フィーチャーフォンのスタンスを踏襲する
シニア向けスマートフォン
たまごが先か、にわとりが先か、中高年のニーズに応えてか、最近になって中国各メーカーから、シニア向けのスマートフォンがリリースされるようになった。
それまで中国のシニアフォンといえば、正面から見れば電卓のようなシンプルなデザインで、裏面には緊急連絡時のSOSボタンがつき、FMチューナー内蔵でラジオも聞け、割れるほど大音量が出せるフィーチャーフォンが定番だった。
最近出てきたシニア向けスマートフォンもまた、その基本ニーズに沿った作りとなり、レノボやテレビメーカーの長虹(Changhong)などがリリースしているが、メーカーのものも似たり寄ったりとなっている。奇をてらったシニア向けスマートフォンは残念ながら少ない。
多くのメーカーのインターフェースがシニア向けのものとなっているが、これは「365関愛OS」というカスタムROMが入っているからである。
若干ではあるが「吉祥老人系統」というカスタムROM搭載の機種もあり、一応は競争が発生しているので今後が期待できる。
365関愛OSについては、オフィシャルサイトからダウンロード可能なので、興味がある人は自己責任で入れてみるのもいいだろう。
シニア向けのアプリも充実
それでもユーザーを満足させるのは難しい?
シニアスマホにプリインストールされたアプリは、シンプルな通話アプリ、緊急通話アプリ、天気アプリ、FMラジオアプリ、アラームアプリ、新聞社系ニュースアプリ、医療アプリなどが定番だ。
最近よく見る「年老いた親にスマホをあげるときの、入れておきたいアプリ」的な記事でも、前述のアプリは定番だ。
特にアラームアプリは、目覚ましだけではなく、投薬のタイミングを教えるアプリとして重要だ。また医療アプリも健康の基礎知識が見れるのがメインだが、医者とチャットで相談できる機能があるものは(少なくともスマホ購入者には)重宝される。
新聞を読む習慣がついた中高年も多いので、共産党系の人民日報などお堅い新聞社系アプリも利用者にとっては歓迎だ。
中国のシニア向けケータイは、フィーチャーフォンの頃から時間をかけて試行錯誤して作られてきただけあって、フィーチャーフォンから続く「壊れやすさ」を除けば、よくできたものとなっているのではないか。
ただヒアリングする限り、シニア向けケータイが必要とされる人は相当な機械オンチの人が多く、何を与えても製品に不満を漏らすそうで、彼らを満足させるのは中国製品をもっても難しい。