日本時間9月10日にアップルのスペシャルイベントが開催された。今回の発表に関して、テクノロジーと音楽に詳しいフリーライター、四本淑三さんからのコメントが届いたのでご紹介する。
音楽業界での活躍を期待
iPhone 6sのデモビデオに、いきなりPerfumeが出てきてびっくりしました。
音楽畑の人間にとって、iOS機器は楽器やコントローラーとしてのニーズが大きいわけですが、そういう意味で3D TouchとTaptic Engineは注目しています。
押し込む動作に対して振動で応答が返ってくる点は、シンセアプリのスイッチやノブの操作をより実感のあるものにするだろうし、ライブの現場では画面での確認を最小限にし、同時に操作ミスを減らすこともできます。アップルのスペシャルイベントでは省入力性をアピールしていましたが、そんな使い方ができたらいいなと思います。
ただ、もっと期待してしまうのがApple Pencilです。入力と応答のタイムラグが少ない点は、楽器アプリのリアルタイムな演奏に向いています。圧力センサーと傾斜センサーは、メロディを弾きながら、一音一音に強弱やビブラートを与えるような、より多くのニュアンスを含んだ演奏も可能にするはずです。iPad Pro専用とアナウンスされていますが、他のiOS機器でも使えたらいいのになと思っています。
四本淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ。