やっと日本に上陸した「Essential Phone」は今でも買う価値アリか?

文●村元正剛 編集●ASCII編集部

2018年10月08日 12時00分

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 今回レビューするスマートフォンは「Essential Phone PH-1」だ。Essential Phoneは、Androidの生みの親と言われるアンディ・ルービン氏が手掛けたことで注目を集めたモデルだ。アメリカでは2017年9月に発売され、2018年4月27日からは日本からも購入できるようになった。さらに、9月からはMVNOのIIJmioと楽天モバイルも取り扱いを始めた。

 筆者はIIJから借りた端末で動作確認をした。ちなみに、Essential社のウェブサイトでのEssential Phoneの価格は499ドル(約5万6600円)。IIJmioでは、4万6000円(税別)で、1950円×24回の分割払いもできる。

 では、さっそく、1週間ほど使ってみた率直な感想を述べさせていただきたい。

硬派なデザインとチタンの質感は男性向け

 Essential Phoneの最大の魅力はデザインだろう。昨年発表された際には、狭額縁でノッチがあるスマホが少なかったので「スマホの画面はここまで広くできるのか!」と驚いた。その後、iPhone Xが発売されて以降、ノッチデザインは大ブームになったので、いま初めてEssential Phoneを見る人は、さほどのインパクトを感じないだろう。

本体サイズは71.1×141.5×7.8mmで、重さは185g未満。インカメラ部分をノッチにして、3辺狭額縁を実現している
背面は鏡面仕上げ。デュアルカメラと指紋センサーを搭載している

 しかし、実機に触れると、ほかのスマホとはひと味異なる質感に驚かされた。サイドのフレームにチタン合金、背面パネルにセラミックを用いているとのことで、サイズのわりには重さがあり、リッチな質感と堅牢性を両立させている。多くの男性が好むデザインと質感ではないかと思う。

大人の男性の手には、ちょうどいいサイズ感
iPhone X(右)に近い大きさ。ノッチの狭さではiPhone Xに圧勝だ
電源ボタンと音量ボタンは本体右側に搭載
底部にUSB Type-Cポートを搭載

 あえて「多くの男性が…」と限定したのには理由がある。筆者のオフィスには若い女性スタッフが2人いるのだが、彼女たちにEssential Phoneを触らせたところ「角張っていて持ちにくい」「ちょっと古いデザイン」と、いまひとつ評判がよくなかったからだ。Essential Phoneは “男のスマホ” といえるかもしれない。

 ディスプレーは液晶で5.71型。アスペクト比は19:10で、解像度は2560×1312ドット。高精細な表示を楽しめ、小さな文字もクッキリと表示される。3辺狭額縁ということもあり、迫力も感じられる。ただし、常にノッチだけを避けて画面いっぱいに表示されるわけではなく、アプリによっては、ステータスバーの部分が黒帯となり、フツーのスマホのように表示される。

 また、縦向きで画面いっぱいに表示する場合でも、横向きにするとノッチ部分が黒帯に隠れたりもする。横向きにした場合に左右に手でつかめる部分を設けるという配慮かもしれないが、せっかくのノッチデザインがもったいないようにも感じた。

縦向きで写真を表示すると、上辺ギリギリまで表示できる
横表示にすると、ノッチが黒帯に隠れてしまう

戸惑いながら、でもすぐに慣れた「Android 9」

 Essential Phoneは、メーカーがほとんどカスタマイズしない “Pure Android” を搭載していることもセールスポイント。新しいOSがリリースされた場合に、素早くアップデートできることが利点だが、このEssential Phoneもいち早く「Android 9」を使うことができる。

 Android 9は、Android 8(Oreo)から大きく操作性が変わっているわけではないが、従来の感覚で触れていると、操作がわからなくなったり、操作を誤ってしまうこともあった。

 たとえば、Android 9では、「◁ ○ □」で表示されたナビゲーションキーがなくなり、画面の下にホームボタンだけが小さく表示される。これをタップするとホーム画面に戻り、上になぞると履歴画面、さらに画面上部まで引き上げるようにスワイプするとアプリ一覧画面が表示される。使い始めた当初は、アプリ一覧画面を出すつもりが、履歴画面が出てきて、戸惑ったりもした。

ホーム画面。「Chrome」アイコンの下の白いバーはホームボタン
ホームボタンを上方向にフリックすると、履歴画面が表示
ホームボタンを上の方まで引き上げるようにスワイプすると、アプリ一覧画面に。なお、戻るボタン(<)は操作できる場合にのみ表示される

 また、Android 8では履歴ボタンの長押しで起動した分割画面が、履歴画面を表示してから、サムネイル画面の上にあるアイコンをタップして「分割画面」を選択する、というやり方に変わっていた。

履歴画面で分割表示にしたいアプリのアイコンをタップして「分割画面」をタップ
もうひとつの画面も同じように選択すると、2つのアプリの同時利用が可能

 なお、通知パネルやクイック設定パネル、「設定」画面などは、デザインは変わったものの、操作に迷うことはなかった。タッチパネルのレスポンスもよく、なめらかな操作感を楽しめている。

クイック設定パネル
「設定」画面。Android 8から変更された部分は結構あるようだが、操作に迷うほどではない

動作性に不満はないが
電池は物足りないかも!?

 先述の通り、Essential Phoneは発売から1年が過ぎているモデルだ。しかし、ハードウェアのスペックをチェックすると、新製品と言ってもおかしくない。SoCはSnapdragon 835(2.45GHz×4コア + 1.9GHz×4コア)、メモリー4GB、内蔵ストレージ128GBという構成。現在でも「ハイエンド」と呼べる仕様だ。

 「AnTuTu Benchmark」アプリでベンチマークを測定したところ、「201350」という高スコアをマークした。マルチタスク操作やゲーム、動画編集などを多用するユーザーも安心していいだろう。

「AnTuTu Benchmark」アプリで3回テストした最高スコア。Snapdragon 835搭載モデルとして順当なスコアといえる

 ただし、バッテリーは使い方によって1日持たない可能性もある。このサイズ感の端末としては十分な3040mAhのバッテリーを内蔵しているが、ウェブを見たり、写真を撮ったりすることが多い日には、夜に電池残量が厳しい状況になった。ヘビーユーザーはモバイルバッテリーの携帯が必須となるだろう。

Android 9から追加された「自動調整バッテリー」は初期設定でオンになっていたのだが、さほどの恩恵は感じられなかった

デュアルカメラの画質は満足必至だが
インカメラは……

 カメラは、背面は1300万画素がデュアルカメラで、RGB(カラー)とモノクロを組み合わせた「イメージフュージョンテクノロジー」なるものを搭載している。実際に撮ってみたところ、画質は上々で、「ポートレート」モードに設定して、背景をナチュラルにぼかすこともできた。

背面のデュアルカメラは、f/1.85の明るいレンズを採用している
フルオートの「写真」で撮影
「ポートレート」で撮ると、背景をぼかせる
赤や緑の発色も的確な印象だ
料理も美味しそうに撮れた
「モノクロ」で撮ることも可能

 前面カメラはシングルレンズで800万画素。美顔モードのような機能はなく、背景もぼかせないので、自分を撮ることが多い女性は物足りないかもしれない。

女性スタッフに前面カメラで自撮りしたもらった。「撮影時に補正できないのは物足りない」とのこと

コスパは◎。違いをアピールした人にはオススメ

 発売から1年経っているとはいえ、十分に「ハイエンド」と呼べるスペックを備え、デザイン面でも魅力を感じる人が多いであろうEssential Phone。税込でも5万円を切る価格(4万9680円)は、お買い得といっていいだろう。

 SIMフリーで、しかも取り扱うMVNOが限られているので、日本市場でそんなに多くの台数が出回ることはないだろう。“人とは違うスマホを持ちたい” というレア度を重視する人にもオススメしたい。

 ただし、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応するSIMフリースマホが増えている中、Essential PhoneはSIMは1枚しか挿せない。使い方によっては、海外渡航時に不便を感じることはあるかもしれないので注意しよう。

nanoSIMを1枚だけ挿せる。SIMピンは、Essentialの円形ロゴになっている
梱包箱が立派で、USBケーブルも丈夫そうなものが付属している

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