リアルなソーシャルメディアが増えるはず
かつて「新聞紙」というメディアに定着していた「新聞=News」は、いま、「Gunosy」や「SmartNews」に張り付いている。上述の「武邑塾」などもまさにその好例で、リアルな空間におけるセミナーに、極めて「ソーシャルメディア的」なものが流入/混入したのだと考えられる。
もちろん、世の中のすべてのリアルイベントがそうではないだろうが、よくTwitterやFacebookなどの利点と言われるいわゆる「Weak Ties」(弱いつながり)よりも若干密度の高い、かといって「Strong」でもない「Medium」なつながりが、いま、とても求められているような気がしてならない。
有名無名を問わず、多様なジャンルの専門家が独自のテーマでプレゼンテーションを行なう世界的な講演会「TED」も、1984年の発足以来、複数のバリエーションを派生させながらグローバルな規模で知見の交換が実現されている。
これもリアルな世界での人々の「やや強い」つながりと、ネット上での情報交換/情報共有が絶妙なバランスを保っている、極めて「トランスメディア」的な様態と言っていいだろう。
かくいう筆者も、元週刊アスキー総編集長の福岡 俊弘さんらと編集の可能性を考えるセミナー「Editors' Lounge」を立ち上げる。目指すところはやはりリアルなソーシャルメディアだ。
TwitterやFacebookと連携しつつも、ネット上より小規模で参加者との関係が微妙に濃い、独特な場を醸成していければと思っている。今後、「ソーシャルメディア的」なものは、同じ文脈を共有した人々が集う、リアルな空間の中に立ち現れてくるに違いない。
(次ページでは、「見えなくなっていく重要な情報」)