「Tommy3 Plus」は1万円台でDSDV対応! 2台目としてならアリ!?

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII編集部

2019年03月16日 12時00分

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フランス生まれのコスパ最高スマホ
Wikoの「Tommy3 Plus」をレビュー

 今回紹介するスマートフォンは、Wikoの「Tommy3 Plus」だ。Wikoはフランス・マルセイユで発祥したモバイルベンチャー。西ヨーロッパでは出荷台数シェアのトップ5に入る国が多く、現在は世界35ヵ国に展開。国際的な展示会などでも存在感を強めており、一定の成功を収めているメーカーと評価していいだろう。

 Wikoが日本に参入したのは2017年の2月。1万4800円(税抜)のSIMフリースマホ「Tommy」を発売した。同年11月に大画面モデル「View」をリリースし、2018年2月にはNTTレゾナントの“gooのスマホ” として「g08」がリリースされたが、いずれも業界が注目するほどの販売実績を上げることはできなかった(と、筆者は認識している)。

 今回のTommy3 Plusは、Wikoブランドとしては1年以上のブランクを空けての第3弾。g08からも約1年が経っている。筆者もそうだが「Wikoは事実上撤退したのかな?」と思っていた人も少なくないだろう。ところがどっこい、日本市場をあきらめていなかったWikoの新モデルがTommy3 Plus。2年前に発売したTommyの後継機にあたり、市場想定価格は同じく1万4800円(税抜)だ。

5.45型のHD+ディスプレーを搭載するエントリーモデル
本体サイズは約71.3×144.6×8.6mmで、重さは150g。背面には1300万画素カメラを搭載

ディスプレーの画質は上々

 ディスプレーは5.45型で、アスペクト比は18:9。解像度はHD+(720×1440ドット)だ。数値だけを見ると、いかにもローエンドという印象だが、実際に使ってみると、画質には不満は感じなかった。むしろ、このくらいのサイズならフルHDでなくても視認性に支障はない。

写真や動画を楽しむには十分な画質が得られる
昨今のトレンドといえる縦長ディスプレーだが、ノッチ(切り欠き)はなく、ベーシックなデザイン

 本体の右側面に電源ボタンと音量ボタンを配置し、上部にイヤホンジャック、底部にUSBポートという標準的な仕様。エントリーモデルらしく、USBポートはType-Cではなく、旧来のmicroUSBだ。

右側面に電源ボタンと音量ボタンを搭載
上部に独立したイヤホンジャックを搭載しているが、イヤホンは同梱していない
底部にはmicroUSBポートを搭載

エントリーモデルながらDSDV対応はうれしい

 背面のカバーは、プラスチック製でさらりとした手触り。ただし、カラーによっては光沢が強く、メタリック調だったり、ガラスっぽく見えたりするので、しっかり見比べて選ぶのが得策だ。

筆者が試用したブラックは、つや消し仕上げで、滑りにくく、指紋も付きにくい。背面のエッジ部は丸みを帯びており、手になじみやすい
最近のスマホの中では、コンパクトで軽い印象
カラバリは、左からブラック、ミラー、ブリーン、チェリー・レッド。ブリーンは「ブルー」と「グリーン」を組み合わせた造語で、Wikoのイメージカラーだ

 最近のスマホでは珍しく、背面カバーを取り外せて、電池パックの交換も可能。SIMはmicroサイズのSIMを2枚挿せて、独立したmicroSDスロット(最大128GB)も用意されている。前モデルのTommy3は、SIMを2枚挿せるが同時待ち受けはできないDSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)だった。Tommy3 Plusは、2枚のSIMで同時に待ち受けられるDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応し、しかも2回線ともにVoLTEを利用できるDSDVを実現している。これは大きなセールポイントといえるだろう。

背面のカバーをパカっと外して、電池パックの上部の左右にSIMカードを挿し込める。nanoサイズをmicroサイズに変換できるアダプターを2個同梱している
ディスプレーの保護フィルムと透明のスマホケースを同梱。これは、ありがたい

カメラの画質も“お値段以上”

 そもそも1万円台のスマホを買おうとしている人は、さほど性能や機能は求めていないだろう。されど、カメラの使い勝手や画質は気になるのではないかと思う。まずは、1300万画素のアウトカメラで撮ってみた。

景色を撮影した作例
花を撮影した作例。シングルレンズだが、背景がほどよくぼけた
カフェでスイーツを撮影した作例

 結論を先に言えば、「1万円台でここまで撮れるとは」と感心するレベルだった。もちろん、ミドルレンジ以上のモデルに比べると、カメラの起動が遅かったり、シャッターのタイムラグが気になったりはするのだが、そこそこ明るい場所で景色や物を撮るには問題なさそうだ。ただし、暗い場所では手ブレが生じやすいので注意が必要だ。

手持ちで夜景を撮ると、何度シャッターを押してもこのように手ブレしてしまった

インカメラは500万画素。背景をぼかして自撮りをすることができ、しかもボケの度合いを調節できる。手動で設定できるビューティー補正機能もあり、フラッシュも搭載している。インカメラの画質は、「ミドルクラスに近いか同等」と評価していいのではないかと思う。

背景ボケの度合いを設定できる
背景をぼかして自撮りした作例
ビューティー補正を使ってみた。5歳くらい若く撮れるのではないかと思う

パフォーマンスに過度な期待は禁物

 CPUはMediaTek製のMT6739WW(1.5GHz クアッドコア)。メモリーは2GB、内蔵ストレージは16GBという構成だ。メモリーが2GBあるので、ブラウザー、メール、電話などの基本操作での心配はないが、長く使うとパワー不足を感じる場面に出くわすだろう。

 筆者は普段ハイエンドのスマホを使っている。Tommy3 Plusを使い始めた当初は、そんなに遅いとは思わず、ストレスなく使えた。だが、SNSやゲームなどのアプリを追加して、立て続けにアプリを起動するようになると、アプリの起動や切り替えに時間がかかったり、反応がずれたりすることもあった。マルチタスク画面を開いて、使わないアプリを終了させる、といった操作も必要になる。というよりも、マルチタスク操作を頻用するヘビーユーザーには向かないだろう。

スマホの性能を数値化して比較できる「AnTuTu Benchmark」アプリでベンチマークを測定してみた。3回計測した最高スコアは「43633」。エントリークラスの中では良い結果ともいえる
ワンタッチでメモリーを解放したり、不要なファイルを削除したりできる「スマートアシスト」。使いづけるうちに必要な場面が出てくるだろう

 OSはAndroid 8.1で、初期設定のホームアプリはベーシックなAndroidホームに近い。前モデルのTommyには、Wiko独自のホームが設定されていた。個人的には独自性のあるホームのほうが好きなのだが、スマホの操作に慣れていない人や、他メーカーのスマホから乗り換える人にとってはベーシックなホームが使いやすいだろう。なお、ワンタッチで切り替えられる「シンプルモード」があり、シニアに持たせるときに便利そうだ。

ホーム画面はベーシック
画面下方から上にスワイプするとアプリ一覧が表示
「シンプルモード」に切り替えると、ホーム画面はこんなに見やすくなる
顔認証でのロック解除も可能
「スマートアクション」という便利機能も使える

【まとめ】Tommy3 Plusの最大の魅力は価格!

 Tommy3 Plusの最大の魅力は、なんといっても価格だ。10万円を超えるスマホが珍しくなくなってきている中、「Tommy3 Plus」は1万4800円(税抜)。オープン価格なので、販売チャネルやキャンペーンによっては、さらに安く買えるはず。

 ちなみに、2018年秋に発売されたiPhoneの最新モデルは、SIMフリーの最安がiPhone XR(64GB)で8万4800円(税抜)。つまり、iPhone XRの1台分の予算で、Tommy3 Plusを5台も買えるのだ。スペックに大きな差があるので「iPhone XRにはTommy3 Plus5台以上の価値がある」という人もいるだろうが、スマホの使い方は人それぞれ。多くの機能を求めず、自分の用途に足りるのであれば「Tommy3 Plusで十分」と思う人もいるだろう。

 スマホを初めて使う人や、用途が限られるライトユーザーで、とことん初期費用を抑えたい人には持ってこい。DSDVに対応しているので、海外渡航時用の2台目としても検討する価値はある。

Wiko「Tommy3 Plus」の主なスペック
ディスプレー 5.45型液晶(18:9)
画面解像度 720×1440ドット
サイズ 約71.3×147.6×8.6mm
重量 約150g
CPU MediaTek MT6738WW 1.5GHz(クアッドコア)
メモリー 2GB
ストレージ 16GB
外部ストレージ microSDXC(最大128GB)
OS Android 8.1
対応バンド LTE:1/3/5/7/8/18/19/20/26/28/38/41
W-CDMA:1/2/5/6/8
4バンドGSM
DSDS ○(DSDV)
VoLTE ○(ドコモ、au、SB)
無線LAN IEEE802.11n(2.4GHz対応)
カメラ画素数 アウト:13メガ/イン:5メガ
バッテリー容量 2900mAh
生体認証 ○(顔)
SIM microSIM×2
USB端子 microUSB
カラバリ ミラー、ブラック、ブリーン、チェリー・レッド

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