さよならiPhone SE バッテリー交換はお早めに

文●盛田 諒(Ryo Morita)

2018年10月04日 16時00分

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 アップルは今年9月、大きなiPhoneを発売すると同時に、小さなiPhoneの販売を終了しました。ありがとうiPhone SE、さようなら4インチ(ただし販売終了はアップルストアのみ。キャリア、Y!mobile、UQ mobileでは今も購入可)。

 時間の流れは残酷だなどとなげきつつ、いい機会なので、もちが悪くなっていたiPhone SEのバッテリーを換えることにしました。iPhone 5s以降なら最新のiOSが使えます。アップルも発表会で「地球のためには1つのデバイスを使い続けた方がいい」と言っていたので、地球のためにもiPhone SEを使い続けたい所存です。

 店頭でのバッテリー交換はアップルのウェブサイトから予約できます。

■バッテリー交換について
https://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/battery-power

 iPhone SEとiPhone 6以降のモデルは、今年12月31日まで期間限定で保証対象外バッテリーサービス料金が3200円と安いです(通常8800円~。来年から通常5400円~に値下がり)。交換を考えているなら忘れないうちに予約したほうがいいですよ。作業工程でデータが消えてしまう可能性もあるので、予約時間までにiTunesなどでiPhoneのバックアップデータをとっておくのも忘れずに。

 バッテリー交換作業をしてもらったのはApple銀座ジーニアスバー。偶然ですが、同じテーブルで修理の受付をした4人のうち3人がバッテリー交換を依頼していました。iPhoneのバージョンはちがいましたが、考えることは同じようです。

 iPhone SEは約2年使ってきて、だいぶバッテリーの減りが早くなっていました。店員に専用アプリでバッテリーの状態を確認してもらったところ、最大容量は86%程度に落ちていました。アップル基準80%以上は満たしているので一応は正常な動作範囲内ということ。ただ充放電回数が1000回近く、アップル基準500回のおよそ倍に相当したため、交換したほうがいいですねということになりました。

 ちなみにiOS 12では設定アプリからバッテリーの項目をひらくと、バッテリーの最大容量がわかります。電力消費状態をグラフで見たり、電力を使っているアプリを知ることもできます。充放電回数はWindowsもしくはMac向けのバッテリー診断系アプリで見られるので一度たしかめてもいいかもしれません。

 バッテリー交換作業は依頼から2時間ほどで終わりました。運良くデータが消えていなかったので、面倒もなく、とても簡単でした。依頼時は、基板が水でぬれているなどの理由でバッテリーのもちが悪くなっていた場合は端末ごと交換になり、修理料金が変わってくるためご注意くださいという説明も受けましたが、幸いにも無関係ですみました。設定からバッテリーの状態をたしかめると最大容量がしっかり100%になっていました。これであと2年は戦えるという希望がもてます。

 余談ですが、アフターケアによって昔のモデルを長く使えるというのは、アップルの高級ブランドらしさがあらわれた部分かなと感じました。

●長く使えるコンピューター

 今のiPhoneは高級なスマートフォンで、今のアップルは高級ブランドです。高級品を出す理由はスマートフォン市場が頭打ちだからだと思います。BCN調査によればiPhoneの初速はiPhone 6s以降落ちています。大量に売れないものの売上を伸ばすには高級化の道しかありません。そこで高級化にあたってアップルはハイスペック化でなくブランド力を強める方針にしたのだろうと解釈しています。最新技術トレンドを追うのではなく、安心と信頼を売りとして、「高いけど買えばまあ失敗しないだろう」と思わせる、そういう方向に進んだものと想像しています。

 ティム・クックCEO時代のアップルは持続可能性や地球環境に言及することが多いですが、エコロジカルなメッセージも「安心して長く使えるアップルという高級ブランド」に寄与するところが大きいのではないかと考えています。

 そこでアフターケアですが、高級ブランドは一般に高いものを売るだけではなく、お客さんのごひいきになるためアフターケアにも力を入れています。「お求めいただいたお品は古くなっても修理に出すことで末永くお使いいただけます」と「長い目で見ればコスパが良い」系統の説明で製品を売り、ほかのブランドに浮気をさせないようにしています。高級ブランドがよくやる顧客囲い込みの手口です。アップルはこうしたブランド戦略をなぞっているのではないかと感じます。

 また最新OSが動けば、おなじアプリも動き、アップルはApp Storeからの収益を得られます。端末によってアプリの体感が違っても課金額はおなじ。これもiPhoneをたくさん売れなくなったとき業績を下支えするものと理解できます。

 スマートフォンは一般にOSや半導体が新しくなるたびバージョンが古くなり買い替えをうながされます。特にAndroidはベースとなるOSを作っているのがグーグルなのでメーカーが5年以上前のモデルをサポートするのは難しく、2~3年でOSのバージョンアップが打ち切られてしまう製品も多いです。一方アップルは製造(組み立て)こそ台湾のホンハイに外注しているもののチップやOSは自前で作っているため、比較的調整をしやすくなるという理屈があるように思います。

 振り返ると、アップルはiPhone 5sを出したときから長く使うことを前提に設計してきたのではないかとも感じます。5年前の2013年9月に発売したiPhone 5sは64ビット版モバイルARMをチップ(SoC)に使った初めてのiPhoneで、iPhone 5までとはOSの構造が変わっています。最新モデルiPhone XSもSoCはやはり64ビット版モバイルARMベースで、iPhone 5sとおなじOSが使える仕組みです。

 まとめると、スマートフォン市場が縮小する中、アップルは最新のiPhoneを高くすることで売上を伸ばし、App Storeからの収益を減らさないため昔のiPhoneは使い続けてほしいと考えた。そこで高級ブランドと同じ戦略を強めることにした。サポートやアフターケアも戦略のうちではないかという想像です。

 変化の速さを代表するコンピューターの世界で「長く使える」というのは語義矛盾のようですが、それこそ今のアップルが挑戦している部分なのかもと感じます。個人的には、気に入らない仕様や製品ラインナップをポンポン捨ててしまうアップルの高慢さは好きではなく、いまだに小型高性能のiPhone SE2を出してほしいという気持ちは変わらないのですが、なんだかんだでiPhoneは使いやすいしサポートもあるならまあ妥協するかなあ……くらいの気持ちでいます。余談でした。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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