、ジーンズに入れても違和感がありません。常に携帯していじるのだから、感覚的なサイズ感は大切です。服だってちょっとサイズが合わなかったら気持ちが悪いではないですか。

―― その分、画面に出る情報量が少ないという欠点がありますが。

西牧 そんなものスクロールすりゃいいでしょ。

―― えー! そんな意見ある? 一画面に表示される情報量がどうかって話をしているのに、「スクロールすりゃいいでしょ」は無茶ですよ。

西牧 いや、でも、真理だと思いますよ。結局、最適なサイズがあるわけじゃないですか、人それぞれ。みんな慣れれば。

これは豆知識ですが、iPhone SEとiPhone 5sの見分け方で一番わかりやすいのは背面。iPhone SEは「SE」という文字があります

―― そもそも論なんですけど、iPhone SEにしなかった理由はなんですか。スペックでみたら明らかにSEのほうがいいですよ。

西牧 よく言われます。ごもっともです。ですが私は信じているのです。4インチで、SEよりも性能がいいiPhoneが出るのを。5sからSEへの進化は、2018年の今では中途半端です。イナダがワラサになったくらいにしか見えません。どちらもお刺身がおいしいですよね。

―― どうでもいいよ! まあいいや、キリがなくなってきた。正直、ウワサされている新しいiPhone、買います?

西牧 買わないですね。5sでいけるところまでいく。ただ、SE2が出ないとなると、そろそろ使っているアプリが危ないです。「iOS 10なんてもう使ってるやつおらんやろ」といってサポートが切られ、いよいよレガシーなものになってしまいます。時間がないのです。SEのように春にサプライズでもいいですから、SE Xというアレな名前でもいいですから、お願いですから4インチiPhoneを出してください……。

可能性は薄いけれど、あきらめなければ……?

もし新しいiPhone SEが登場するならば、ワイヤレス充電に対応させる必要もありそうです。当然、それにあわせて設計しなければなりません

 iPhone SEのポイントは低価格。いま、iPhone SEの後継機を出すとすれば、画面にしても、カメラにしても、初代iPhone SE(変な表現ですが)と大差ないクオリティでは困ってしまいます。外見はともあれ、中身をブラッシュアップしなければいけません。

 他のモデル(iPhoneというよりは、同価格帯のAndroid端末がライバルになるでしょう)と戦えるレベルのものでなくはいけない。それを製造するための部品が安価で入手できる状況がこない限りは、なかなか開発は難しいでしょう。

 アップルが強豪ひしめく2〜3万円台の端末にいまさら進出していくとは考えにくく(ブランド戦略からしても)、そうするとやはり5〜6万円台の端末になるのでしょうが、SEの後継として一から作り直して、そこからどれだけのリターンがあるかと考えると、ちょっと悩ましいところです。

 というわけでiPhone SE2の登場は望み薄といえそうですが、あきらめなければ、いつか夢は叶う……のかもしれません。少なくとも編集部には2人、iPhone SE2を待望している人がいます。楽しみに待ちたいですね……。


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