日本時間9月10日、満を持して登場した「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」と「Apple Watch」。今回の発表に関して、テクノロジー分野に詳しいフリーランスジャーナリストの本田雅一氏にコメントをいただいたのでご紹介する。本田氏は、iPhone 6を「着実に進化したiPhone」と評価するが、一方で完全な新要素の少なさについても指摘している。
iPhone 6、全くの新要素はNFCのみ。完成度の高さゆえの悩みか
解像度に関しての情報は少なかったが、それ以外はほぼ予想通り。着実に進化したiPhoneと考えれば、アプリのエコシステムやユーザーインターフェースの洗練性など、トータルで優れた端末であることは間違いない。
NFCの搭載は日本での決済サービス開始予定が示されておらず未知数だが、それを除いても魅力ある商品ではあろう。ただ、同時に全くの新要素はNFC程度しかなく、完成度の高さが逆に悩みになっている。
一方、新ジャンルに関してはアップルらしさが花開いたのではないか。Apple Watchは心拍計を備えるなど本格的スポーツウォッチとしての素養を備えつつ、完成度の高いユーザーインターフェースデザインを提供している。これまでのスマートウォッチは情報の通知が主機能だったが、もっとインタラクティブに使いこなせる機器になってくれば、アプリの機能にも奥行きが生まれるだろう。このジャンルの新たな基準となる製品になると思う。
本田雅一(ほんだ まさかず)
フリーランスジャーナリスト、コラムニスト。IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、モバイル、ネットワークサービス、インターネットカルチャーなど、テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフ、それらの関連技術、企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーする。