次のiPhone/iPadは「HDR対応」が進む?
iPhone 6s/iPhone 6s Plus限定の新機能としてiOS 9で登場した「Live Photos」。静止画(JPEG)と3秒の短い動画(MOV)で構成されるApple独自のフォーマットであり、サードパーティー製アプリでは直接扱うことができなかった。
iOS 10では、マルチメディアフレームワーク「AVFoundation」を強化、Live Photosで記録するための機能をサードパーティーに公開した。これまではFacebookアプリなど例外をのぞき、純正カメラアプリでなければ撮影できなかったが、今後はLive Photosをサポートするサードパーティー製アプリが増えることだろう。
この機能、ただ単純に記録用フォーマットとしてLive Photosをサポートしたという話ではない。AVFoundationの「AVCapturePhotoOutput」クラスがiOS 10で拡張され、あらゆる画像生成ワークフローからのアクセスが可能になるという。iPhone 6s/iPhone 6s PlusとiPhone SE、iPad Pro 9.7インチの4製品については、Adobe DNG準拠のRAWフォーマットでの撮影もOKということで、iOSデバイスのカメラとしての存在感はさらに増しそうだ。
デジタルシネマ規格「DCI-P3」準拠のワイドカラー撮影
さらに、一部の端末ではデジタルシネマ規格「DCI-P3」準拠のワイドカラー撮影もサポートされる。UHD(Ultra HD)フルスペックのREC.2020には及ばないものの、HDTVの国際規格REC.709より色域は広く、これをもって「HDR動画レディ」などと名乗るようになるのかもしれない。
DCI-P3については、Mac側では「21.5インチ iMac Retina 4Kディスプレイモデル」「27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデル」のRetina 4K/5K P3ディスプレイとしてサポートしており、iOSデバイスもワイドカラー準拠へと進む可能性は高いだろう。少なくとも、ソフトウェアレベルではHDRの受け入れ体制が整いつつあり、あとはハードウェア次第……次世代のiOSデバイスの姿がおぼろ気に、しかし鮮やかな色で見えたような気がする。