タブレット市場はセグメントの時代
タブレット市場そのものをみると、”ファブレット”として大型化するスマートフォン、そして軽量・小型化・高速化するノートPCとの間にあって位置づけが難しいところがある。
IDCが発表した2014年第2四半期のタブレット市場報告書では、前年同期比11%増で成長はしているが、前四半期(Q1)と比較すると1.5%のマイナス成長だった。AppleがIBMと提携して企業向けのタブレット市場開拓を開始し、MicrosoftもWindowsで企業向けを狙っていることから、今後の成長は企業や学校などの市場が牽引しそうだ。IDCでは消費者がタブレットを買い替える時期が予想よりも長い点にも言及している。
タブレットはiPad登場当時の高成長に一息ついた状態で、出せば売れるというものではなくなってきた。今後は安価なもの、メディア目的、ゲーム目的など用途に合わせたセグメントがある程度必要になりそうだ。そういった点で、Nexus 9がどの市場を狙うのかに注目したい。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている