プレゼン資料のたたき台を隙間時間に作成する
「PowerPoint for iPhone」もPC版アプリに近い機能を備えている。SmartArtをきちんと再現しているのが、さすが公式アプリというところ。画像や表、グラフ、アニメーションもすべて表示される。もちろん、ノートの追加・編集もできる。
iPhoneからプロジェクターに出力し、プレゼンテーションすることも可能だ。その際、レーザーポインターで説明箇所を指したり、蛍光ペンで書き込んだりできる。ただし、ノートを表示するなどの発表者ツールはプレミアム機能となっている。また、本アプリではグラフを作成できないが、「Excel for iPhone」で作成したグラフをコピーして、張り付けることはできる。
.pptxと.pptm形式のファイルを編集でき、.ppt、.pps、.ppsx、.ppsm形式は読み込み専用となる。もちろん、.pptx形式に変換することも可能。
WordやExcelと異なり、横画面表示に固定されている。左側にスライドのサムネイルを表示するためだが、ちょっと縦方向が狭い。「A」(リボン)メニューを表示すると、ほとんどスライドの内容が見えなくなるのは仕方のないところか。そのため、タッチ操作はマスターしておきたい。ピンチ操作で拡大縮小のほか、テキストボックスをダブルタップでキーボード入力、単語をダブルタップで選択して編集。テキストをトリプルタップすると、段落ごと選択できる。選択状態で、関係ないところをタップすると選択が解除される。
やる気になれば、きちんとしたプレゼン資料を作りこむことはできる。しかし、ビジュアルを整えるのは、やはり大画面の方がやりやすい。iPhoneでは、ざっくりとたたき台を作ったり、時間のかかるノート作成を行なうのに向いているだろう。また、プレゼンの前の隙間時間に、スライドの動作を確認できるのも助かる。アニメーションや切り替え効果がきちんと動くかどうかの最終チェックをしておくと、安心だ。
以上が「Excel for iPhone」と「PowerPoint for iPhone」の説明書となる。公式アプリだけあり、無料でもほとんどの機能を利用できるのは助かるところ。フル機能を使うには月額1200円のOffice 365 Soloなどを契約する必要がある。安くはないが、最新のOfficeアプリを、PC・Macで2台、タブレットで2台、スマホで2台まで利用でき、OneDriveの容量も1TBに増量される。毎月、Skypeの無料通話を60分ぶんもらえるし、十分に価値があると言える。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。