Jollaが見据えるマーケットに日本はナシ
──Jollaのロードマップはどうなっているのでしょうか?
Dillon Sailfish OSを搭載したJollaは2013年後半にローンチの予定です。フィンランドと中国が最初の市場となり、フィンランドでは2013年のクリスマスに合わせて、中国は2014年2月の旧正月に合わせて発売する計画です。その後、ほかのマーケットに拡大します。
──なぜ最初の市場に中国を選んだのですか?
Dillon 中国というと市場規模が大きいだけと思われがちですが、中国はとてもダイナミックな市場です。物事の進行が速く、トントン拍子で幹部クラスの人と具体的なビジネスの話ができます。問題は販売ルートでしたが、これもすぐに目処がたち、「D.Phone」と提携しました。中国最大の小売店で、国内に約2000店を構えています。
日本でも数社と話を持ちましたが、私が理解している範囲では日本市場への参入は敷居が高い。日本市場では期待されることが世界とは異なると言う点も(現時点で日本市場を検討していない理由として)あります。
───企業としてのJollaのビジネスモデルは?
Dillon 3つあります。1つ目は端末の作成で、「Jolla」が最初の端末になります。
2つ目は、Sailfish OSのライセンス。携帯電話メーカーはSailfish OSベースのスマートフォンを開発できます。現在、Androidスマートフォンが各社から登場していますが、どれも似通っています。Sailfish OSなら、これまでとは違うスマートフォンを開発できます。
3つ目は、他社の製品開発支援です。たとえば、Facebookがスマートフォンを投入すると以前からいわれていますが、アプリケーションプロバイダーなどのブランドが携帯端末を作成することを支援しています。Foursquareなどのアプリが、自分たちのアプリを深いレベルで統合したスマートフォンに強い関心を示しています。
オペレーターからはとても好意的なフィードバックをもらっています。(オペレーターは)単にデータとアクセスを提供するコモディティーになることを恐れており、新しいスマートフォンを提供したいという強いニーズを感じます。今回のMWCでも高い関心をもらい、話が進みました。
──Firefox OS、Ubuntu、Tizen……、今年のMWCではいくつかの新OSが名乗りを上げました。Jolla/Sailfish OSの違いは?
Dillon まずは、われわれは業界を熟知しており、モバイル端末を作るという専門知識があります。ほかのOSはまだモバイル端末を作ったことがないが、我々は経験があり、ソフトウェアとハードウェアを統合するということを知っています。
次に、リッチなユーザーエクスペリエンス。ここには大きなフォーカスを注いでいます。簡単に使え、かつ高速、パワフルです。
最後に、携帯電話は8億台市場です。ですが現在、OSではiOS(Apple)かAndroid(Google)、端末メーカーではiPhone(Apple)かサムスン電子──つまり3社に独占されています。コンシューマーが自分たちに選択肢がないと理解し始めたら、このような独占状態は終わるでしょう。TV、車にはたくさんの選択肢があるのに、携帯電話にないというのはおかしいことです。iOS、Android以外のOS、Apple、サムスン電子以外のメーカーが入る余地が業界にはあるはずです。