前モデルからの進化点は少ないが欠点も少ない優等生「Xperia XZ2」

文●村元正剛 編集●ASCII編集部

2018年09月17日 12時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 今回レビューするスマートフォンは、ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia XZ2」だ。同社のフラッグシップモデルで、日本ではドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアが取り扱っている。ソニー独自の技術を用いた「Motion Eye」カメラシステムなど、従来モデルの流れを汲みつつ、デザインを一新したモデルだ。

 なお、ドコモとauからは、デュアルカメラを搭載する「Xperia XZ2 Premium」も発売されている。“だから私は、Xperia” と決めている人の中にも、どちらを選ぶべきか迷っている人もいることだろう。そんな方にも参考になれば幸いだ。

約5.7型のフルHD+ディスプレーを搭載
背面パネルには3Dガラスを使用

上質なデザインで、持ちやすいサイズ感だが……

 Xperiaシリーズは、長く背面がフラットで、やや角張った印象のデザインを採用していた。右側面に搭載した指紋センサーを兼ねる電源ボタンも大きな特徴となっていた。しかし、Xperia XZ2ではそのデザインを一新。背面は立体的なラウンドフォルムとなり、指紋センサーは背面に移動した。

背面の指紋センサーは、もう少し上にあればいいな、というのが率直な感想

 ガラスを用いた背面は、光の透過や反射によって表情が変わる仕様。手にフィットしやすい形状ではあるが、ツルッとしているので、手から滑り落ちてしまいそうで心配になる。実際には落としたことも、落としそうになったこともないのだが、美しいデザインゆえにキズを付けた場合のショックは大きそうだ。ケースに入れて使うべきだろう。

 ディスプレーはXperiaシリーズとして初めて画面アスペクト比が18:9の縦長ディスプレーを採用。前モデルのXperia XZ1(約5.2型)から約5.7型へと画面が大きくなったが、左右のベゼルを細くし、横幅は約72mmに抑えられている。つまり、フロント側は昨今のトレンドを踏襲したデザインと言っていいだろう。解像度はフルHD+(2160×1080ドット)だ。

縦長ディスプレーのため、左右は約72mmに抑えられており、しっかりと掴める
画面サイズが約5.8型で、横幅が約80mmの「Xperia XZ2 Premium」(左)と比べてみた

 実際に使ってみて気になったのは、背面のカメラと指紋センサーの位置だ。本体を手にした時に、人差し指が自然に当たる位置にあるのはカメラのレンズ。慣れるまでは間違って触れて、レンズを汚すことになってしまった。指紋センサーに触れるには、人差し指を立てるか、本体の下部をつかむように持つ必要がある。これは、今後の改善を期待したいポイントだ。

右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載
カメラを起動したり、シャッターにも使えるカメラボタンも健在
底部にUSB Type-Cポート。イヤフォンジャックが廃止され、USBポートで兼用する仕様になった
上部にnanoSIM/microSDスロット。microSDカードは400GBまで対応

シングルカメラながら撮影画質は満足必至

 Xperiaはカメラ性能が高く評価されているスマホだ。Xperia XZ2は、前モデルと同じく約1920万画素の「Motion EYE」カメラシステムを採用。ソニー製の「Gレンズ」、1/2.3型のメモリー積層型イメージセンサー「Exmor RS for mobile」、そして、ソニーのデジタル一眼カメラでも用いられる画像処理エンジンをXperiaに最適化した「BIONZ for mibile」で構成される。シャッターチャンスを逃さない「先読み撮影」や、スーパースローモーション撮影などに対応していることがアドバンテージで、スーパースローモーションは初めてフルHD画質でスロー再生に対応した。

カメラモジュールは前モデルXZ1と同等で、ソフトウェア面での進化が図られている

 「カメラ」アプリの使い勝手もシンプルでわかりやすく、ほとんどの撮影シチュエーションでは初期設定の「プレミアムおまかせオート」で撮影できる。最近、AIによるシーン・被写体の認識機能をアピールする機種が増えているが、Xperiaの「プレミアムおまかせオート」は、その先駆けのような機能と言ってもいいだろう。「先読み撮影」は「オート」に設定しておくと、被写体が動くシチュエーションで、自動で有効になる仕組みだ。

「プレミアムおまかせオート」での撮影画面の例。オートフォーカスは素早く、被写体が動くと、すぐに「先読み撮影」が起動する

 撮影画質は見たままに近い色で、室内や曇天でもかなり明るく撮れ、夜景もシャープな画質が得られた。

※作例は原寸大で掲載しています。データ通信量に度注意ください。

景色を撮影した作例
夜景を撮影した作例
人物を撮影した作例

 デュアルカメラを搭載するスマホが増えているので、個人的にはシングルカメラでは物足りなく感じるのだが、実際に撮影してみると、ほとんどの被写体はシングルカメラでフォローできそうだ。XZ2のカメラは、かなり被写体に近づいてもピントが合うのだが、そうしたクローズアップ撮影を行った場合、ほどよい背景ボケも得られる。「どうしてもデュアルカメラを使いたい」というのであれば、Xperia XZ2 Premiumを選ぶといいだろう。

クローズアップで撮影すると、後方はナチュラルにボケる

 なお、前モデルも4Kビデオの撮影に対応していたが、XZ2では4K HDRビデオでの撮影にも対応している。筆者は、残念ながら4K画質での再生環境を持っていないのだが、4Kディスプレーを持っている人には、動画撮影機能も大きなアドバンテージとなるだろう。


「4K HDR」で撮影した動画作例。21秒で91.1MBだった

 フロントカメラは、前モデルは約1320万画素と高画素だったが、XZ2は約500万画素へとスペックダウンしている。しかし、セルフィー画質は及第点。人物や静物を撮影して3D画像を作成できる「3Dクリエーター」は、XZ1では背面のメインカメラのみの対応だったが、XZ2ではフロントカメラでも利用できるようになっている。

フロントカメラで撮影した作例
自分の3D画像を作成できることは、XZ1にはないXZ2のアドバンテージ

パフォーマンスは現行機種でトップクラス

 初期搭載OSはAndroid 8.0。CPUにはSnapdragon 845(2.8GH×4コア + 1.8GH×4コア)を採用し、メモリーは4GB、内蔵ストレージは64GBという構成だ。

「Antutu Benchmark」アプリで、ベンチマークを測定したところ、「260713」という高スコアをマークした。上位モデルのXperia XZ2 Premiumと同等の結果で、現在発売されているスマホの中ではトップクラスのパフォーマンスを期待していいだろう。

5回計測した中での最高スコア

 Xperia XZ2から搭載された新機能に「ダイナミックバイブレーションシステム」というものがある。音楽や動画、ゲームを楽しむ際に、音やアクションに合わせて振動する仕組みで、振動の強度は選択でき、オフにもできる。必ずしも必要な機能ではないが、映画を観たり、ゲームをプレーするときの臨場感が増すのは確かだ。

Xperia独自の「ミュージック」アプリだけでなく、「Google Play Music」を聴くときや、「YouTube」を観るときにも有効
音を大きくできない状況などで重宝。ただし、すべてのゲームタイトルが対応しているわけではない

 Xperia XZ2は本体の上下にスピーカーを内蔵し、横向きにすると左右にフロントスピーカーが位置するスタイルになる。前モデルから音量が約20%アップされており、かなりボリュームをあげても、音が割れたり歪んだりしないことも魅力だ。

【まとめ】Xperiaユーザーの2年以上ぶりの機種変更にオススメ

 Xperia XZ2は、前モデルから大幅なデザイン変更が行なわれたものの、機能面では前モデルから継承するものが多く、マイナーチェンジという印象が強い。Xperia X Performance、Xperia Z5など、2年以上前に発売されたモデルからの機種変更であれば、進化の恩恵にあやかれるであろうが、Xperia XZシリーズ(XZ//XZs/XZ1)からの機種変更は慎重に検討すべきだろう。ディスプレーやカメラの性能を重視するなら、上位モデルのXperia XZ2 Premiumを選ぶのが得策だ。

 ただし、Xperia XZ2 Premiumは、スペックが高いからと言って、全方位でXperia XZ2より優れているというわけではない。持ちやすさではXperia XZ2に軍配が上がるし、ディスプレーの解像度はXperia XZ2のほうが低いものの明るさでは勝るように感じた。

カメラ性能を重視するなら、デュアルカメラのXperia XZ2 Premium(左)も要検討
ディスプレーの明るさを最大にして比較。Xperia XZ2(右)のほうが明るく、高コントラスト

 また、Xperiaシリーズは、従来通りの開発サイクルであれば、年内に “Xperia XZ3” が発表・発売されることが予測される。迷うのであれば、待つのも一考だ。

■関連サイト

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

for Biginnersスマホ入門

スマホからスマホへ機種変更する前に読む! 各種アプリ&サービスのデータ移行・引き継ぎ方法

「Xperia A」「GALAXY S4」へ機種変更したらチェック! ケータイとの違い&スマホの使い方をマスターしよう

「Xperia A」ほか夏スマホ購入前にチェック! スマホへの機種変更&乗り換えQ&A

スマホのトラブル解決ガイド2013

スマホ定番アプリ活用術!

連載:スルッとわかる! 高速通信規格「LTE」

おサイフケータイ乗換案内!

Linkリンク