「ノッチなしスマホ」の魅力と課題

文●山口健太

2018年11月06日 16時00分

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 スマホの画面上部の切り欠き(ノッチ)は、iPhone Xの採用をきっかけに、モバイル業界全体のトレンドになっています。一方、画面が単純な矩形ではなくなることから、賛否両論の多いデザインでした。

 そんな中、11月9日にはノッチのない全画面ディスプレーを実現したOPPOの「Find X」が日本でも発売されます。他にも、これまでにないアイデアで「ノッチレス」を目指すスマホが増えてきました。

●iPhone Xでトレンドになった「ノッチ」

 スマホ画面のノッチは「Essential Phone」が採用したことで世に知られるようになり、2017年の「iPhone X」で一般に普及。その後、Androidスマホのメーカー各社が続々と追従しました。

最新型「iPhone XR」のノッチ

 この秋に発表されたスマホを振り返ると、アップルの「iPhone XS」「iPhone XR」はもちろん、グーグルの「Pixel 3 XL」、ファーウェイの「HUAWEI Mate 20」シリーズなどがノッチを採用しています。

ファーウェイ「HUAWEI Mate 20 Pro」のノッチ
グーグル「Pixel 3 XL」のノッチ

 大手メーカーの中では、GalaxyシリーズやXperiaシリーズのようにノッチを採用しない端末のほうが珍しいほどです。

 画面の一部を切り取ったような形状のノッチは、表示領域が狭くなるため、損をした気分になることはたしかです。写真や映像を全画面に表示すると邪魔に感じることも多く、技術的に妥協した感も否めません。

 一方、画面周囲のベゼルとなるはずだった部分を表示領域として使えるようになり、OSやアプリの対応次第では情報量を増やせるメリットがあります。

 ノッチ部分にはフロントカメラやセンサーなどの部品を搭載。自撮りブームや顔認証により、こうした部品の重要性はどんどん高まっています。メーカーは「部品のスペースを確保しつつ大画面化の要求にこたえるにはどうするか」という課題に直面しているわけです。

OPPO「R17 Neo」は水滴型ノッチを採用した

●「ノッチレス」はアイデア見本市

 こうした課題に対し、最近になってノッチをなくすさまざまなアイデアが出てきました。Find Xはカメラが電動でスライドする機構を搭載し、画面占有率は93.8%を実現しています。

Find Xのカメラは「ウィーン」と電動でせり出してくる

 ほかにも、Vivoの「Vivo NEX」はインカメラが飛び出す仕組み、Xiaomiの「Mi MIX 3」は手動でスライドする方式を採用しています。

 さらに中国のnubiaが10月31日に発表した「nubia X」は、スマホの背面にもディスプレーを搭載した両面ディスプレー方式を採用。自撮りの際は背面ディスプレーでメインカメラを使えるため、インカメラが不要という、ある意味では合理的なデザインです。

両面ディスプレーの「nubia X」

●「真の全画面」を目指す方向を支持したい

 ただし冷静になってみると、どれも一般向けとは言いがたいアイデアであり、ノッチをなくすための仕掛けとしては電動スライドや両面ディスプレーは大がかりすぎます。どちらかといえば、実際に売れるかどうかはともかく、ノッチレスは各社の技術力を示すショーケースになっている印象です。

 一方で、ノッチレスを目指す努力は決してムダなものとは思いません。たしかにiPhone X以降、ノッチは見慣れたものになり、使い方によってはノッチが目立たないため、四六時中ノッチに悩まされるほどではありません。

 それでもOPPOのFind Xは、何物にも邪魔されずに全画面を使える心地よさがあります。あくまでバランスが大事ですが、真の全画面を目指すという方向性自体は支持したいところです。

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