セブンペイ終了でもキャッシュレスは続く

文●山口健太

2019年08月05日 09時00分

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 10月に予定されている消費増税まであと2ヵ月となり、キャッシュレスやポイント還元を巡る動きが加速しています。

 8月1日には、不正利用問題で話題となった7pay(セブンペイ)が9月30日のサービス終了を発表し、やや水を差した感はあるものの、キャッシュレスの盛り上がりはまだまだ続きそうです。

■キャッシュレスで売上は増えるのか

 楽天は7月31日から8月3日まで、パシフィコ横浜で初の大型イベント「Rakuten Optimism 2019」を開催しています。ここでは楽天のスタジアムが現金を廃止した完全キャッシュレスを導入し、飲食の売上が上がった事例が紹介されました。

 日本ではまだ「現金主義」の人も多く、現金が使えなければ売上は落ちるとの予想もありました。しかし実際には楽天生命パーク宮城では前年比で26.7%、ノエビアスタジアム神戸では50.2%も飲食購入金額が伸びたといいます。

完全キャッシュレスで売上増を達成

 売上が増えた理由として、楽天は現金よりスムーズに買い物ができることを挙げています。ポイント還元などキャンペーンもあり、現金より多めの金額を使ってしまう人も多いようです。

 メルペイと吉野家も面白い効果がありそうです。8月1日に始まった70%還元のキャンペーンをきっかけに、吉野家はメルカリの若い女性ユーザーの取り込みに関心を示しています。

メルペイのあと払いを利用した70%還元で牛丼並盛が実質114円に

 メルカリの中心を占める10〜20代の女性ユーザーは、これまで吉野家がリーチできていなかった客層だといいます。決済手段を増やすだけで新たな客層を開拓できるのは興味深いところです。

■キャッシュレスの魅力を高める新機能も

 キャッシュレスが盛り上がる中、不正利用問題を起こした7payは9月30日のサービス終了を発表。一連の騒動を通じて、QRコード決済やスマホ決済全体に対する不安の声が増えた感があります。

不正利用問題を起こした7payはサービス終了を発表した

 スマホ決済にマイナスのイメージがついてしまうと、数パーセントのお得さがあったとしてもマイナスを埋める程度の効果しか得られず、普及は難しくなるでしょう。そこで期待されるのが、キャッシュレスの利便性を大きく高めるような新機能です。

 たとえばメルペイの「あと払い」はチャージの手間がなく、使った分だけ後で払える点が好評といいます。銀行口座の対応や残高の端数を考える必要がなく、メルペイ残高から清算すれば手数料もかかりません。メルペイ側も、手数料収入というよりは利便性向上を狙っているようです。

メルペイのあと払いはチャージの必要がなく、すぐに使える

 楽天ペイは顔認証やモバイルオーダーといった新機能を披露しました。顔認証はQRコード決済の次に来るとの期待も大きく、店舗端末のカメラを見るだけで買い物ができます。これが実店舗に導入されれば、財布はおろか、スマホすら不要になる可能性が出てきました。

楽天ペイの顔認証決済

 モバイルオーダーは、すでにスターバックスなどが独自の仕組みで実現しているもので、楽天ペイではテイクアウトの事前オーダーや、店内のテーブルからスマホで注文と決済をする用途を想定しています。いずれも待ち時間の短縮につながり、客側と店側の両方にメリットがありそうです。

楽天ペイのモバイルオーダー

 まだまだキャッシュレスではポイント還元ばかりが注目されがちですが、スマホを活かした新機能も面白くなっていきそうです。

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