2015年6月9日にAppleの開発者向けイベント「WWDC 2015」が開催された。今回の発表に関して、ケータイジャーナリストの石川温氏からのコメントが届いたのでご紹介する。
プライバシー保護でグーグルとの違いをアピールか
今回の基調講演で気になったのが、徹底して「プライバシーの保護」を強調していた点だ。
ユーザーの行動を予測してアプリや連絡先を表示する機能においても、データは第三者に渡すことなく、端末内だけで処理することを明言。ユーザーデータを広告に活用するなんて、もってのほかだと言わんばかりであった。
明らかにグーグルを意識した発言であり、グーグルとはスタンスが異なることをアピールしたがっていた感があった。アップルとグーグルではビジネスモデルが異なるだけに、当然と言えば当然なのだが、ここまでアップルがプライバシーの保護を強調したのはちょっと意外な感があった。
よほど、グーグルのやり方が気にくわないのか、ユーザーをきっちりと守りたいのか。 今後、このスタンスの違いがプラットフォームを選ぶ上で、重要な要素になってくるかもしれない。
石川 温(いしかわ つつむ)
スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『ケータイ業界52人が語る「戦略」の裏側』(毎日コミュニケーションズ)など、著書多数。