BlackBerry KEY2は物理キーボード好きにとって最後の砦

文●林 佑樹 編集●ASCII編集部

2018年12月09日 12時00分

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 スマホの文字入力は、タッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードでの入力が当たり前になった。物理キーボードを搭載する端末はほぼ絶滅状態で、新製品として見かけることも減ってきている。とはいえ、ポリシーとして、アイデンティティーとして、ハードウェアキーボードを守り続けるシリーズがある。それが、「BlackBerry」シリーズだ。

BlackBerry KEY2

 すでに発売されているので今さらではあるのだが、QWERTY入力が大好き、物理キーボード大好きという人はすでに手にしているかもしれないシリーズ最新作の「BlackBerry KEY2」(BlackBerry製)をチェックしていく。文字入力に関してはダントツにいいため、サブとして多くのユーザーにオススメだ。

 BlackBerry KEY2は、アスペクト比3:2の4.5型パネルを搭載し、その下に物理キーボードを備えている。2017年後半から、ほぼ全画面+縦長パネルばかりとなっているが、流行に流されない見た目であり、それもあって遠くからでもBlackBerryだと分かる。本体サイズは約71.8×151.4×8.5mm、重さは約160g。

サイズ感はよくある系統である

 まずはキーボードから見ていこう。キーボードはPCと同じQWERTY配列となっており、Enterキーやシステムキーなども用意されているほか、スペースバーには指紋センサーも搭載している。キーサイズの見た目は小型なのだが、前モデルであるBlackBerry KEYよりも21.6%大型化したほか、表面がマット処理されているのもあり、指滑りも打鍵もしやすくなっている。もちろん、片手で操作はあまり考えられておらず、両手で持って親指でポチポチと入力するのが基本スタイルだ。

とっても魅力的なキーボード

 また、後述するショートカットキーの登録ができたり、キーボード表面をなぞるとタッチパッドのようにスクロールできたりといった機能もあって、うっかりハマるとタッチパネルに戻ってこれなくなる快適さがある。

画面を触らなくてもいいのが地味にいい

 外観の他の部分を見ていくと、背面にはデュアルカメラとLEDライト、そしてBlackBerryのロゴが渋い。また背面全体はカーボン調の処理がされており、滑落防止処理をしつつ見た目を引き立てている。

 側面はオーソドックスだが、右側面にボタンが集約されており、ボリュームボタンと電源ボタン、アプリをランチするなどが可能な便利キーがある。これらの部分はキーボードと比べると、ごくごく普通であるため、あまり触れる点はない。

物理キーボードがあるため、ディスプレーに対して本体サイズは大きめ
上部にはイヤホンジャックがある。下部のUSB端子はType-C
右側面にボタンが集約されている
リア側はデュアルカメラでどちらも1200画素、標準と望遠を備える。イン側はシングルレンズで800万画素

豊富なカスタムと
堅牢なセキュリティー機能

 UIを見ていくと、キーボードショートカットの設定はチェックしておきたい。キーボード右下にあるショートカットキー+任意のキーを押すことで、アプリの起動や特定操作ができる。両手持ちであることが多いため、よく使用するアプリを登録しておくだけでも、画面をタッチする回数はよく減るだろう。

ショートカットキーの位置はこのスクリーンショットの通り

 日本語入力と英語入力の切り替えは、デフォルトではShiht+スペースキーでできる。初回起動直後のID登録でピリオドが打てなくて困るシーンが多そうだが、キーボードアプリを変更すると操作感が変わるほか、設定から変換入力の切り換えもできるため、どうも肌に合わないと思った場合は、Google日本語入力やAquaMozcを試してみるといい。AquaMozcは有料アプリだが、CTRL+ZやCTRL+C、CTRL+Vといったショートカットが可能だ。

 なお、本稿は途中までBlackBerry KEY2のみで作成しているが、400文字を超えたあたりからはさすがにキツく感じた。200〜300文字ほど、長めの連絡事項に関しては大変快適といったところだろうか。

このように$キーをカスタムできる
ちなみに、キーボード表面をなぞって変換を選択することもできる

 便利キー(コンビニエンスキー)には、最大3つのアプリを登録できる。上記のショートカットキー機能があるため、あまり出番はないのだが、片手操作で起動したいアプリがあるのであれば、チェックしてみるといい。

便利キーに登録してみたところ
生産性タブ。カレンダーやウィジェッドなどをまとめたもの

 BlackBerryシリーズらしい機能としてDTEK by BlackBerryがある。プライバシーを保護することに特化したアプリであり、スキャンによるセキュリティーチェックやデータの暗号化、写真等を自動バックアップロードから省くといったこともできる。

LOKERモードで撮影すると、各ラウンドにアップロードしないといった設定も存在する

 特徴的な設定項目に触れてきたが、このほかは他の端末であるようなパフォーマンスに関わるものや、バッテリー関連ばかりであり、設定に際して困ることはないだろう。

Snapdragon 660でなんでもソコソコにこなす

 ここではベンチマークを見ていく。SoCはSnapdragon 660。ミドルクラスのSoCで、GPU性能は低いものの、CPU性能は十分にあり、ゲーム以外のシーンであまり困ることはない。また、メモリーは6GBである点もポイントだろう。ウェブブラウズしながら、他のアプリで仕事関連の情報をチェック、あとTwitterなどのSNSといった使い方なら困るシーンはない。

 ただ、3DMarkについてはSling Shot Extreme Unlimitedがプリセット途中でリブートしてしまうばかりだった。つまり、ヘビーなゲームアプリなど過度な負荷が生じるアプリに対しては慎重であるべきだ。

3DMark Sling Shot ExtremeプリセットとSling Shot-Vulkanプリセットのスコア。一応動く程度のスコアだ
Antutu Benchmark。こちらはSnapdragon 660的なスコアとなった
Antutu Benchmark HTML5版のスコアは良好。このあたりはウェブブラウズでよく体感できるだろう
PCMark Work 2.0 Performanceのスコアは意外にも高く、ハイスペック端末に近いものとなった
GeekBench 4。これも搭載するSoCらしいスコアである

 このように、搭載するSoCらしいスコアが並んだが、PCMarkについては高めになった。ゲーム以外は良好であり、BlackBerry KEY2でSNSや仕事のメールなどをするくらいなら困ることはないだろう。

イジりやすい画質と汎用的な“ビビット”

 BlackBerry KEY2のアウトカメラは標準レンズと望遠レンズのデュアル仕様で、いずれも1200万画素となっているが、望遠レンズの必要性をあまり感じなかった。また、画質傾向は意外と良好であり、白を白として明確に取得しようとするクセを踏まえたうえで運用したほうがいい。フィルターを使用しない場合は、ここ最近のスマホカメラ群と比べると地味なのだが、階調は豊富であり、あとから調整もしやすい。

左がフィルター未使用、右がビビット。ビビットはあまりキツい処理ではないため、これをデフォルトにしてもいいくらいだ
晴天下についてはストイックに記録してくれる
日陰ではシャドウが潰れがちと見えてしまうが、階調が残っているケースが多く、写真補正アプリで救済可能だ
夕焼けの雰囲気はなかなかなのだが、ホワイトバランスの調整はいまいち
夜間はノイズが増えがちだが、スマートフォンのディスプレー上で見るぶんには違和感は少なめ
ご飯写真は光源次第だが、ビビットのフィルターを使用したほうがいい結果になることが多くあった

 ポートレートモードは、背景をぼかすものになっているのだが、発動するしないが不安定であり、同じ距離でも状況次第ではうまくいかないこともある。正直、ちょっと使いにくいのだが、人物のウェストアップくらいでは打率は高めだった。白の多い場所で、少し露出補正を高めにすると、あまり補正をしなくてもいい写真になりやすい。ビジネスシーン、たとえばオフィスでの使用前提なのかと思ったほど。

ポートレートモード時は、発色傾向もやや変化するようで、白の多い場所との相性がなかなかいい

【まとめ】ゲームをしない、物理キーボード好きなら買い

 ハイスペック端末群と比べると、用途割り切り、かつ物理キーボードを評価するかで購入選択肢に入ってくる端末だ。現状、まともな物理キーボード搭載機としてはBlackBerry KEY2のみであり、過去最高に極まった物理キーボードであるため、フリック入力ではなく、QWERTY入力で快適に過ごしたいのであれば、これしかないだろう。

BlackBerry「BlackBerry KEY2」の主なスペック
ディスプレー 4.5型
画面解像度 1080×1620ドット
サイズ 71.8×151.4×8.5mm
重量 約160g
CPU Snapdragon 660
メモリー 6GB
内蔵ストレージ シルバー:64GB
ブラック:128GB
外部ストレージ microSD(最大2TB)
OS Android 8.1
対応バンド LTE:1/2/4/3/5/7/8/12/13/17/18/19/20/
26/28/32/38/39/40/41
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
DSDS
無線LAN IEEE802.11ac(2.4/5GHz対応)
カメラ画素数 リア:12メガ+12メガ
/イン:8メガ
バッテリー容量 3500mAh
SIM nanoSIM×2(シルバーのみ)
USB端子 Type-C
カラバリ シルバー、ブラック
価格 シルバー:7万9800円
ブラック:89,800円(税込)

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