ここからiPhoneの新しい歴史が始まる
iPhone 6シリーズは時代の節目を感じさせるiPhoneだ。今年はティム・クックCEOが、大きくアップルの舵を取り直した年だ。経営陣を刷新し、女性重役、ファッション系やブランド系の重役を強化し、先日のApple Special Eventにも初めてITや経済系以外のプレスとして世界中のファッション系プレスを招待した。
さらにはティム・クック氏がCEOになって初めての新カテゴリーデバイス、Apple Watchも発表された。
筆者はiPhone 6シリーズの画面大型化は、単に「トレンドだから大型化した」のではなく、Apple Watchの計画があるからこそ、もう「歩きスマホ」は止めて、スマホの使い方にもメリハリをつけて、使う時は大画面で思いっきり楽しむ。そして、「使わない時には鞄にしまって必要な時にしか出さない、ちょっとした用事は腕にはめたApple Watchでこなす」といったライフスタイル提案をしようとしているのだと感じさせる。
そう、iPhone 6シリーズは、Apple Watch時代を前提につくられた初めてのiPhoneなのだ。
それでいて、iPhone 6シリーズと同時にリリースされそうなiOS 8には、いずれ家の家電のすべてをコントロールするかもしれない万能リモコン機能「HomeKit」も搭載されている。
そう考えると、iPhone 6シリーズの薄い形状がタッチパネル式のカード型リモコンのようにも見えてくる。
そこまで先の話しをしないまでも、新しいスローモーションやタイムラプス撮影や、米国では10月スタートし、もしかしたらいずれは日本にも入ってくるかもしれない決済システム「Apple Pay」のおかげで、iPhone 6シリーズは、これまでに見たことがなかった、かなり開けた未来への展望を切り開いてくれている。
2007年「時折、革命的な製品が出てきてすべてを変えてしまう」という前置きで発表され、本当に世界を劇的に変えてしまったiPhone。
その7年後に登場したこの最新モデルも、あの時と同じくらい大きな夢を見せてくれそうだ。