見た目はシンプルなストレート端末
「PORTUS WX02S」は、縦124mm×横50mm×厚さ15mm、最薄部13.5mm、重量約120gというサイズ。角が少し丸まっており、無骨なようでいてカワイイ雰囲気を醸し出している。ボディー素材は樹脂製で明記されていないが、とくに本体をぐるりと囲う部分は素材が分厚く頑丈な印象を受けた。ディスプレーは240×320ドットの2.2型液晶。発色は明確なので文字の視認性は十分だ。
PHSとしての機能を見ると、Eメール、POP3/SMTP、ライトメール、リモートロック、リモートロック代行サービス、管理者ロック、イヤホンジャックに対応している。また、セルフコールや割り勘電卓、おごり割電卓、予測変換機能、自動時刻補正機能、留守番電話機能などを備え、Wi-Fiルーター機能だけでなく、PHS機能にもちゃんと注力しているとわかる。
なお、カラバリにはブラック、ホワイト、ブルーの3種類がある。ブラックのみ特徴的で全面ブラックではなく、随所にビビットなピンクを採用。ものすごく渋谷受けしそうなカラーリングなのだが、iPod touchユーザーを狙ってのことなのだろうか。
バッテリーは1700mAhと大容量。これによりPHSとしての待受時間は約1200時間(約50日)というステキなスペックを生み出す要因になっているが、大容量の理由はもちろんWi-Fiルーターとして駆動するためだ。3Gデータ通信時は連続で約4時間駆動で、実レベルだと3時間40分ほど(後述に詳しい)。PHS通話の場合は約14時間……と待受と同じくPHS端末としてみると驚異的な通話時間だ。イエデンワと同様に、災害時を意識しているのかもしれない。
3Gデータ通信は1.5GHz帯を用いるULTRA SPEED(下り最大42Mbps、上り最大5.7Mbps)のみに対応。つまりソフトバンク網を使用する形で、キャンペーン中に登録すると月額3880円で使い放題になる。最大接続台数は10台で、3Gデータ通信をしながら通話もできる。
ケータイとしてもWi-Fiルーターとしても使い勝手がいい
まずはケータイとしての使い勝手、とくにキモとなる入力のしやすさをチェックしてみよう。キーはフラットではなく、傾斜がもうけられており、指に引っかかりやすくなっている。ウィルコム端末全般にいえることだが、こと入力キーの形状はどの機種もこだわりが感じられ、もちろん入力しやすい。メニュー回りの選択もテンキー上部の十字キーと決定キーだけでよく、フィーチャーフォン的な操作性で不満を感じなかった。
Wi-Fiルーターとして使用するときも、右側面のサイドキーを上にスライドさせるだけで起動、下にスライドさせるとキーロックという操作にも注目したい。Wi-Fiルーターが起動完了するまでは約10秒で、使いたいときにすぐに起動できるだけでなく、上記の通りにカンタンな入力で動作が完了する。
Wi-Fiルーターとしての性能を見てみると、IEEE 802.11b/g/nとWPSにも対応、同時接続台数は10台。個人利用はもちろん、旅先での回線シェアにも耐えてくれる。また、連続的に3Gデータ通信をしていると発熱の警告表示や、設定側でバッテリーの動作をPHS優先か3Gデータ通信優先かといった電源管理もあり、バッテリーをフルに活用できるだろう。実際のチェックでは、カタログスペックでは約4時間とあったが、ローバッテリー警告で自動的にWi-Fiルーターが停止するまでは、約3時間40分だった。接続していた端末はノートPCとiPhone 4S、Xperia ray。いずれも常時なにかしらの通信をさせていたことからすれば、十分実用範囲に収まっている。
ちなみにローバッテリーはバッテリー残量が10%以下で表示と思われるのだが、この表示が出てから2日間は充電せずに動作を確認できた。異常なまでのスタミナは評価に値するだろう。