折り畳んだサイズよりも
広いキーピッチが魅力「TK-FBP018」
ミニサイズのキーボードに慣れないという人であれば、持ち運びは小さく、使う時は幅広になる折り畳みタイプがオススメ。エレコム「TK-FBP018」シリーズ(直販価格1万4091円)はこの種の商品としては定番的なモデルだが、HID接続に加えてSPPでの接続も可能なので、さまざまな機器で使われている。
折り畳み式のボディーを開くと横幅28.5cmと幅広くなり、キーピッチ18mmはデスクトップ用のフルサイズキーボードと変わらない。また、一見すると分からないがスマホを立てて置くためのスタンドも内蔵するなど芸が細かい。
なお、開いた状態でロックする機構も付いているのだが、膝の上で入力するとキーボードが弾んでやや打ちにくい。折り畳み式はやはり平らな机の上で使うのがベストだ。
SPP接続するとやや気になる点も。接続ツールとIMEの2つが必要となるのは当然として、IMEの「EleWnn」の変換精度がいまひとつなのだ。昨年からはIMEに「ATOK for ELECOM」(無料)が使えるようになったものの、画面上にソフトウェアキーボードが出たままでやや邪魔など、やはり外付けキーボードの利用を考えているなら、最初からHID対応のスマホを選ぶほうがよさそうだ。
折り畳みがいいのかコンパクトストレート型がいいのか見てみると、打ちやすさや携帯性の点ではやはり折り畳み式に分があるが、キーピッチにさえ慣れればストレート型のほうが使い勝手はいいだろう。
いずれにせよ、キー数が極端に少ないモデルでも日本語入力だけならばさほど問題はない。とはいえ、記号系文字を打つ際にFnキー併用を必要とするため文章を入力するリズムが崩れてしまい長文入力に向かないという難点がある。できれば、句読点や「」;:などのキーがあるほうが望ましいと思う。
今後のスマホキーボードはどうなる?
ワイヤレスキーボードはBluetoothのHIDが普及していることもあり、現在のところは前述のように接続方式に迷うことはないはずだが、今後はいくつか選択肢が広がるかもしれない。
すでにBluetooth 3.0搭載のスマホおよびキーボード製品もいくつか登場しており、Bluetooth 2.1よりも電力消費が抑えられているのが大きな特徴だ(3.0は高速データ通信も特徴なのだが、キー入力ではそれほど関係なさそう)。
例えばバッファローの「BSKBB06」シリーズは、単4形電池×2本で約7ヵ月使えるという節電キーボード。サイズ的には幅266×奥行き124mmと、週刊誌が入るカバンであればさほど負担にはならないだろう。厚みは21mmで、いわゆる極薄キーボードのように薄さを強調しているわけではないが、キートップの厚みを抑えたフラットな表面なので、雑誌や資料などの間に差し込んでおきやすい。
キーピッチは17mm。デスクトップPC用のフルサイズキーボードに比べればやや狭いとはいえ、大きめのノート程度はあって十分打ちやすい。スリムさを強調するためかキートップに厚みはないが、パンタグラフ式ということもあって打鍵感は悪くはない。キー数も83キーと、テンキーのないキーボードとしては一般的なところだ。
エレコムが今年初頭に開発表明を行なったワイヤレスキーボードは、通信方式にNFC、つまり近距離無線を使う。10cm程度の超近距離でしか動作しないのだが、考えてみればワイヤレスキーボードにとってBluetoothの数十mという無線飛距離は不要なわけで、Bluetoothよりもはるかに省電力となり、なおかつペアリングする必要もないというのも使いやすそうだ。
ちなみに、NFCは海外メーカーのスマホで採用されはじめているが、日本ではFeliCa(いわゆるおサイフケータイ)が主流となっているため、なかなか対応機種が少ないのが現状だ。
ワイヤレスキーボードばかりが注目されているが、ワイヤード接続も考慮に入れてもよさそうだ。無線から有線と聞くと時代を逆行しているように思えるかもしれないが、なんといっても無線に比べて電力消費が少ない、というかキーボード側に電池がいらない。
Android 2.xでは基本的にUSBポートはクライアント機能のみだったが(2.3.4以降ではオプションでホスト機能に対応)、Android 4.0ではUSBホスト機能が搭載され、キーボードやマウスを扱えるようになった。すでにAndroid対応をうたったキーボードも販売されているが、折り畳みやウルトラコンパクト、はたまたユニークな形状のものまで、市販されている膨大な種類のUSBキーボードがすべて選択肢に入るのは魅力的だ。
今後Android 4.0の普及にともなって伸びてくるであろうUSB式のポータブルキーボードも注目しておきたい。