UQやauが販売する防水/FeliCa対応のお手頃ミドル機「Galaxy A30」を他社格安SIMで使ったら?

文●正田拓也 編集● ASCII編集部

2019年09月08日 12時00分

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 UQ mobileに加え、auやJ:COMからも販売されているサムスン電子「Galaxy A30」。ミドルクラスのスマートフォンが人気を集めつつある中、そこそこのパフォーマンスに加え、防水やおサイフケータイに対応する数少ない機種だ。しかも、UQ mobileで販売されるGalaxy A30は最初からSIMフリーで提供される。

こちらが筆者が実際に購入したGalaxy A30

5万円以下の全部入り機種は意外に少ない

 ミドルクラスのスマートフォンといえば、ファーウェイ「HUAWEI P30 lite」を筆頭に、ASUS「Zenfone Max」シリーズやモトローラ「moto g7シリーズ」などがあり、どれも評価が高く、グラフィックを多用するゲーム以外では、ストレスなく利用できる性能を持っていて、かなり充実した状況となっている。

 しかし、防水対応やおサイフケータイが必要となると選択肢は減ってしまう。SIMフリーで単体購入できる機種は皆無で、キャリアが販売するモデルではUQ mobileやauなどで販売される「Galaxy A30 SCV43」、ドコモの「Galaxy feel2 SC-02L」「Xperia Ace SO-02Lく」などに限られる。もう少し性能を犠牲にすればシャープ「AQUOS sense 2」が加わる程度。

 そして、これらの機種のうち、最も登場が新しく、しかも未使用中古品も含めてSIMフリーで安価に入手しやすいのがGalaxy A30ということになる。

 問題は対応バンドがauネットワークでの利用が前提になっていること。キャリアが販売するモデルはiPhoneやPixelシリーズなど、ごく一部の例外を除けば自社ネットワーク向けに最適化されている。特にプラチナバンドと呼ばれるバンドではドコモ、au、ソフトバンクのいずれかしか利用できず、他社のネットワークで利用するには相性が悪くなる。Galaxy A30でも、ドコモやソフトバンクのネットワークの格安SIMで使う場合は、エリアが狭くなる可能性がある。

 このことはGalaxy feel2 SC-02L、Xperia Ace SO-02Lがドコモ向けであるため、auネットワークの格安SIMを使う場合は同様のことが言えるのだが、MVNOの格安SIMといえばドコモネットワークのものが主流なのであまり不利にならない。

 ということで、実際にGalaxy A30をドコモやソフトバンクのネットワークで使った場合、実用になるのかどうかを試してみたい。

「エリアが狭いような気がする程度」で使える

 今回入手したのは、筆者がUQ mobileに加入した際に同時購入したGalaxy A30 SCV43。数日に渡って使ってみたが、ドコモ/ソフトバンクのネットワークのSIMを挿してもあまり問題になることはなかったというのが筆者の感想だ。使ったSIMは手持ちの関係でドコモネットワークがドコモ契約のSIMとIIJmio、ソフトバンクネットワークがY!mobileだ。

ドコモ契約のSIMを挿入するとちゃんとウエルカムSMSが届く

 Galaxy A30の対応バンドはauのウェブサイトの表記によると、バンド1/3/18/26の4つ。auネットワークならいずれも使うことができるが、ドコモ/ソフトバンクでは2GHz帯のバンド1、1.7GHz帯のバンド3しか利用できない。ただし、バンド1はどの端末もどのキャリアもほぼ対応しているほか、訪日外国人など海外からローミングで入ってくる端末が使うバンドであることから、どのキャリアも実はかなり充実させているのだ。

 移動していると、ドコモネットワークの場合、たまに電波が弱い穴を感じることがあり、ふと見るとアンテナが1~2本立ち、というシーンもあった程度で、電波が極端に弱いときはデータの流れも少し滞る印象。ただし、少し移動すれば回復した。都心の繁華街ではエリアが不利になったということはなく、電波が弱いのはあまり人が多くない場所で建物の影になった場合や郊外などだ。

ドコモのSIMを挿入した状態。たまにアンテナの本数が少ないことがある。このときは4本中2本しか立っていない。そしてVoLTEの表示もある

 エリアは狭いと感じてもデータは安定して流れてくる。電車で移動中など長時間の動画配信を見ていても、映像が止まったりすることもなく良好に楽しめた。

ドコモネットワークではVoLTEが使える。通話時も「HD」の表示がされる

 一方、ソフトバンクネットワークの場合は、もともとバンド1や3に注力した経緯があるのか、穴はより感じることなく、auネットワークで使っているときと差を感じなかった。プラチナバンドしか入らない場所がなかったのかもしれないが、ドコモに比べると良好な印象だった。

ソフトバンクネットワークでは4本立ちが多かったが、VoLTE表示なし

 もっとも、これは筆者の数日間の行動エリアに限っての話なので、人によっては使い勝手が大きく落ち込む可能性もある。山奥などに行けば状況は変わってくるかもしれないのでそこは留意してほしい。

ソフトバンクネットワーク、ドコモネットワークともに混雑がなければ50Mbpsオーバーの速度も出る

 ちなみにドコモネットワークの場合はVoLTEに対応するため、対応する通話相手ならば「HD」のマークが付く高音質な通話が可能だった。ソフトバンクネットワークではソフトバンクやドコモ、auにかけてみたがいずれも「HD」マークにならなかった。

端末の使い勝手はまずます良好
大画面の有機ELディスプレーが見やすい

 エリア以外のスマートフォンとしての処理能力や速度だが、各所で見られるベンチマークテストの数値では、典型的なミドルクラスの数字になっているが、実際に利用するとテストどおりの印象でないこともある。

 アプリを非常に多く入れて筆者のメイン回線の状態を作ってみると、アプリの切替時には多少のタイムラグを感じるようになった。ASUSのZenFone Max M2でも同様のアプリを大量インストールしてテストをしたことがあるが、同じ4GBメモリーながらどちらかと言えばGalaxy A30のほうが動きが鈍い印象だ。

 その理由はいくつか考えられるが、プロセッサはSnapdragonではなくサムスン独自のExynos7904となっており、Snapdragonとは得手不得手の傾向が異なるのかもしれないし、プリインストールされるアプリの差もあるかもしれない。UQ mobileの場合は常駐アプリは非常に少ない印象だが、純粋なSIMフリー機に比べればバックグラウンドで動くアプリが多い可能性もある。

防水やおサイフケータイだけでなく、Galaxy A30にはストラップホールもあった

 動作速度以外の面では、ディスプレーが6.4型有機ELで2340×1080ドット。サムスンの高級機のGalaxy Sシリーズと違って端の方が湾曲して見えることがないため、全画面で動画を見ても違和感を感じることがなく好印象だ。

 電池は3900mAhと数字だけ見ればそれほど大きなものではないが、有機ELパネルを使っていることもあって省電力なのか、意外に持つという印象だ。

 一方で、見やすい6.4型の大画面は、端末サイズを大きくしているのも確か。このサイズになるとポケットには入りづらく、入ったとしても落ちやすくなり好き嫌いがあると思われる。ただ、なぜかGalaxy A30はストラップホールが復活しており、指にかける短いストラップを使うことで、安定して手持ちすることが可能となっている。

 ほかにも、ダブルレンズカメラは片方が超広角レンズで便利であるとか、ヘッドホンジャックがちゃんと装備されているなどサムスン端末らしく便利なところもある。

ヘッドホン端子もあるので、動画を見るときに非常に便利
カメラはデュアル仕様だが、片方が超広角レンズなので、撮影の幅が広がる

グローバルモデルのGalaxy A30とは別モノ

 ちなみに、Galaxy A30は日本で売っていないグローバルモデルが別に存在する。つまり、海外で売られているGalaxy A30とは別物でサイズも若干異なる。ケースなどのアクセサリーに互換性はないので、海外直輸入で販売してる業者から購入する場合は注意が必要だ。

 どうしても海外通販でケースを購入したい場合は、「A30 SCV43」までキーワードに入れて検索すると日本仕様向けのアクセサリーに出会うこともある。もし、Galaxy A30のグローバルモデルのケースを購入してしまった場合は、硬い素材のものは使えないが、柔らかい素材の場合、ヘッドホンジャックの位置が上下逆で塞がれてしまうことと、ハンズフリーなどで使う上部のマイクも塞がってしまうが、無理すれば使えないことはない。

コスパはかなり高い、“使える”モデル

 性能と3万円台という価格から、非常にコストパフォーマンスが高いモデルだと言えるGalaxy A30。通常はUQ mobileに加入し、そのまま利用するのがおすすめだが、端末だけ欲しいなら多く出回っている良質中古品を購入して別の格安SIMを挿して使うというのも悪くない。保証の充実したお店での購入や、一部格安SIM事業者や販売店が独自に用意する端末保証に加入すればより安心して使えるだろう。

 ドコモネットワーク、ソフトバンクネットワークでの使用感は今回試した感じではまずまずといったところだが、それでも、少しでもサービスエリアの穴をなくしたい場合には、やはりauネットワークを使った格安SIMを選ぶことをおすすめしたい。

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