クイックジェスチャーが楽しい!「Google Nest Hub Max」カメラ付きスマートディスプレー

文●山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

2019年12月03日 12時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10インチのHDディスプレーやカメラを搭載したスマートディスプレー「Google Nest Hub Max」

 グーグルが独自のGoogleアシスタントを搭載する、10インチのスマートディスプレー「Google Nest Hub Max」を発売した。内蔵カメラによってできることや、先行発売されている7インチの「Google Nest Hub」との違いを解説しよう。

音質がグレードアップした「Google Nest Mini」

 さらに安価なコンパクトタイプのスマートスピーカーも「Google Nest Mini」として、音質をアップグレードしてリニューアルを遂げた。こちらも前機種の「Google Home Mini」と聴き比べてみた。

大画面化したGoogle Nest Hub Max。カメラを使った新機能Face Matchとは

 Google Nest Hub Maxは、解像度1280×800ピクセルの10インチHDタッチディスプレーを搭載する、スマートディスプレーだ。筐体の中には3インチのウーファーを1基、18mmのトゥイーターを2基搭載し、総合出力10Wのアンプで力強く駆動するサウンドシステムを内蔵する。インターネットに接続すると、Googleアシスタントに今日の天気やニュースを教えてもらえるだけでなく、映像・音楽系のコンテンツストリーミングが単体で楽しめるスマートデバイスだ。

Googleアシスタントに質問すると、音声と視覚情報で答えを返してくれるところがスマートディスプレーの魅力だ

 ここまでは7インチのGoogle Nest Hubでも、同じことができる。大きなディスプレーのNest Hub Maxには、さらに6.5メガピクセルのフロントカメラが内蔵さた。ユーザーの顔を認識した後に、ユーザーのGoogleアカウントにひもづいた情報をディスプレーに表示する「Face Match機能」と、手のひらによるクイックジェスチャー操作など、Nest Hub Maxならではの使い方が増えた。

スマートディスプレーのセットアップはスマホのGoogle Homeアプリを使って行う

顔認識のスピードは速いがセキュリティー面で不安が残る

 本体のセットアップは従来のGoogle Home製品と同様に、スマートフォンやタブレットに入れたGoogle Homeアプリ経由で実施する。従来と異なる点は、途中にユーザーの顔情報を登録するFace Matchのステップが加わったことだ。こちらはスマホのインカメラを使って、Google Homeアプリにユーザーの顔情報を登録する。頭を左右に1回ずつスイングさせるだけで、あっけないほど素速く顔情報が読み取られる。

初期セットアップの際にFace Match機能を使うための顔登録を行う。顔を左右に1度ずつスイングするだけであっという間に登録が完了する。Nest Hub Maxがカメラを使ってできることもセットアップの際に紹介される

 顔認識のスピード感には驚いた。内蔵カメラは127度のワイドアングルをカバーしているので、縦横に、かなり鋭角になるアングルからNest Hub Maxに近づいても、ユーザーの顔を素速く認識する。ユーザーが認識されると、画面右上にユーザーのプロフィール画像のアイコンがポップアップする。筆者宅で試したところ、正面方向には3m近く離れた場所からでもFace Matchが働いた。ただし、操作結果については使用環境や部屋の明るさなどにも、影響される部分がありそうだ。

顔情報を登録したユーザーが近づくと、Nest Hub Maxのカメラが認識。登録されたユーザーのグーグルアカウントにひもづいた情報を表示してくれる

 筆者以外にも家人の顔情報を登録してみると、それぞれの顔を認識して、Googleカレンダーに登録されたスケジュールやリマインダーを正しく出し分けてくれる。

アイマスクを装着して再度Nest Hub Maxににじり寄る。するとFace Matchは反応しなかった。画面右画にユーザーを認識した際のアイコン画像が表示されていないことがわかるだろうか
iPadに筆者の顔写真を表示して近づくとFace Matchが反応した。なお、このときは家人にiPadを持ってもらい、筆者はアイマスクと口元用のマスクを装着して、ガチガチに変装した状態でMaxに近づいて写真を撮っている

 Nest Hub Maxに意地悪をして、顔をアイマスクで覆ってから近づいたところ、筆者宅の環境ではFace Matchが正しく働かなかった。口元を覆うタイプのマスクも同様だ。反対にiPadやiPhoneのディスプレーに筆者の顔写真を表示して、家人にカメラの前に立ってもらうと、この場合は筆者の情報を表示してしまった。Face Matchについては、まだ少し改善の余地がありそうだ。

Google Duoアプリを使ってスマホからIP電話を自宅のNest Hub Maxにかけることもできる。右上の小窓表示がNest Hub Max側のカメラが捉えている映像。話者が常に上下センタリング表示されるオートフレーミング機能を搭載している

ビデオ通話やハンドジェスチャー操作にも対応

 Nest Hub Maxが内蔵するカメラは、Face Match以外にもGoogle Duoアプリによる「IPビデオ通話」に活用できる。ビデオ通話の際には、カメラがユーザーの顔の位置を広角レンズが写し込める範囲内でトラッキングしながら、フレームの上下センターの位置にユーザーの顔が表示されるように、フレーミングを自動調整してくれる機能もある。

フレームの上部に6.5MPの広角レンズ搭載カメラを内蔵。背面の物理スイッチでカメラとマイクのオン・オフが一斉に切り換えられる

 今回は試せていないが、外出先からGoogle Homeアプリを使って自宅のNest Hub Maxのカメラにアクセスして、留守宅を見守る機能も使える。ペットの様子を確認する用途などに、活躍しそうだ。ただ、在宅中には家族どうしでもカメラで生活をのぞき見られたくないものだ。カメラが起動を始めると、レンズの隣に搭載されているLEDインジケータが緑色に光る。そもそもNest Hub Maxの本体背面にあるハードウェアスイッチで、マイクとカメラをオフにすれば、外部からカメラを起動できないので安心だ。

画面に向かって手をかざすと、音楽・動画再生の再生・一時停止のコントロールなどができるクイックジェスチャーにも対応した

 もうひとつ、カメラが内蔵されたことでNest Hub Maxが、便利に感じられる機能がある。ディスプレーに触れなくても、手のひらによる「クイックジェスチャー」で、一部の機能が操作ができるようになったのだ。現在は、音楽サービスやYouTubeなどコンテンツの再生と一時停止、アラームやタイマーの停止などシンプルな操作に限られているが、音声操作よりも段階を踏まずにスピーディーな操作ができる。

クックパッドのレシピを選択する操作なども、クイックジェスチャーでできれば最高だ

 キッチンで作業中に、濡れた手でディスプレーを触らなくて済むのがいい。ボイス、画面タッチに続く第3の操作手段として、クイックジェスチャーはぜひ7インチのNest Hubにも載せてほしい便利な機能だと思う。

 日本では2020年春に導入が予定されている、Pixel 4シリーズのジェスチャー操作機能「Motion Sense」は、使われている仕組みは違うものの、Nest Hub Maxによって操作感はなんとなくイメージできたので、楽しみになってきた。もっとクイックジェスチャーからできる操作は増えてほしい。

 ただリモコンの操作方法を覚えるのが苦手な筆者も、マスターできる範囲の中で「これは便利!」と実感できるバランス感覚も意識しながら進化を続けてもらいたい。

Spotifyの音楽をNest Hub Maxで再生。7インチのGoogle Nest Hubと聴き比べてみた

Nest Hubシリーズを比較試聴 低音再生が高品位な「Max」

 Nest Hub Maxによる音楽・動画再生は7インチのNest Hubよりも明らかにリッチになった。Spotifyを再生してみると、ウッドベースのふくよかさやバスドラムスの重心が低くスピード感の豊かな低音が体の芯まで響いてくるようだ。アップテンポなダンスミュージックを再生しながら聴き比べてみると、低音がより立体的になっていて、音楽のグルーヴに熱量が増している。

Nest Hub Max(左)とNest Hub(右)。正面からみてもかなりサイズ感は違う。Maxはディスプレーが大きいことを活かして、長時間の映画やドラマなど動画をのんびりと見られるところがいい

 Nest Hub Maxはとても艶っぽくて質の高い低音を再生できる、スマートスピーカーだ。7インチのNest Hubは、本体にフルレンジスピーカーを1基のみ搭載しているが、Nest Hub Maxは2ウェイ・3スピーカー構成としたことで、高・中・低域のセパレーションが明瞭度を増して、スケールの大きな音楽を楽しませてくれる。

薄型の筐体に搭載するスピーカーシステムの規模感がNest Hub Maxはかなりスケールアップしている

 続いてNetflixの動画を、スマホからキャストして視聴してみた。ここでもまた、Nest Hub Maxの音が段違いに良くなったことがよくわかった。セリフ=ダイアローグの定位が鮮明になって、聴きやすいのだ。アクション映画は効果音の力感が、一段とアップしている。

 そしてNest Hubシリーズは、どちらの機種もまるで画面から音が出ているように感じ、音の臨場感が楽しめる。スピーカーのサウンドチューニングが丁寧に練られていると感じた。

 Nest Hub Maxは画面が10インチにサイズアップしているので、1時間を超える海外ドラマや映画を丸々見ても目が疲れなかった。パーソナルルームで映画を楽しむ用途ならNext Hub Maxが十分に活躍してくれそうだ。

 現在のモデルは電源アダプターの接続が必要なので、将来は一人暮らしのユーザーを想定して、本体に内蔵するバッテリーで駆動し2時間程度の映画を観ることができる「Nest Hub Portable」のような可搬式のスマートディスプレーがラインナップに加われば、ヒットすると思う。

 YouTubeの再生がサクサクと楽しめるところも、グーグルのスマートディスプレーであるNest Hubシリーズの魅力だ。音声検索である程度絞り込んだ動画コンテンツを、先ほどのジェスチャー操作で選択決定できる機能が追加されてほしい。キッチンで動画を見るときに、とても実用的だと思うからだ。同様にクックパッドのレシピを、クイックジェスチャーで選べたらとても便利に使えそうだ。

Google Nest Mini(右)とGoogle Home Mini(左)。外観はほぼ同じだが、音楽再生のパフォーマンスが向上している

音質を大きく改善したGoogle Nest Mini

 Google Nest Miniは、国内では2017年に発売されたGoogle Home Miniの後継機種だ。6050円という手頃な価格で音楽コンテンツのストリーミング再生や、スマート家電の音声による操作などGoogleアシスタントを内蔵するスマートスピーカーの醍醐味が味わえる入門機として、ロングヒットを受け継ぐモデルになりそうだ。

本体底面に壁掛け設置するためのフック穴が付いた

 外観は先代のHome Miniを、ほぼそのまま踏襲している。カラバリは青系の「Aqua」が、新しくイタリアのコモ湖をイメージしたという「Sky」に入れ替わっている。また本体底面には壁掛け設置ができるように、フック穴が付いた。

 本体の天面はファブリック調。ペットボトルを再利用した、再生プラスチックを100%利用している。ボトム側も35%の再生プラスチックを使ったエコなマテリアルだ。

左右の外側に新設されたLEDインジケーターが、音量のアップダウンを操作するためにタップする箇所を知らせてくれる

 音声コマンドを受付けたときに光る天面のLEDインジケーター以外にも、その左右にLEDランプが1基ずつ追加されている。これは本体の左右をタップして音量のアップダウン操作を行う時に、操作の結果をよりわかりやすく視覚化するためのものだ。とても便利でいいと思う。

 本体には超音波センサーが内蔵されていて、音楽再生中にNest Miniに手を近づけるとLEDライトが点灯して音量コントロールの操作位置を知らせてくれる。

Google Homeアプリのように「1%単位」で小刻みな音量調節ができなくても、本体をタップして5%刻みぐらいで音量が変えられるようになればなお便利だ

 本体のタップ操作による音量調整が10段階でざっくりとしているところがやや不便だ。これはNest Hubシリーズのボタン操作も同様である。音声操作やGoogle Homeアプリからだと「31%」など微妙なさじ加減にコントロールができるので、物理ボタンやタッチ操作による音量操作のステップを、せめて5%ずつに細かく切り分ければもっと使いやすくなるだろう。

 Home Miniのころから、音声コマンドに対する反応はとても鋭くて感心しながら使っていたが、Nest Miniは本体に内蔵するマイクが2基から3基に増えた。音声コマンドの認識精度がさらにアップしていると思う。

Miniシリーズも聴き比べてみた

 40mm口径のスピーカーユニットを採用した点は、新旧Miniシリーズの間で共通だ。DSPなどソフトウェア処理の調整によって、低音再生の強化が図られているのだろう。実際に新旧モデルを聴き比べてみると、力強さがまたスケールアップしていた。

 従来のHome Miniのクリアでキレのある中高域に加えて、厚みのある低音が全体のバランスをタイトに引き締めている。アスリートの身のこなしのように、躍動感あふれる音楽再生だ。ウッドベースは骨太で鳴りっぷりが、見事。クラシックピアノのしなやかな指先の動きが、リアルにイメージできる。ボーカルは、高域のサ行の発声が刺さるような聴きづらさがなくなった。

 夜中の音楽リスニングの際に、低音再生が響きすぎると困るという方は、Google Homeアプリのイコライザー機能を使って、低音のバランスをマイナス方向に少しシフトさせると良いだろう。Google Nestシリーズの良き入門機として、また人気が出るのではないだろうか。

スマートディスプレーと連携するサードパーティ製品にも期待

 筆者は日ごろからGoogle Nestシリーズを使っていて、AIアシスタントの音声操作に対する反応がとても機敏で、宅内に設置したスマート・IoT家電も直感的に操作ができる完成度の高さを実感している。

 スマートディスプレーのラインナップも出そろってきたので、そろそろオーディオ・ビジュアル機器や洗濯機、冷蔵庫など生活家電を音声と画面タップ、ジェスチャー操作を使って巧みにコントロールできる時代に突入していくのだろうか。来年はNest Hubシリーズとより深く連携する、スマート家電の登場にも期待したい。


mobileASCII.jp TOPページへ