どんな場所でも、iBeaconは試せる!
iBeaconは、Bluetooth LE機器が定期的に発する信号(Advertisingフレーム)を利用する。ビーコンが一定間隔で信号を発することにより、その存在と位置をBlutoothの有効圏内(半径約10m)に示すことができるのだ。iPhoneなどの受信側デバイスはBluetoothを有効にしておくだけでいい。
ただし、「対応アプリ」は必要。信号はBluetooth LEベースでありOSの機能で受信できるが、どのビーコンが発する電波か見分けなければならないからだ。ビーコンは128bit文字列の「UUID」と、16bit整数の「Minor値」と「Major値」を常時発信しており、スマートフォン側はその値でもってビーコンを見分けなければならず、サービス提供者側は特定のUUIDを情報として持つアプリを配布することになる。
つまり、iBeaconを試そうとすると、常時UUIDなどの情報を発信しているビーコンと、Bluetooth LEに対応したスマートフォン、特定のUUIDを識別できるアプリという3点が必要ということになる。
しかし、そこであきらめるのは早い。とりあえずiBeaconを体感するのであれば、Bluetooth LE対応のiOS 7以降が動作するiPhone/iPadが2台と無償のアプリがあればいい。信号強度やビーコンからの距離が表示されるだけの無骨者だが、iBeaconで何ができるか/できそうかを知る程度の体験は可能だ。
用意するアプリは『iBeacon Scanner』。筆者はiPhone 6を受信機(持ち歩くデバイス)、iPad miniを発信機(ビーコン)に見立て、それぞれにアプリをインストールした。
iBeacon Scanner | |||
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価格 | 無料 | 作者 | IXSOFT |
バージョン | 1.1.0 | ファイル容量 | 1.6 MB |
対応デバイス | iPhone 4S以降、iPad 2以降、iPod touch(第3世代以降) | 対応OS | iOS 7以降 |
まずはビーコンとなるiPad miniから作業をスタート。iBeacon Scannerを起動してメニューの「Turn this device into iBeacon」をタップ、適当なビーコン名とUUID、他と重複しないID(ex. org.hoge.fuga)、Major/Minor値にはそれぞれ1を入力してから右上の「Turn」をタップする。これで、iPad mini側の設定は完了だ。
次はiPhone側の設定を行なう。同じくiBeacon Scannerを起動し、メニューにある「iBeacon Vendors」をタップする。近くにあるビーコン(iPad mini)の情報を持っていないので、手動で登録するというわけだ。画面右上の「+」をタップし、iPad miniの画面を眺めつつUUIDその他の情報を慎重に入力していこう。そして登録されたビーコンの行をタップして選択(「*****」と印が付く)、ホーム画面に戻れば「iPad miniビーコン」が現れるはずだ。
あとは、iPhoneを手に歩いてみよう。数呼吸おいてから、ビーコンからのおよその距離が表示されるはずだ。隣室へ移動してみれば、障害物の影響をどのように受けるかも分かる。百聞は一見にしかず、iBeaconの仕組みと特徴を実感できることだろう。