2020年スマホ予想 最速7.5Gbps、カメラは2億画素へ

文●石川温 編集● ASCII

2019年12月06日 09時00分

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 クアルコムが新製品「Snapdragon 865」を発表した。

 例年、このタイミングにクアルコムが新しいSnapdragonを発表。翌年、2月下旬にスペイン・バルセロナで開催される世界的な通信見本市「MWC」において、スマホメーカーが新しいSnapdragonを搭載した、その年のフラグシップスマホを発表するというのがスマホ業界の習わしになっている。

 つまり、Snapdragon 865のスペックを見ると、2020年のスマホのトレンドが見えてくるというわけだ。果たして、2020年はどんなスマホが出てくるのか。早速「2020年のフラグシップスマホ」を予想してみよう。

●5G対応で下り最大7.5Gbps

 まず、注目はなんといっても5G対応だ。

 Snapdragon 865では、別に第2世代のSnapdragon X55 Modem-RF Sysytemを搭載することで下り最大通信速度7.5Gbpsを実現する。4G LTEでは1Gbps超がやっとであったが、スマホで7.5Gbpsとは驚きだ。ただ、キャリアによって所有する周波数の幅は異なるので、必ずしも7.5Gbpsになるものではない。

 ちなみにWi-FiはWi-Fi 6に対応する。

 カメラに関しては、200メガピクセルの撮影が可能だ。

 ここ最近のスマホでは、シャオミのMi Note10が108メガピクセルというスペックであったが、その2倍近い解像度での撮影が可能になるというわけだ。

 ただ、この数年、スマホのカメラは解像度の高さよりも複数のカメラを搭載するというのがトレンドとなっている。

 Snapdragon 865では4つのカメラが搭載されようとへちゃらなスペックで、ズームをする際、超広角、広角、望遠のカメラを行き来しても、従来に比べて圧倒的になめらかにズームができるようになるという。

 動画では、8K撮影が可能となる。また、4K映像を撮影しながら、同時に64メガの静止画を撮影できる。さらにスマホで初めてDolby Visionの撮影も可能だ。

●オフラインでもスマホのAIが翻訳

 AIに関しては、チップでのニューラルネットワークの処理がさらに進化する。

 Snapdragon 865ではスマホが周辺の音を常に聴き続けたり、カメラを起動し続けても、かなり省電力な設計となっている。このため、ユーザーの声がしたらすぐに反応したり、顔認証を素早く反応させられるようになる。

 これまでは「OK、グーグル」のように、AIアシスタントを起こす掛け声のようなものが必要であったが、スマホが持ち主の声を知っているので、そうした掛け声が不要でAIアシスタントに直接話しかけて、対応してもらえる。

 また、スマホに英語に話しかけると、スマホのオンデバイスAIが外国語に翻訳してくれるということもできる。クラウドではなく、スマホのデバイス自体が翻訳をしてくれるため、例えば、海外に電話をした際にもスマホが通訳して、相手の言語で話してくれるということも不可能ではなくなる。

 Snapdragon 865が進化したことで、すべての音声やテキストをクラウドに上げることなく、デバイス上で音声をテキスト化したり、その後、通訳するということができてしまうのだ。

 デバイスで処理するので、データをクラウドにいちいち上げないので、反応が素早くなるというメリットもある。

 こうした「オンデバイスAI」はグーグルが今年のGoogle I/Oでも発表しているが、今後、Snapdragon 865との組み合わせでさらに便利になりそうだ。

●iPhoneも「最速7.5Gbps」か

 ゲーム関連に関しても、True 10-bit HDRによってさらに色鮮やかになり、Desktop forword renderingにより、光や影の表現力がますようになる。ディスプレイも144Hzまで対応するなど、eスポーツで少しでもいいスペックで戦いたいという人には申し分のない仕様に仕上がっている。

 Snapdragon 865が登場したことで、各スマートフォンメーカーは、自分たちの個性を盛り込んで、2020年にフラグシップモデルを発表、発売する予定だ。

 すでに中国のシャオミやOPPOがSnapdragon 865の採用を正式にアナウンスしている。当然のことながら、サムスン電子やLGエレクトロニクス、ソニー、シャープあたりも準備していることだろう。

 

 今年、しばらくの間、訴訟合戦を繰り広げていたクアルコムとアップルが和解。2020年秋のiPhoneでは、クアルコムが5G対応モデムをアップルに供給することで「5G対応iPhone」が登場すると見られている。仮にSnapdragon X55 Modem-RF Sysytemと同等の仕様であれば、最高通信速度7.5GbpsのiPhoneが出てくる可能性もある。

 日本では2020年春から5Gがスタートする。世界に1年近く遅れての開始だけに、いまから5G対応スマホの登場が待ち遠しくて仕方ない。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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