小さくて高性能! 「Xperia 5」はハイエンドコンパクトの未来を示している

文●中山 智 編集●ASCII

2019年11月09日 12時00分

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 ソニーモバイルから発売された「Xperia 1」は、背面にトリプルカメラやアスペクト比21:9の有機ELディスプレーを搭載するなど、ハイエンドモデルらしさとオリジナリティーが合わさったソニーモバイルらしいスマートフォンに仕上がっている。

 今回取り上げる「Xperia 5」は、ソニーモバイルらしい個性はそのままに、使いやすいサイズで登場したニューモデルだ。

コンパクトなハイエンドモデル「Xperia 5」

実用的なサイズと機能の使いやすさ

 Xperia 5の本体サイズは約68×158×8.2mm。ディスプレーは6.1型と6型オーバーながら、横幅は70mmを切っており、非常にグリップしやすいサイズ。片手操作時でも親指の届く範囲が広い。ただし、アスペクト比が21:9なので、ディスプレー上部は片手では届きにくい。ただ、ホームボタンのダブルタップで縮小表示できる機能を搭載しているので、使いにくさは感じない。

横幅は70mm以下でグリップしやすい

 ちなみにXperiaシリーズの過去のモデルでコンパクトサイズとして登場した「Xperia XZ1 Compact」は横幅が約65mmなので、Xperia 5のほうが若干大きい。ただし重量は164gで、Xperia XZ1 Compactと比べると4gも軽い。そのため実際に手に持ってみると、思った以上に軽く、長時間操作していても苦にならない。

 本体背面の素材はXperia 1と同じくガラス素材を使用して高級感がある。カメラレンズが3つ並ぶのはXperia 1と同じだが、Xperia 5は背面の左上の配置となっている。また指紋認証センサーも背面ではなく側面にある。

本体背面はガラス素材を採用
ノッチなしのデザイン
ディスプレー下部のベゼルも狭い

 本体右側面には指紋認証センサーのほか、電源や音量調整、シャッターといったボタンを配置。それぞれのボタン位置が近いため、スマホ用三脚など本体を挟むホルダーなどは装着する際に電源ボタンなどを押してしまうケースがある。

本体右側面にはボタン類が配置されている

 ディスプレーは有機ELパネルで解像度は1080×2520ドット。4Kではないが、HDR規格、BT.2020の色域、10bit信号に対応した「クリエイターモード」を搭載。Netflixなどの動画コンテンツを楽しむのにピッタリのディスプレーとなっている。

 また、21:9のアスペクト比を活用した「21:9マルチウィンドウ」を搭載。分割して表示しても21:9のディスプレーのため、それぞれのウィンドウに十分な表示領域があり、情報量も多く操作にも差し支えがないので実用的だ。「21:9マルチウィンドウ」を利用するときは、分割した画面それぞれにアプリを割り当てて起動できるほか、あらかじめどのアプリを配置して起動するかを設定したアイコンもカスタマイズでき、気軽に利用できる。

分割表示するアプリが選択できる「21:9マルチウィンドウ」
「21:9マルチウィンドウ」で上部にYouTubeアプリ、下部にウェブブラウザーを表示した状態

トリプルカメラでプロ並みの撮影も可能

 カメラは本体背面がトリプルレンズ仕様で、組み合わせは下記。

  • 標準:約1220万画素/26mm/F1.6
  • 超広角:約1220万画素/16mm/F2.4
  • 望遠:約1220万画素/52mm/F2.4

 いずれのカメラも画素数が約1220万画素と高いのがポイント。一般的に複眼カメラ仕様のスマートフォンは、標準は高画素数だが超広角や望遠はそれに劣る場合が多いので、Xperia 5の大きなアドバンテージといえる。

トリプルレンズのカメラで画角を切り替えて撮影できる
カメラアプリのインターフェースには従来モデルからほぼ変更点はなし

 このカメラの仕様はXperia 1とほぼ同じ。ただし960fpsでのスーパースローモーションの動画撮影に非対応となっている(120fpsは可能)。一方で、Xperia 1から改良されているポイントもあり、そのひとつが「撮影アドバイス機能」。たとえば撮影時に指が映り込んでしまっている場合にはポップアップで通知してくれるため、ミスショットを防げるようになっている。

ミスショットを防いでくれる「撮影アドバイス機能」を搭載

 そのほか映画のようなプロ向けの撮影が可能な「Cinema Pro」もアップデートが施されており、プロジェクト名に任意の名前がつけられるほか、音声の入力レベルも調整できるようになり、より環境に合わせた撮影が可能になった。

「Cinema Pro」では音声レベルが調整できるなど、細かなアップデートがなされている

 以下はXperia 5で撮影した作例。基本的にはオートかつ手持ちで撮影している。Xperia 5は設計思想として「レンズ交換式カメラ」をモチーフとしており、ほかの複眼スマートフォンのように、全部のカメラを合成して1枚の写真として書き出すという感じは弱い。それでも実際に見たままの自然な発色には好感が持てる。

標準(26mm)で撮影
超広角(16mm)で撮影
望遠(52mm)で撮影
接写してマクロで撮影。細かいところまでしっかりと描画できている
屋内でのフード撮影では、室内灯の暖色に引っ張られないようホワイトバランスが調整されているようだ
夜景では若干ビルの窓明かりなど潰れているところもあるが、手持ちでも十分きれいに撮影できている
インカメラは約800万画素/F2.0というスペック

プロセッサーはハイエンドで
3Dゲームなどにも最適

 搭載しているプロセッサーはSnapdragon 855とハイエンドモデルを採用。メモリーは6GBで内蔵ストレージは64GB。最近のハイエンドモデルとしては内蔵ストレージがやや物足りないが、microSDが装着できるのでカバーできる。使用したモデルがテスト機のため、ベンチマークテストは「Geekbench 5」しか使用できなかったが、スコアはほかのメーカーのSnapdragon 855モデルと同等だった。

「Geekbench 5」のスコア

 バッテリーは3000mAhで、ワイヤレス充電には非対応。SIMはシングル仕様で、スロットはピンなどを使わずに引き出せるトレー式。microSDも同じトレーにセットする。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応しており、最新規格のWi-Fi 6(11ax)には非対応。他社モデルでもWi-Fi6対応モデルはまだ少ないため、ここは次モデル以降に期待したいポイントだ。

SIMのサイズはナノでmicroSDと同じトレーに装着する
USBはType-Cでイヤホンジャックは非搭載

 本体側面をタップしてメニューを呼び出したり、アプリを操作できる「サイドセンス」も引き続き搭載している。気になる点としては、長年Xperiaシリーズで親しまれてきた日本語入力アプリの「POBox Plus」が非搭載となったこと。日本語入力はGoogleの「Gboard」を使用。POBox Plusに慣れ親しんだユーザーには残念だ。

本体左右の縁を使って操作する「サイドセンス」も引き続き搭載
標準の日本語入力アプリは「Gboard」になった
設定からも「POBox Plus」には変更できない

 Xperia 5は3キャリアから発売されており、価格はドコモが8万7912円、auが9万720円、ソフトバンクが11万6160円となっている。Xperia 1とほぼ変わらない価格だが、スペックもサイズ以外はほとんど変わらないため妥当なところ。コンパクトだけどハイエンドが欲しいというユーザーにはピッタリのモデルだ。

「Xperia 5」の主なスペック
メーカー ソニーモバイル
ディスプレー 6.1型有機EL(21:9)
画面解像度 1080×2520ドット
サイズ 約68×158×8.2mm
重量 約164g
CPU Snapdragon 855
2.8GHz+2.4GHz
+1.7GHz(オクタコア)
内蔵メモリー 6GB
内蔵ストレージ 64GB
外部ストレージ microSDXC(最大512GB)
OS Android 9
VoLTE ○(HD+)
無線LAN IEEE802.11ac(2.4/5GHz対応)
カメラ アウト:約1220万画素(F値1.6)
+約1220万画素(超広角、F値2.4)
+約1220万画素(望遠、F値2.4)
/イン:約800万画素(F値2.0)
バッテリー容量 3000mAh
FeliCa/NFC ○/○
ワンセグ/フルセグ ○/○
防水/防塵 ○/○
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
Qi ×
カラバリ ブラック、グレー、ブルー、レッド

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筆者紹介:中山 智

 海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。


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