私フジムラがいちシンセ少年だった1990年代中頃に、Ensoniq、E-mu、Novationなどと並んで、国産とは一味違うデザインとサウンド、さらには手の届かないお値段で憧れを抱いていたメーカーがドイツのWaldorf(ウォルドルフ)でした。
今回紹介する「nave」は世界中のプロにも愛用されるWaldorfがリリースした、2オシレーター搭載のシンセアプリ。家具や自動車など、ことモノづくりにおいてはガッチリとした、隙も遊びもないイメージのドイツ製品ですが、このnaveはどうか。試してみました。
Nave | |||
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価格 | 2000円 | 作者 | Waldorf Music |
バージョン | 1.6.2 | ファイル容量 | 187.4 MB |
カテゴリー | ミュージック | 評価 | (5) |
対応デバイス | iPad | 対応OS | iOS 7.0以降 |
プリセットは500以上、音の傾向は派手なトーンが多め
まずアプリを立ち上げると画面内のスタジオに置かれたnaveにカメラがググっと寄り、実際の操作画面へと移行するモーフィングアニメーションが始まります。
naveでは音作りに関わる「wave」「Filter&Env」「Mod&Keys」「FX&Arp」の4機能に加え、「Tape&Sys」での簡易的な4トラックレコーディングも可能。各機能は画面上段左側の5つのボタンで切り替えます。
画面下部に配置されたキーボードは基本的には常時表示され、演奏を途切れさせることなく各機能を自由に操作できるのはうれしいです。
Tape&Sysの右横にあるパッチ名をタップするとサウンドリストが開き、サウンドプリセットを読み込めます。
サウンドプリセットはなんと500種類以上。サウンドクリエイター名の付いたバンクごとに、leadやkeys、padsなどの楽器カテゴリーに分かれて音色パッチがソートされており、膨大なプリセットからも狙った方向性の音を見つけやすいです。
プリセットサウンドの傾向としては、とにかく図太く厚みのある派手なトーン。EDMの音源はもちろん、バンドのアンサンブルの中で使っても十分に抜けてくるだろうと感じました。個人的には「0-Day Attacksバンク」の「XY Bass」や「Fabien Manchecバンク」の「Arp Talk」のような、金属的なエッジが利いたパッチがお気に入りです。
欲を言えばバンクとカテゴリーのそれぞれに「all」表示があってくれると、もっと音色が把握しやすいのではないかと思いました。
(次ページでは、「Naveならではの機能とは」)