ガラケーを格安SIMでオトクに使うことはできるのか?

文●正田拓也 編集● ASCII編集部

2018年11月22日 12時00分

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 MVNOの格安SIMというとスマートフォンを格安に使うものという印象だが、実際には“ガラケー”などとも呼ばれる従来型携帯電話、フィーチャーフォンでも使うことはできる。データ通信をほとんど使わなくても、気軽にケータイを持つことができる手段として有効だ。

いわゆる“ガラホ”ではLINEアプリも利用できる

イマドキのケータイはスマホベースの“ガラホ”
基本的には事業者に関係なく使える

 現在キャリアが販売している従来型携帯電話(以下、ケータイ)は、スマートフォンベースのOS、つまりAndroidを搭載したものがほとんどで、「ガラホ」とも呼ばれているものだ。対応バンドの問題はあるにしても、SIMフリー化すればキャリアに関係なく使えることが多い。

 auの最近のガラホである「GRATINA 4G」を例にすると、SIMロック解除すればドコモネットワークやソフトバンクネットワークでも使うことができ、LINEもテザリングも使えるという状況になっている。

 そもそも「ガラケー」「ガラホ」の語源となったガラパゴスとは、今のケータイはもはや関係なくなりつつある。通信事業者の独自サービスに特化した機能は残っていても、鳴りを潜めているのだ。

 ドコモでも比較的最近になって登場したケータイではLINEアプリを内蔵し、MVNOの格安SIMで存分に使うことができる。具体的には、P-01JやF-02J、SH-01Jなどで、多少カスタマイズされているが、AndroidのLINEに近いことができると思ってよいだろう。ソフトバンク機についても同様だ。

 とはいえ、SIMフリー化して違うネットワークに使うのは慎重になったほうがいいだろう。対応バンドの関係やauのVoLTEなどで利用できる、できないが発生するためだ。

 また古いドコモのFOMAケータイの場合、SIMロック解除しなくてもドコモネットワークの格安SIM自体は大体利用できるが、APN設定ができない機種もあり、その場合はデータ通信が使えず、通話とSMSだけとなる。

格安SIM+ケータイで音声通話を利用するメリット

 実は、音声通話だけなら3大キャリアにおいても、月額1500円前後で契約でき、コスト的にさほど高くならないばかりか、国内通話定額のおかげで3大キャリアのほうが割安になることがある。

 格安SIMを使うメリットと言えば、事業者によって最長でも1年程度の最低利用期間を過ぎればいつでも無料で解約できたり、新規契約や解約がしやすいという程度のようにも見える。

 しかし、通話だけでなくデータ通信もある程度使うとなると格安SIMのメリットが出てくる。

 LINEに対応するケータイはスマホベースの「ガラホ」に限られるのだが(従来型OSのケータイ向けLINEのサービスは終了している)、LINEさえ使えれば、音声通話もビデオ通話もデータ通信でまかなえる。格安SIMならLINEを活用するのには十分なデータ通信容量があり、安心してビデオ通話を含むコミュニケーションが可能となる。

従来型OSのケータイではLINEは使えなくなったが、最近の「ガラホ」ならLINEの通話まで可能だ

 さらに、テザリングを使えばWi-FiのみのタブレットやPCと一緒に持ち歩いてモバイルルーター代わりに使える。

 3大キャリアの契約でケータイを使うと、通常の通話や、テキストメールが1日数通届く程度のキャリアメールだけなら安く済むが、数百MB以上のデータ通信を使うと途端にデータ定額分の料金が跳ね上がるのだ。

 逆に格安SIM側の弱点はやはりメール。ケータイは「○△□@docomo.ne.jp」などのキャリアメールの利用が前提になっており、格安SIMでは利用できない。メールはウェブベースのGmailなどを使うことになるが、小さい画面とテンキーでウェブブラウザーを駆使するのは極めて面倒だ。

 もっとも人によってはもう使う機会が激減している電子メールは切り捨てる頃合いかもしれない。それより、電話番号を使った通話を残し、LINEのコミュニケーションができ、しかも端末の形状は持ちやすく話しやすい。これは実は現代の使い方にマッチしているのでは? というのが筆者の考えだ。

ケータイに使えそうなプランは税抜月700円から

 そこで、ケータイに使えそうな格安SIMのプランを考えてみたい。

 まずはLINEなどのデータ通信を一切せず、090などの電話番号が使えさえすればいいというパターンだ。要はデータ通信の通信量より、とにかく安いプランを選ぶ。

 また端末の豊富さから、ドコモのFOMAケータイで利用できる、ドコモのネットワークを使った格安SIMに限定したい。

 その条件で格安SIMを探してみると、安いところではnuroモバイルの「0 SIM」がある。月500MB未満のデータ通信なら0円と話題になったSIMだが、音声通話付きでも税抜月700円で利用でき、データ通信量がゼロで続いても自動解約は適用されない。

 ただし、「0 SIM」はデータ通信を使っていると請求額が上がってしまう恐れがあるので、同じnuroモバイルの「お試しプラン(D)」なら、月0.2GBの高速データ量が付いて税抜月1000円固定だ。お試しプラン(D)のほうは短期解約の違約金もないので、こちらが安心だ。

 もう少しデータ通信を使う予定があるなら、LINEモバイルの「LINEフリープラン」の音声通話付きなら月間1GBのデータ通信容量が付いて税抜月1200円。これはLINEのほとんどのコミュニケーションのデータ量がノーカウントになるいう特徴がある。さらにケータイのアプリの対応次第だがLINEの年齢認証ができるという点も特徴だ。

 もっとデータを使つとなると月3GB前後のプランが各社から月1500~1600円程度で揃っているので選択肢が大幅に広がる。なお、月額料金については、このほかにユニバーサルサービス料の2円(2018年11月現在)が必要となる。

通話定額オプションはケータイでも利用できる

 格安SIMの通話料は原則、30秒あたり税抜20円とほぼ横並びだが、格安SIM各社には通話定額オプションが揃っている。月850円程度のオプション料を払えば10分までの国内通話が何度でも無料というものだ。

 これらのサービスはスマホでは専用アプリからの利用が前提になっているが、こうしたアプリは実は通話先の電話番号の頭に特定の番号を付けて発信しているだけなので、その番号を手動で追加すれば、ケータイでも通話定額は利用できる。

 毎回、頭に番号をつけるのは面倒だが、ケータイのメニューに「プレフィックス発信」などといった設定項目があれば、簡単な操作で特定の番号が追加可能だ。

 また、mineoの「通話定額サービス」では、そもそも特定の番号を付ける必要はない。ただ、これは単に30分ぶんの通話料が含まれた「通話定額30」が税抜840円(本来は1200円)、60分ぶんが含まれた「通話定額60」が税抜1680円(同2400円)と普通に電話をかけるより割引されるというもので、何回掛けても定額といったサービスではない。

ケータイ+格安SIMは
LINEやテザリング、短期利用にメリット

 MVNOの格安SIMで格安に従来型携帯電話を使う方法を考えてみたが、待受が主なら月額700円(税別)から利用できる計算。また、LINE対応の「ガラホ」が用意できるならLINEも存分に活用できる。電子メールの利用はほぼ諦める必要があるが、通話とLINEだけでいいというのなら、なかなか優れた選択肢だ。

 また、プランやサービスを選べば手頃な月額料金のうえに、いつでも違約金なしで解約できるという面も大きい。大画面スマホでは通話がしにくく不便と考えているなら、通話だけでもケータイに戻ってみるのもいいだろう。

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