アップルがSIMフリーiPhoneを量販店で売ることに期待

文●石川温

2019年08月21日 17時00分

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 ビックカメラは8月23日より、SIMフリーのiPadを取り扱うと発表した。取り扱う機種は、iPad Pro 12.9インチ、iPad Pro 11インチ、iPad Air(第3世代)のいずれもWi-Fi+Cellularモデル。取り扱い店舗はビックカメラ有楽町店、ビックロ ビックカメラ新宿東口店の2店舗のみとなる。

 これまで、SIMフリーのiPadは、アップルの直営店かオンラインストアのみでしか買えなかった。今回、家電量販店が取り扱いを始めたことで、ビックカメラであれば、ビックポイントをためられ、しかもたまっているポイントを使っての購入が可能になる。

 さらに、ビックカメラの場合、店頭での決済手段が多く、最近ではQRコード決済に注力している。例えば、KDDIの「au Pay」では、毎月3日、13日、23日を「三太郎の日」としており、最大20%、au WALLETポイントがもらえるキャンペーンが存在する(auスマートパスプレミアム会員の場合)。月間上限が合計5000ポイントという制約はあるが、ビックカメラでau Payを使って、三太郎の日にiPadを購入すれば、相当、お得に買い物ができてしまうというわけだ。

 また、ビックカメラであれば、その場でMVNOのSIMカードも調達するということも可能だ。iPad向けのデータ通信に特化したSIMカードを契約し、キャリア版よりも月々の負担を下げることも不可能ではない。

●アップルはiPadでパソコンと勝負したい

 ちなみに、SIMフリー版は家電量販店だけでなく、Apple Premium Resellerでも取り扱いが始まっている。

 アップルとしては、直営店やオンラインストアだけでなく、家電量販店などにも販路を拡大したいという狙いがあるのだろう。すでにiPadのWi-Fi版は家電量販店でも取り扱いをしているが、Wi-Fi+Cellularモデルであれば、Wi-Fi版よりも単価が高く、売上アップが期待できるのは間違いない。

 ここ最近、iPadはノートパソコンをライバル視している感があり、特に今秋公開の新OSでは、ファイルの扱いが容易になるなど、さらにノートパソコンを狙い撃ちにしている感がある。家電量販店であれば、「Windowsノートパソコンを買いに来た客にiPadと比較してもらう」という同じ土俵に立って勝負ができる。

 一方、家電量販店としても「iPadと共にSIMカードが売れる」というメリットは計り知れないだろう。

 今回、ビックカメラでは、有楽町店と新宿東口店の2店舗のみとなっている。おそらくお試し的に始めているのだろうが、是非とも全国に拡大してほしい。

 アップルの直営店も全国にあるが、数でいえば、ビックカメラの店舗網が圧倒的に多い。地方で、「気軽にお店でiPadを買いたい」という人からすれば、最寄のビックカメラですぐに買えればかなりありがたいだろう。

●SIMフリーiPhoneの取り扱いに期待

 また、個人的に期待しているのが「SIMフリーiPhone」の取り扱いだ。

 この10月以降、キャリアにおける端末割引は規制が強化され、上限額が2万円までとなってしまう。iPhoneは最新モデルであれば、10万円を超えることも多く、正直いって、これまでにみたいにキャリアで気軽に買うのは難しくなってくる。

 これが、もし家電量販店でSIMフリーiPhoneが扱われれば、他の製品を購入した際にたまったポイントを使って、割り引いた状態で購入することもできるし、QRコード決済のキャンペーンなどを駆使して、購入額の一部だけ20%分のポイントをもらうことも現実味を帯びてくる。

 iPhoneを手軽に買えるようにするためにも、アップルにはぜひとも、新製品が発売となる9月には「家電量販店でもSIMフリーiPhone」を実現してもらいたいものだ。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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