我々はすでに『電脳コイル』の世界にいる
しかし、Ingressの面白さは、もちろん位置情報がからむネットワークゲームとしての面白さです。ゲームを始めてまず驚くのは、我々は知らないうちにポータルに囲まれて生活しており、そこで日夜暗躍するエージェントを見過ごしていたということです。
身近なところで静かに攻防戦が展開していたという点で、私はまず三崎亜記さんの小説 『となり町戦争』を想起しました。拡張現実の世界で戦っているという点で、磯光雄監督のアニメーション『電脳コイル』を想起する方も多いでしょう。
私は、このゲームのためなら、ネガティブに語られることの多いGoogle Glassを使ってもいいと思っています。もちろん電脳コイルの電脳メガネのようにして使うわけです。
そもそもスマホを持って下を向いて歩くのは危険だし、はたからはアブナイ人に見えがち。だったらいっそ、最初からGoogle Glassを着けていた方が、よほどゲームはやりやすいわけです。
私は既に存在を忘れていた「Google +」さえ使っています。IngressのID登録に不可欠だからです。Googleの事業展開としても、Ingressはプラットフォームとして結構なものになっていくのかもしれません。
しかし、IngressがTwitterやLINE並にブレークすると、どうなるのかという懸念もあります。
(次ページでは、「エージェントは顔がバレる」)