松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル好業績でもティム・クックCEOが減給のワケ (1/4)

文●松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

2020年01月09日 09時00分

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 新年初めての原稿になります。本年もアップルを中心に何卒よろしくお願い致します。今回は、少し俯瞰した話をしていきたいと思います。

●2020年も激動とリスクの1年に

 テクノロジーの世界では、CESで繰り出される驚きの技術とアイデアの宝庫に沸いています。ソニーが自動車を登場させ、自動車メーカーのトヨタは静岡にスマートシティを作ると宣言。明らかに大きな変化がもたらされることをあらわしています。

 しかし世間では中東情勢の悪化に懸念が集まります。

 イランの英雄とも言われるソレマイニ司令官がイラク・バグダッドで米国によって爆殺され、イランをはじめとするアラブ諸国の米国への憎悪が高まっています。作戦を承認したとされるトランプ大統領は、2020年の大統領選挙で成果を積み上げたい思惑がありますが、その結果がイランとの関係を最悪にすることだとすれば、代償は大きくなりそうです。

 また保釈中の元日産のカルロス・ゴーン被告がレバノンへ出国して、日本への復讐に執念を燃やしています。日本政府のこれら2つの問題への対応はどうも煮え切らない状態で、正直なところ、関心を持っていないようにも受け取れます。ただし、オリンピックを前に、出入国の管理がザルであることは露呈したし、緊張が高まる中東への自衛隊派遣が既に決まっているなど、無関係はあり得ません。

 南に目を移すと、オーストラリアの絶望的な規模の山火事が燃え広がっていました。ニューサウスウェールズ州だけで136箇所の山火事が発生しており、すでに24人が亡くなっています。被害が大きいのは動物たちの方で、森に住んでいた3分の1のコアラを含む4億8000万もの動物が焼け死んだとされています。もちろん、生態系も崩壊しています。

 もちろんこの山火事が気候変動によって起きたと直接的に言うことはできません。しかし高温や湿度の変化などが生じた結果もたらされていることは否定できず、筆者のカリフォルニアでの経験だと、今後毎年続いていくことになるかもしれません。

 年初からとてもポジティブになれないニュースばかりのご案内となってしまいましたが、さすがに目を背けていられない、差し迫った状況に陥っていることを、再確認しておくべきだと思いました。

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