結局、まだ現状維持か?
おそらくiMac 4Kモデルも5Kモデルも、美しく広大なディスプレイとパワフルにあらゆる作業をこなしてくれるという点で、モバイル派にとっても満足できる1台であることは間違いありません。もしデスクトップにiMacを置けば、サブノートのMacBookや、それよりも安いiPad ProまたはiPad Air 2といった選択肢を選んで、デスクとモバイルの環境を作ることも考えられます。
その一方で、軽くてパワフル、フル環境を持ち歩くことができるノートパソコン1台にまとめるとするなら、現状選択しうるMacBookシリーズは存在していないというのも現状です。環境を刷新するとしても、やはりiMac Retinaディスプレイモデルと、Retinaを搭載しながら軽くてパワフルなモバイルノートが出揃った状態で比較検討したい、という気持ちが残りました。
こんな気持ちになったのは、Adobe Maxの会場でMicrosoftが披露し、米国ではすでに発売されて好調な2-in-1タイプのWindowsマシン、Surface Bookを見てしまったのが原因です(関連記事)。パワフルなノートパソコン、軽快なタブレット、パワフルなタブレットPCという3つのスタイルを実現する、1台で済ませたい筆者にとって非常に理想的PCを見てしまったことが悩みを大きくしています。
現状、WindowsからMacへ乗り換えることはない、という結論を持っているのですが、Surface Bookという理想形の存在は、Mac選びを難しくしていることは事実です。Mac環境を引き継ぐ必要性がないのであれば、年明けにも日本で発売される予定のSurface Bookは、多くの人にとってパソコン・タブレットの決定版になるでしょう。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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