Xperia 1よりも使いやすい!? 小型で高性能「Xperia 5」の魅力を徹底分析

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII編集部

2019年11月03日 12時00分

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 「Xperia 5」は、ソニーモバイルコミュニケーションズが6月に発売したフラッグシップ「Xperia 1」の下位モデルです。数字はグレードを表し、もっともハイスペックなのがXperia 1で、今秋にauやワイモバイルから発売された「Xperia 8」は、Xperia 5よりもスペックが低く、グローバルではさらにロースペックの「Xperia 10」も発売されています。

 と聞くと、Xperia 5は、Xperia 1とXperia 8の間くらいの仕様、と思ってしまうかもしれませんね。でも実際には、Xperia 5の仕様のほとんどはXperia 1と共通。むしろ、機種名を「Xperia 2」にするべきだったのでは? と思うほどハイスペックな端末です。筆者もそうですが、「Xperia 1よりもXperia 5が欲しい!」と思う人も少なくないでしょう。

 そんなXperia 5をソニーモバイルからお借りして、いち早く使ってみました。筆者が借りたのはソフトバンク版のレッド。ドコモとauからも発売されていますが、基本仕様は共通しています。

大画面と持ちやすさを両立させた、絶妙なサイズ感

 Xperia 5は、Xperia 1と同じく縦横比が21:9の「シネマワイドディスプレイ」を搭載しています。画面サイズは、Xperia 1が約6.5型(3840×1644ドット)なのに対し、Xperia 5は約6.1型(2520×1080ドット)。ひと回り小さくなりました。

約6.1型の有機ELディスプレーを搭載。解像度はXperia 1よりも低いが、充分すぎるほどキレイだ

 Xperia 1を初めて手にした時は「長い!」というのが第一印象でしたが、Xperia 5は「スリム」という印象。本体サイズは約68×158×8.2mmで、縦の長さよりも横幅の細さが際立っています。「横幅を細くした大画面スマホ」といった感じです。

 Xperia 1は片手持ちでは、画面上方に指が届きませんが、Xperia 5は片手でも画面の大部分に指先が届き、通知パネルの引き出すこともできます。片手での操作性を重視する人には魅力的な選択肢となるでしょう。

スリムなので持ちやすく、片手持ちでもほとんどの操作をこなせる

 背面パネルはガラス、側面にはメタルが用いられているとのことですが、それを一体化する塗装が施されています。デザインが評価されることが多いXperiaですが、Xperia 5は従来モデルにも増してキレイに仕上がっているように思います。

背面パネルの美しさは出色。ソフトバンク版はキャリアロゴがなく、グローバル版と同じデザイン
右サイドに音量ボタン、指紋センサー、電源ボタンを搭載
カメラを起動し、シャッターとしても使える専用ボタンも搭載
左サイドにnanoSIMとmicroSDのスロット
底部にUSB Type-Cポート。3.5mm穴のイヤホンジャックは非搭載

超広角も夜景もキレイに撮れる
トリプルカメラ

 背面のトリプルレンズカメラは、上から望遠(52mm/F値2.4)、標準(52mm/F値1.6)、超広角(16mm/F値2.4)という構成。有効画素数はすべて約1220万画素。Xperia 1とはレンズの並び順と搭載位置が異なりますが、スペックは共通しています。

トリプルレンズカメラは、Xperia 1では中央に搭載されているが、Xperia 5では左上に搭載

 手元にXperia 1がなかったので、同じ被写体での撮り比べはできませんでしたが、撮影画質もXperia 1と同等の印象。被写体を認識して、自動で最適な設定をしてくれる「プレミアムおまかせオート」が初期設定でオンになっていますが、そのままで使ってOK! 空が妙に青くなり過ぎたり、緑が濃くなり過ぎたりすることはなく、ナチュラルで、すっきりとした色調で撮れます。ただし「料理」と認識されると、かなり暖色が強くなるので、好みによっては解除したほうがいいかもしれません。

「プレミアムおまかせオート」によって被写体・シーンを自動認識。「逆光&人物」といったシーンと被写体を組み合わせた認識も行われる。また、人物を撮る場合は、瞳でピントを合わせる「瞳AF」が有効になる
人物を撮った作例。肌が明るくきれいに見えるように補正される
花を撮った作例。マクロ撮影が有効になり、背景がぼける
料理を撮影すると、暖色系が補われるようだ
猫を撮った作例。シャッター音が小さめなので、動物が撮りやすそうだ
夜景もきらびやかに撮影できた
レンズに指が被っている場合など、失敗を未然に防ぐためのガイド機能も追加された

 超広角も、いい感じで撮れました。Xperia 1では広角レンズ特有のパース(歪み)が強く出る印象だったのですが、Xperia 5では、気にならなくなっていました。カメラの設定画面を確認したところ、Xperia 1では歪みを補正しない「画質優先」に初期設定されていましたが、Xperia 5では「歪み補正優先」に変更されていました。なので、あえて歪みを補正せずに、遠近感を強調した写真を撮ることもできます。

超広角で撮影
標準で撮影
望遠(光学2倍ズーム)で撮影
超広角で撮影する場合、歪みを補正するか否かを選択できる

 ちなみに、Xperia 1とXperia 5の差分は、センサーにあります。Xperia 1はメモリー積送型のセンサーを搭載しており、960fpsのスーパースローモーションを撮影できます。Xperia 5は一般的な120fpsのスローモーションが撮影可能。どうしても960fpsで撮りたいという人は少ないと思いますが、そういう方は注意してください。

 フロントカメラはF値2.0で、約800万画素。Xperia 1から変更はありません。最近は、高画素のフロントカメラを搭載する機種が増えているので、正直なところ少し物足りない気はします。ですが「ポートレートセルフィー」という機能を使うと、背景をぼかしたり、肌のキメを整えたりできます。iPhoneのフロントカメラよりは使い勝手がいいでしょう。

撮影モードの選択画面。「ポートレートセルフィー」を選択すると、フロントカメラが起動
好みのボケ度合いを設定できる。目を大きくしたり、小顔にしたりといった美顔補正も可能

 Xperia 1に初搭載されて注目された「Cinema Pro」も引き続き搭載。UIを改良し、使いやすくなったと聞いていますが、映画のような作品を撮るには、それなりのセンスやテクニックが要るようで、筆者はまだ使いこなせずにいます。ですが、Xperiaでしか使えない機能なので、ひと味違う映像を撮りたい人は注目すべきでしょう。

プロ用の映画撮影機材の開発チームが監修したという「Cinema Pro」。筆者はうまく使いこなせず……

サイドセンス、ゲームエンハンサーなど
独自機能の使い勝手は?

 21:9のシネマワイドディスプレイは、画面を分割して2つのアプリを同時に利用するマルチウィンドウにも適しています。上に16:9(横)の動画を表示させても、下に16:9(縦)の表示スペースを確保でき、ブラウザやSNS、メールなどを同時に使えます。もちろん、上下のスペースは自在に調整できます。個人的には、マップを表示させつつ、ウェブで調べたいことがある時に便利だと感じました。

縦長のディスプレーを生かせるマルチウィンドウ
2つのアプリを同時に起動することもできる

 そのマルチウィンドウを起動する時に使いたいのが「サイドセンス」という独自機能。ディスプレーの左右端をタップしたり、スワイプしたりして、片手でさまざまな操作をできる機能なのですが、結構コツがいります。

 サイドといっても、端末の真横では認識せず、かといって、画面の内側でも認識してくれなかったり……。操作の練習ができるメニューが用意されているので、使い始める前に練習することをおすすめします。

サイドセンスは、使い方を習得すれば、片手での操作がより快適になりそうな印象
サイドセンスを練習できるフローが用意されている。筆者はこれでコツをつかめた

 ゲームを楽しみたい人向けの「ゲームエンハンサー」という機能も強化されています。プレー中の電話の通知をオフにしたり、高速連写でスクリーンショットが撮れたり、ゲームを解説するためのボイスチェンジャーが追加されたり……。筆者はゲーマーではないので、深くは使い込んでいませんが、ゲームの攻略法などをSNSや動画で共有したい人には便利そうです。

ゲームエンハンサーのメニュー

 Xperia 5には最近流行のノッチ(切り欠き)がなく、横向きで持つ場合は、左右に黒い部分ができます。そこに指を当てても画面が隠れず、ゲームに適しているように感じました。ステレオスピーカーと、独自の「ダイナミックバイブレーションシステム」によって、臨場感もアップする印象。内蔵スピーカーの音質も、他メーカー製の一般的なスマホよりも良いと思います。

音設定のメニュー。音を立体的にす流「Dolby Atmos」に対応。音声に連動して振動させる「ダイナミックバイブレーション」も搭載
ダイナミックバイブレーションの強さは3段階から選べる

 新しい機能ではありませんが、Xperiaは画面に表示される文字フォントを選べるのも魅力。5つのフォントから選べて、フォントによって使っている時の気分も変わります。フォントを変更できなかったり、有料だったりという機種もあるので、Xperiaならではのメリットとして挙げておきたいと思います。

5種類のフォントをプリインストール
「万葉行書」というフォントに変更してみた

純正のフリップカバーも使った

 ソニーモバイルから端末を借りた際、純正のケースも一緒に送られてきました。「Xperia 5 Style Cover View」(税抜5680円)というケースを装着して使ってみましたが、フリップカバーで覆っていても時刻や通知が見えて、使い勝手が良かったです。

Xperia 5 Style Cover Viewを装着し、フリップカバーを開いた状態
カバーを閉じていても、現在時刻などが見える
背面はマット系で指紋が付かない
ケースを取り付けるだけで、設定できるのも便利

【まとめ】価格はそれなりだが、満足感は高いスマホ

 Xperia 5は、上位モデルのXperia 1と同等のパフォーマンスが得られ、カメラの性能もほぼ同じで、なおかつ持ちやすく、使い勝手ではXperia 1に勝るとも劣りません。この端末を嫌う人は少ないだろうなぁという仕上がりですが、ひとつだけ気になることが……。

 それは価格です。3キャリアの一括価格(税込)は、ドコモが8万7912円、auが9万720円、ソフトバンクが11万6160円。それなりの価格ですが、特にソフトバンク版は高い価格設定になっているので、48回払いで、25回目以降が免除される「トクするサポート」での購入を検討すべきでしょう。

「Xperia 5」の主なスペック
メーカー ソニーモバイル
ディスプレー 6.1型有機EL(21:9)
画面解像度 1080×2520ドット
サイズ 約68×158×8.2mm
重量 約164g
CPU Snapdragon 855
2.8GHz+2.4GHz
+1.7GHz(オクタコア)
内蔵メモリー 6GB
内蔵ストレージ 64GB
外部ストレージ microSDXC(最大512GB)
OS Android 9
VoLTE ○(HD+)
無線LAN IEEE802.11ac(2.4/5GHz対応)
カメラ アウト:約1220万画素(F値1.6)
+約1220万画素(超広角、F値2.4)
+約1220万画素(望遠、F値2.4)
/イン:約800万画素(F値2.0)
バッテリー容量 3000mAh
FeliCa/NFC ○/○
ワンセグ/フルセグ ○/○
防水/防塵 ○/○
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
Qi ×
カラバリ ブラック、グレー、ブルー、レッド

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