サムスンが第2四半期の予測発表 利益25%減 スマホ伸び悩み

文●末岡洋子

2014年07月09日 20時45分

 Samsungが7月中に正式発表する2014年第2四半期(4~6月期)の業績について、営業利益が前年同期比20%以上の減少となる見通しを出している。為替の影響とスマートフォン市場の成熟に伴う価格競争を原因としており、これといった打開策を出せないまま3四半期連続での減収となりそうだ。

 7月8日にSamsungが投資家向けに発表した第2四半期のガイダンスによると、同期の売り上げは約52兆韓国ウォン(約5兆2200億円)、営業利益は約7兆2000億ウォン(約7200億円)の見通しという。前年同期(2013年第2四半期)の売上高は57兆4600億ウォン、営業利益は9兆5300億ウォンであったことから、ガイダンスの通りであれば売上高は前年同期から約10%の減少、営業利益は約25%の減少となる。

 なお、2013年Q2はSamsungが当時過去最高の業績として発表した絶頂期と言える。Samsungは2013年第3四半期に10兆ウォンを超える営業利益を計上以来、前年同期比マイナスが2四半期続いており、Q2のガイダンス通りであれば3四半期連続で営業利益が減少することになる。

 Samsungのガイダンスでは減収について、「韓国ウォン高」「スマートフォンとタブレットの鈍化」「在庫処理のために増額したマーケティング費用」の3つを原因に挙げている。

 特に2番目の問題については、タブレットの出荷台数が予想を下回ったこと、5〜6型の画面サイズを持つスマートフォン(ファブレット)が7〜8型のタブレットへの需要を相殺したことを報告している。またスマートフォンの需要鈍化により、チップ(System LSI)やディスプレイ事業にも影響が出ているという。

 3番目のマーケティング費用では、スマートフォン市場で中国と欧州市場でのベンダー間の競争が激化しており、ミッドレンジからローエンド機種の在庫が増加したために販売店への販売台数が鈍化したとしている。また、第3四半期のピーク期と新機種ローンチの準備のために在庫処理をする必要があることから、マーケティングを積極的に行なったともしている。

 特に中国市場では、中国キャリアのLTEローンチと価格競争により3G機種への需要が鈍化したとしており、欧州市場では4割近くのシェアを維持しつつも需要鈍化により在庫が増えたとのことだ。

 Samsungは先に、4月に発売した最新のフラッグシップ「GALAXY S5」が発売から1ヵ月で1100万台を売り上げ、前機種のGALAXY S4を上回ったと報告している。

 なお、中国のXiaomiは先に、好調な上半期の業績報告をしたばかり。同社の2014年1〜6月の出荷台数は前年同期比270%増の1870万台を記録した。中国勢としてはハイエンドブランドを構築中のHuaweiに続き、ZTEも6月にハイエンド戦略を打ち出している。また、Lenovoが1月末に発表したMotorola買収も注目されており、価格競争がさらに強くなると予想されている。

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