サプライズだらけだったサムスン「Galaxy Note10」発表会を振り返る

文●山根康宏 編集●ASCII編集部

2019年08月10日 10時00分

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サムスン電子の最新スマートフォンGalaxy Note10/Note10+が発表

Galaxyエコシステムを担う存在
それがGalaxy Note10シリーズ

 8月7日(現地時間)ニューヨークで開催されたサムスン電子の新製品発表会「Galaxy Unpacked 2019」では、最新スマートフォン「Galaxy Note10」「Galaxy Note10+」に加え、数日前にアナウンスされたタブレット「Galaxy Tab S6」とスマートウォッチ「Galaxy Watch Active 2」の紹介、さらにはSnapdragon 8cxを搭載するWindowsノートPC「Galaxy Book」が発表された。

発表会会場となったBarclays Center

 これまでの発表会では新しいデバイスが登場する期待感を高める話をたっぷりしてから、サムスンのモバイル事業部CEO、DJ Koh氏が誇らしげに新製品を披露するスタイルが常だった。しかし、今回の発表会は「Galaxyエコシステム」の一環を担う製品として、クリエイティブな機能を高めた新製品がGalaxy Note10であると冒頭で発表。それから各機能の進化点を紹介するスタイルでイベントが進行した。

Galaxy Note10を発表するDJ Koh CEO
発表会が始まると、すぐに紹介されたGalaxy Note10/Note10+

 今回のモデルはGalaxy Noteシリーズ史上初めての2サイズ展開となった。Galaxy Note10は6.3型、Galaxy Note10+は6.8型のディスプレーを採用する。Galaxy Note10+は昨年モデルの「Galaxy Note9」の順当な機能進化モデルなのに対し、Galaxy Note10は小型かつペンが使えるスマートフォンとして若干スペックを下げて投入される。

 ディスプレーはフロントカメラを中央上部に埋め込んだデザイン。Galaxy S10シリーズは右上に埋め込まれていたため、2つのシリーズでフロントデザインは大きく異なる。なお指紋認証センサーもGalaxy Noteシリーズで初めてディスプレー埋め込み型となった。

2サイズ構成になったGalaxy Note10シリーズ
ディスプレー上部にパンチホール式のフロントカメラを搭載

 本体カラーはGalaxy Note10がAura Glow、Aura White、Aura Black、Aura Pink、Aura Redの5色。Galaxy Note10+がAura Glow、Aura White、Aura Black、Aura Blueの4色。ピンク、赤、青はそれぞれのモデル固有の色となっている。

Galaxy note10のカラーバリエーション
Galaxy Note10+のカラーバリエーション

Galaxy Noteシリーズのアイデンティティー
Sペンにジャイロセンサーも搭載

 Galaxy Noteシリーズといえば専用のスタイラスペン「Sペン」が使えることが他のスマートフォンとは大きな違いだ。Galaxy Note10、Note10+ではそのSペンをさらに進化させ、手書きした文字のテキスト化をワンタッチでできるようにした。なお、この機能はGalaxy Tab S6にも搭載されている。対応言語は62ヵ国語で日本語にも対応。内蔵アプリ「Samsung Notes」に手書きした文字をタップするだけでテキストに変換し、さらにWordやPDFファイルへの変換もできる。

手書きで文字を書いた後、ワンタッチでテキスト化できる
Sペンの手書き機能はGalaxy Tab S6でも利用可能

 またGalaxy Note9ではSペンにBluetoothが搭載され、Sペンのボタンを押すとカメラのシャッターが切れるなどのリモコン機能が搭載された。Galaxy Note10/Note10+ではSペンに6軸のジャイロセンサーが追加され、上下、左右、回転の動きでカメラなどをコントロール可能になった。このSペンの動作についてはSDKが公開され、サードパーティーのアプリでもSペン操作に対応させることが可能だ。

Sペンのリモコン機能は「ボタン押し」に加え、Sペンを振る動きに対応
Sペンの上下でカメラの切り替え、回転でズームの倍率変更などができる

 カメラ性能は16メガピクセルのウルトラワイド、12メガピクセルのワイド、12メガピクセルの望遠を搭載。Galaxy Note10+はさらにVGA画質のTOFカメラを追加したことで、ボケ写真だけでなく動画にもボケのエフェクトをかけられる。

Galaxy Note10/Note10+のトリプルカメラ構成。Galaxy Note10+はTOFカメラも備える
動画でもボケを自由にコントロール可能だ

 動画撮影中にズームを利かせると、マイクの指向をカメラの中央に向けることができる。通常の動画撮影時は周りの音を広く拾い、ズーム時は撮影対象の音量を上げることができるというわけだ。たとえばステージ上のピアノ演奏を録画するとき、ズームでピアノをアップしながらピアノの音もより大きな音で録音できる。そして撮影した動画を手軽に編集してシェアしやすいように、使いやすい機能を搭載した動画エディタも搭載される。

動画撮影時はズームに合わせてマイクの指向性も集中させることができる
動画エディタはペンを使い複数の動画クリップを簡単に加工編集できる

 さらにはカメラのAR機能も強化。写真にイラストや文字を手書きして、Galaxy Note10本体を左右に動かすとそのイラストも写真と一緒に動いてくれる。簡易的なARコンテンツを作ることができるのだ。さらにはTOFカメラを使うことで、Galaxy Note10+は3Dスキャナ機能も搭載。ぬいぐるみなどを簡単にスキャンして取り込み、これを写真に貼り付け動かすことができる。

カメラのAR機能も強化。書いたイラストが写真と一緒に動く
3Dスキャンも可能。スキャン後は写真に貼り付けることもできる

スマホとしての性能も前モデルより大幅アップ

 このようにGalaxy Note10/Note10+は、ビジネスやクリエイター向けのツールとしての機能が大幅に高まったが、スマートフォンとしてのスペックも大きく引き上げられている。CPU性能はGalaxy Note9比で33%、GPUは42%性能アップ。本体内部の冷却システムも改善され、ゲーミングスマートフォンとしても高いパフォーマンスを示す。Galaxy Note10+は45Wの急速充電にも対応し、ゲームユーザーのみならずヘビーユーザーの電池切れの悩みを低減してくれる。

CPUの高速化でゲームもラクにプレーできる
急速充電は45Wに対応

 そして次世代技術にももちろん対応。5Gについては5G開始国で販売される。またスマートフォンを常時ネットにつなぐことによるセキュリティー対策としては、サムスンのセキュリティーシステムKnoxがもちろん搭載されている。

5G版も販売される予定。なお、Galaxy Note10の5G版は韓国のみの発売
セキュリティーの懸念に対してはKnoxで対応

Galaxy Watchにも新モデルが!

 Galaxy Note10シリーズの説明が一通り終わった後は、他の製品も簡単に紹介された。Galaxy Watch Active2はベゼルが44mmと40mmの2サイズで登場。デジタルクラウンによりベゼル部分を指先でタッチ&スワイプすることでメニュー操作ができる。

アクティブ系のスマートウォッチ、Galaxy Watch Active2も発表
ベゼルサイズは2種類用意される
デジタルクラウンは指先タッチで操作できる

 Galaxy Watch Active2の価格は279ドル(約2万9483円)から。単体利用可能なLTEバージョンは429ドル(約4万5334円)からとなる。そして、併せてGalaxy Tab S6の価格も発表され、Wi-Fi版が649ドル(約6万8583円)、LTE版が729ドル(約7万7037円)とアナウンスされた。

Galaxy Watch Active2の価格
Galaxy Tab S6の価格

 続いてはGalaxy Note10/Note10+を外部モニターに接続できるDeX機能が説明された。新たにノートPCとの接続が可能になり、USB Type-Cケーブルで接続するだけで、ノートPCのディスプレー内にDeXウィンドウを開くことができ、Galaxy Note10/Note10+の外付けモニターのように使うことが可能になった。さらには、DeXウィンドウとWindows間でのデータの共有もドラッグ&ドロップでできるなど、PC連携機能も強化されている。

Windowsのデスクトップ内にDeXのウィンドウを表示できる
OutlookやOneDriveとの連携も強化

マイクロソフトと協業の
スナドラ搭載ノートPC登場!

 このPC連携についてはマイクロソフトとの協業を高め、OutlookやOneDriveとの連携も強化。Galaxy Note10/Note10+への通知がWindows上に表示可能となるなど、Windowsコンパニオンとしての機能が大幅に高まっている。マイクロソフトとの連携に関しては同社CEOのサティヤ・ナデラ氏がサプライズで登場するなど、両者の蜜月関係の深さを感じさせるものだった。

サプライズで登壇したマイクロソフトCEOのサティヤ・ナデラ氏

 サプライズはサティア氏だけではなく、Snapdragon 8cx搭載の「Galaxy Book S」も発表され、Galaxy Unpackedは最高潮の盛り上がりを見せた。Galaxy Book Sの詳細スペックは発表会では披露されず、9月に発売されることだけがアナウンスされた。

薄型スリムなSnapdragon搭載ノートPC、Galaxy Book S
発売は9月、価格は未定だ

 発表会の最後にGalaxy Note10/Note10+の価格が発表された。Galaxy Note10はLTE版が949ドル(約10万344円)、5G版が1049ドル(約11万853円)。Galaxy Note10+はLTE版が1099ドル(約11万6137円)、5G版が1299ドル(約13万7271円)となる。

 発売は8月23日からだが、予約は発表会の翌日、8月8日から開始され、アメリカではマイクロソフトのオンラインストから予約が開始されるという。

Galaxy Note10シリーズの価格
発売は8月23日、予約は8月8日から

 今回発表された4製品の販売国については追って各国でアナウンスされる予定だ。日本はどの製品が発売されるか、楽しみに待ちたい。

4つの製品が紹介される豪華な発表会だった

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