中国がキャッシュレスで旅行しやすくなった

文●山口健太

2019年11月14日 09時00分

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 中国のスマホ決済「アリペイ」を、旅行者が容易に使える仕組みが整備されました。これまで筆者はアリペイを使うためにいろいろと苦心してきましたが、これで気楽に中国を訪問できるようになりそうです。

■中国を旅するならQRコード決済が必須アイテムに

 中国ではQRコード決済としてアリペイやWeChat Payが普及しています。10月に上海を訪れた際には現金の手持ちがほとんどなかったものの、アリペイに対応した自動販売機ですぐにドリンクを買えました。

「Wi-Fiルーター」の自販機。アリペイがあればすぐに借りられるとか

 上海の地下鉄にはNFCを利用した「交通カード」が導入されています。しかしチャージ用の端末は現金に対応していないため、スマホ決済や銀聯カードが使えない人は有人の窓口に並ぶしかないのです。

地下鉄やリニアモーターカーには「交通カード」で乗れる

 いまでも現金を使う人は残っており、現金だけで旅行できないわけではありません。ただ、なにかと窓口に並ぶ必要があるなど、時間がかかるため効率良く動けないのが難点です。

有名な小籠包のお店「佳家湯包」もアリペイに対応
マクドナルドのオーダー端末はQRコード決済や銀聯カードの「QuickPass」に対応
RFIDを利用した冷蔵庫型の自販機「金姜便利」。こちらはユーザー登録が必要だった

■旅行者向けの「ツアーパス」が登場

 アリペイを本格的に使うには、中国の銀行口座と紐付ける「実名認証」を求められます。しかし中国の銀行で外国人が口座を作るのは難しくなっています。

筆者も銀行口座の開設にチャレンジしたが、丁重に断られた

 これまで筆者はチャージ業者に高い手数料を払ってアリペイにチャージしていましたが、ついにアリババが旅行者向けの仕組みとして「ツアーパス(Tour Pass)」の提供を開始しました。

 ツアーパスを利用すると、パスポート情報を登録することで日本の一般的なクレジットカードから簡単にチャージできます。アリペイのアプリ内に専用のデビットカードが追加され、支払時に切り替える方式になっていました。

手持ちの残高(左)とは別に、ツアーパスの残高(中)が増えた。支払時に切り替える(右)

 以前からある制限として、日本のコンビニなど中国以外でアリペイを使うには実名認証を求められます。以前、那覇のゆいレールがアリペイに対応したときに失敗したように、外国人が中国の外でアリペイを使うことは想定していないようです。

 ただ、実名認証がなくても短期間の旅行であれば十分に使えます。アリババが展開するスーパーとして注目される「盒馬鮮生(フーマー)」でも会員用アプリと紐付けることで買い物ができました。

アリババの最新スーパー「盒馬鮮生(フーマー)」でも買い物ができた

 ライバルのWeChat Payについても、海外のクレジットカードに対応することが発表されています。中国では徐々に「顔認証」の導入が進んでいるなど、さらにハードルの高い仕組みも出てきていますが、まずは中国を旅行しやすくなるツアーパスの登場を歓迎したいところです。

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